「はぁ…こーしろークーラー!」
「さっきから何度も壊れてるって言ってるのに…人の話を聞きなさいよ貴女は」


背中を合わせた部分に扇風機の風を浴びる2人

今は真夏の真っ昼間である


「はぁ、やっぱり地球温暖化が原因かなぁ…」
「人間が吐く二酸化炭素も地球温暖化に繋がるんですから溜め息を止めれば少しは暑くなるのを防げるかもしれませんよ?」

「…光子郎くんがパソコン止めてくれた方が涼しくなるわ、きっとね」

ミミは口元だけを少し緩め、ふふと声を漏らす

「仕方ないでしょう、仕事なんですから」
「そうね、研究家さんはお忙しいことでしょうねー」

「…なんで嫌み気なんですか…」

光子郎がパソコンを閉じると、背後にいる彼女が微動する


「だって…みんな、忙しいじゃない」
「他人事のように聞こえますがミミさんも忙しそうじゃないですか」
「……だけど、私やっぱり8月1日はみんなで集まりたかったよ」


背中に汗がじわじわと滲む


光子郎が立ち上がるとミミはぴくりと動く

「ちょっと、立つなら言ってよ転げそうになったじゃない」
「……アイス取ってきます」
「え、アイスあるの?珍しい」
「…そうですね。ただ、なんとなくです」

そう言って今いる部屋から隣の台所へと向かう



「どうぞ」
「ありがとう」

ビニール越しの冷たさを感じながらビニールをベリと開ける

「やっぱり暑い日にはアイスよね」
「そうですね、久々に食べた気がします」
「へぇ、私は昨日イチゴのアイス食べたよ」

ソーダ味のアイスを口に含む

「ねぇ、光子郎くん」
「…暑い」
「アイス何個あるの」
「……暑い…」
「今日中に私が全部食べてあげようか?」

一度硬直した後、彼女には見えない笑みを浮かべながら

「お腹壊しますよ」
「大丈夫よ、人数分ぐらい2人なら」

「それに、今日は夜まで一緒に今日をお祝いしましょ。みんなの分までね」

そして彼女も彼には見えない笑みを浮かべた



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光子郎とミミであって珍しく光ミミではないです


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