最初は、ちょっとした興味だったのだ。
 ユニオンのエースパイロットであるそのひとの噂はわたしもよく耳にしていたし、何より、カタギリさんに聞かされるそのひとの話はあまりに規格外だったから。
 とは言え、まさか直接関わることなんてないと思っていた。けれど、奇しくも対ガンダム調査隊に招聘された今となっては、わたしもその無茶に付き合う側になってしまった訳だ。
 今回のフラッグのチューンにしたって、パイロットのことは考慮しなくていいだなんて、本当にどうかしている。その上、一週間の期限をつけてきたものだから、ここのところ、わたしは寝る間すらない。
 あのひとは厄介だ。
 それを身を以て実感している今、元はただの興味だった筈のそれがどうしてこんな感情にシフトしたのか、わたしは自分のことながらひどく疑問に思う。それに、あのひとのそういう無謀さを許容できたとしても(実際、既に諦め始めている自分がいる)、あのひとは空が好きでフラッグを愛していて、更に今はガンダムに夢中なのだ。全く、前途多難にも程がある。



久しぶりだね、恋心
20110315

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