※現代パロ


 折角の天気の良い休日。部屋にこもっていてはもったいないと思ってハレルヤに電話して、五コール目くらいで切られて、かけ直してみれば電源が落とされていて、そこまでされると逆に意地になって、そして今に至る。
 現在地はハレルヤの部屋の前。突然押しかけたにも拘わらず快く上げてくれたアレルヤによれば、まだ寝ているらしい(どうせそんなことだろうとは思ってたけど!)。

「ハレルヤ! ハレルヤハレルヤハレルヤ! はーれーるーやー!」

 騒音を撒き散らしたいだけのノックとほとんど同時にドアを開いて室内に侵入。すぐさまベッドの傍に座り込んで騒ぎ立てれば、返されるのは案の定不機嫌な声。

「あーくそ朝からうるせー女だなさっきの電話もテメェか」
「いや、もうそろそろ昼だし! さすがに電源を切るのはひどいと思うの!」
「どうせ大した用件でもねーだろ」
「……ううう」

 あまりに身も蓋もない対応に、思わず言葉に詰まる。けど、ハレルヤのこういう態度はいつものことだし、これくらいでは引き下がれない。

「そんなこと言わないでわたしとデートしようよー買い物付き合ってよー」
「嫌だね。テメェのくそ長ェ買い物になんざ付き合ってられるか」
「お昼ごはん奢るから!」
「そんなに行きたきゃアレルヤでも誘ってこい」
「わたしはハレルヤと行きたいのー!」

 なおも食い下がるわたし。を、あしらうハレルヤ。
 さすがに悲しくなってきて、そんなにわたしと出かけるのが嫌なのかなあとか、もうこうなったら一日中だってここに居座ってやるんだからとか、そんなことをぐるぐる考えていると、こつん。軽く頭を小突かれて顔を上げれば、丁度、ハレルヤが半身を起こしたところだった。

「……? ハレルヤ?」
「仕方ねーから付き合ってやるっつーんだよ。くそめんどくせえ」
「!! ほんと?! ハレルヤだいすき!」
「当たり前だ」
「ふふ、ハレルヤだって何だかんだでわたしのこと大好きだよね」
「あ? 頭沸いてんじゃねーのか」
「えー、ひどい」
「ひどいのはテメェの頭だ」
「もー。またそんなこと言う」

 普段、悪態ばかり吐いててもつれない態度ばかり取ってても、結局のところ、ハレルヤは優しい。やっぱり尊大で口は悪いけど。
 なんて、わたしの中でまたひとつハレルヤの評価が上がったところで、何が気に障ったのかまた頭を小突かれた。しかもグーで、さっきよりも強めに。「なんで?!」。一応、手加減はしてくれてるみたいだけど、それでもかなり痛い。その上、ハレルヤは痛がるわたしを見て愉快そうに笑っていた。「……うう、アレルヤに言いつけてやるから……」。せめてもの仕返しと思って、わたしはじとりとハレルヤを睨む。と、返されたのは鋭い舌打ち。

「あ、やきもち?」
「はッ! 勝手に言ってろ」



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title:選択式御題
20110608
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