まとめ5


僕が好きだからキスをしたいと、まだ幼い君がねだって仕方がないから。偶然ポケットにあった飴玉にキスを落としてプレゼント。今はそれで我慢してね。嬉しそうに笑ってくれた君が、大人になってもまだ僕を好きでいてくれるなら、その時はきっと。
@kaikoubot_00:キスの代わりに飴玉を


誰が言い出したのかしら。安全神話だなんて、もとから幻想でしかなかったのよ。一度崩れたらそれはもう戻ることはない。ぱたぱたと、組み立ててあった何もかもがあっという間に瓦解して、まるでドミノ倒しのようね。
@0daib0t: 安全、神話、ドミノ倒し


昔からの廃棄処分品が積まれた山が今度解体されると聞き、見にいくことにした。ガラクタだらけの場所で一輪だけ咲いていた花に友人と盛り上がった頃が懐かしい。あの場所の思い出を語る度、俺の狭い世界の一つだったあの場所が無くなることが寂しくなる。
@0daib0t:世界、一輪、廃棄処分


「この風船には花の種が入っているの」
女の子がたくさん風船を持っているのが気になって聞いたら、そんな言葉が返ってきた。
「どこかでこの種が花を咲かせて、誰かが喜んでくれたらいいなって!」
なんて笑顔で言われたら、俺だってやりたくなっちゃうよ。
@ruiikapoem: 風船と花


僕のアイス屋は百円でどんな味でも売っててね。昨日は目を輝かせて百円を差し出す幼い少女が来たよ。何がいい?って訊いたら、なんでも!って言ったから、ラベンダーのアイスをあげたんだ。あの子の帽子に着いてた花と同じ、可憐な紫色だったからね。
@0daib0t:帽子、アイス、ラベンダー


その時のわたしたちは何も話すことがなかった。話さなくても通じるとかじゃない。自然に無言だった。周りの音だけが聞こえる屋上、二人きりなのに一人でいるような感覚。沈黙がこれほど寂しいなんて知らなくて、思わず君のその手に触れたの。
@kimiaobot:沈黙の分だけ二人が遠くなるようで


おれは動揺していた。目の前に置かれた白濁液と友人の顔を交互に見やる。
「マジで飲むん?」
「マジだろ」
「何入れたっけ」
「片栗粉と小麦粉」
「無理だろ!」
おれの力いっぱいの叫びに友人は腹を抱えて笑う。我ながら酷い悪ノリだとため息を吐いた。
@0daib0t:白濁、悪ノリ、動揺


僕と君は、本当は何度も会っているんだよ。だけど会うときはいつも「初めまして」。ちょっと寂しいけど、それが決まりだから仕方ないって割り切ることにしてるんだ。さぁ今日もそろそろ帰る時間だよ。じゃあ、またいつか。君が僕を忘れた頃に会おうね。
@utislove:いつか忘れた頃に、また。


荒廃した世界、貴女の形見は遺骨しかなかった。それを兼ねてからの約束通り、ずっと貴女といる為にカチューシャにして、貴女の好きだった花束を抱えて、会いに行くわ。もう少しだけ待っていて、わたしの愛した人。
@0daib0t:カチューシャ、花束、骨


昔わたしが貧乏だった頃ね、叔母さんが見せてくれた写真に心を奪われたの。いつかこれに乗りたいとずっと思い続けたのよ。白馬に乗ろうか馬車に乗ろうか、毎日夢想してたのが懐かしいわ。ほら!これがお母さんがずっと憧れてた、メリーゴーランドよ。
@0daib0t:写真、憧れ、メリーゴーランド


「ねぇ、散歩いこっか!」
あいつの突然の思いつきで雨の降る夜中に散歩に出ることになった。正直ダルいなぁとは思ったけど、お気に入りの傘に弾ける雨と楽しそうなあいつが凄く綺麗だったからまぁ、いいことにする。流石に本人には言わなかったけどな。
@0daib0t: 雨傘がきらめく一夜


わたしは今日もお出かけするの。大きな手提げの鞄を持って行くの。今日は矢印の描いてある看板を追いかけて行こうかな。どこに出るんだろうどこに行くんだろう。深い海に出たらいいのに。深海魚のみんなと、持ってきたお菓子を食べてみたいの。
@0daib0t:矢印、お菓子、深海魚


みんなには内緒の、わたしだけの秘密。わたしが魔法を使えること。みんなの願いを叶える欠片を担っていること。祖母からもらった古い手鏡に願えば、星を降らせる不思議な魔法。今夜もわたしの願った星が降るわ。それを見た人の、願いが叶いますように。
@0daib0t:手鏡、魔法、星が降る


人類の理想と称してレタリングされたそれは結局、理想のまま終わりを迎えた。しかしながらそれまでの間に発展した科学を人間はコントロール出来ず、暴走させることになった。その結果、今の荒廃した世界があるのだ。恢復できるかって?さぁ、知らないね。
@0daib0t:理想、科学、レタリング


 

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