まとめ9
彼のお気に入りの屋根裏。その部屋は一面に美しい蝶々の、引き千切られた羽で埋め尽くされている。綺麗なものは壊したくなっちゃって、と不気味に笑んだ、彼はとんでもサディスティック。今日も手に入れた綺麗な蝶々を楽しそうに、
@0daib0t:屋根裏、蝶々、サディスティック
旅に出よう。何の脈絡もなくそう思った。準備なんてしなかった。リュックに適当に詰め込んで、会社に行くために使っていた自転車に乗った。無計画にも程があるけれど、目的地だけはすぐに決まった。北陸、その中の一県。俺の故郷。
@0daib0t:自転車、北陸、無計画
言いたいことがあるからと僕を呼び出した彼に大きな水槽に突き落とされた。突然のことでどうしようもなく、ゴボリと肺に水が入ってくる。そうして薄れゆく意識の中、ガラス越しににんまりと口端を吊り上げる彼が見えた。
@bomb_odai_bot:冷たいガラスに囲まれて僕は目を閉じた
特殊病棟に移された彼女は、もう長くないのだろう。動くことも出来なければ話すこともできない。それでも俺は彼女のことが大切で、大好きで。その思いが少しでも伝われば、と俺は彼女の細い指をぎゅっと握った。“アイシテル”よ。
@0daib0t:指先、病棟、アイシテル
僕はこう思うんだ。きっと世界が終わるときは二人きりなんだろうって。誰にも邪魔されない二人きりの時間で世界。そう言ったら君は興味深げにしながら、二人きりの世界に取り残されるならあなたとが良い、だなんて。心配しないで。きっとそうなるよ。
@odaimdkbot:世界はやがて二人きり
あなたは捨てていたでしょう?何度も渡そうとしてくれて、その度に渡せずちぎった、ルーズリーフのラブレター。わたしにはそれは宝石のようで、ついつい全部持って帰ってきてたのよ。どうする?明日の接婚式、持ってきてあげましょうか?
@hitoriasobi_bot:ゴミ箱の中の宝石。
この世から消えてしまいたいな。なんて思うだけなら簡単で、線路の脇に思わせぶりに立ってみる。特別死にたいわけでもなくて、けれど生きていくのも億劫で。でも結局飛び込むなんて出来ないの。きっとわたしは明日もまた、同じ事を繰り返す。
@muro_x:線路に飛び込む勇気が欲しい
地図にはない不思議な街がある。今どきは時代遅れで、既に数の少なくなってきている蒸気機関車でしか行き着くことができない街がある。そんな噂があった。全てを捨てて蒸気機関車に乗り込んだ少年が訪れたのは、まさにその街、通称白い街だった。
@0daib0t:地図、白い街、蒸気機関車
人々は口々に言う。ここなんかよりもっと優れた、楽園と呼ぶに相応しい都市があるのだと。でもオレはそんなもの信じられやしない。もしそんな所が本当にあるのだとしたら、そこへの行き方を教えてくれよ。知らないのならそれは夢でしかないだろ。
@textss_bot:もしも楽園があるのなら、
「ほしい物なんてないよ」
何もかもを失ってやけくそになった君が言った。ただただ苦しそうにしていた君を抱きしめてあげたかった。でも静かに涙を流す君を見て、何も守れなかった俺にそんな資格なんて無いんだと知る。
@blwisper:欲しいものはないと強がるきみをこの手に抱きしめられたら
お前が目覚めてからいつも一緒だった。お前といる日々はそれまで以上に楽しくて、ついついタイムリミットのことを忘れるくらいに。オレはお前と居られて幸せだった。お前はどうだった?もし幸せだったなら、次の人のもとでもそうであるといいな。
@CockRobin_bot:データ消去、完了。
いくつ星を渡り歩いてきたんだったかな。もう数えるのも覚えるのも億劫な程の数。星に立ち寄るその度にその星の事が好きになったね。でもずっといられやしない。数えきれない星々の思い出の分だけ、僕たちは“さよなら”を繰り返してきたんだ。
@nodokiri:抱えた星の数だけさよならを
憂鬱な帰り道。普段は捕まらない線路の踏切に捕まってしまい、仕方なく立ち止まる。その時、どこからともなくしゃぼん玉が流れてきた。ふわりと浮かんでいるしゃぼん玉は、制服姿で佇むわたしの姿を写した後、弾けて消えた。
@0daib0t:線路、制服、しゃぼん玉
彼を失ったわたしはふらりと旅をすることにした。あてなんてない。ただひたすら、わたしを呼ぶ声が聞こえる場所へ。辿り着いた湖で聞いたその声は、わたしの初恋の人に似ていた。
@0daib0t:湖、呼ぶ声、初恋の
ああ、あれは。ずっと前に君が指を差した星。あの時に君は名前を尋ねて、僕は携帯で調べたんだったね。覚えられそうだねと笑い合ったことは覚えてるのに、肝心の星の名前は全く思い出せないなんて滑稽にもほどがある。
@srkm_title:いつか君が指差した星の名前は何だったか
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