暖かい桜東風が柔らかな草を駆け抜ける、青々とした柔らかい草花の茂った広い草原に総司と千鶴は寄り添う花のように二人は草原に仰向けに横たわる
「大分暖かくなったね、千鶴」
「そうですね、これだともうすぐ桜が咲きますね」
昼下がりの空を見上げながら他愛ない話をする
総司は、「あ、」と何か閃いたかのように呟くと体を反転させ、千鶴の頭を撫でていた手を傍らに咲くシロツメクサへと伸ばし、摘んで細い指で何かを作り始めた
慈しむような眼差しで何かを作る総司を横顔に一体何が出来るのだろうと総司の手を見つめる
「よし出来た」
数分後、その声と共に器用に作られたシロツメクサの指輪が千鶴の指にはめる
「わああ可愛いです」
「うん、千鶴によく似合う、毎日作って、こうやって君に贈れたら良いなあ、桜が咲いたら桜の指輪も良いかな」
そう言って総司は蕾が実った桜の木を見つめる
「はい、きっと素敵だと思います、楽しみにしていますね」
そう言って千鶴はシロツメクサの指輪が、はめられた手を空へ掲げ、太陽の光に透かした




(毎日贈ろう)




 
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