「山田?」
「切原君?」
俺って運悪すぎだろ、よりによって姉ちゃんの買い物に付き合って嫌々入った女向けの服屋で山田と遭遇って、だから俺は外で待ってるっつたのに姉ちゃんが試着するから見てっていうから
「あ、山田よくここで買い物すんの?」
「う、うん切原君はお姉さんと買い物?」
「おう、断ったんだけど無理やり連れてこられた」
「ははっ切原君みたいだね」
「は!?」
「切原君もよく嫌がる柳先輩連れてゲームセンター行ってるからさ」
あれ意外と普通に会話してんじゃんって待て待て待て何で柳先輩連れてゲーセン行ってる事知ってんだよ、もしかして山田って柳先輩の事が...。告白する前から失恋かよ、落ち着け俺!まだチャンスはある!
「うわっ何で知ってんだよ」
「あのゲームセンター私の家の近くなんだ、だからたまに切原君見るっていうか」
「へー山田ってそこら辺に住んでんだ」
「うん」
続く沈黙がつらい、山田と少しでも多く喋りたいはずなのに、俺は姉ちゃんの試着待ちで山田は試着室の空き待ちで逃げたりできなくて気まずい
そんなこんなしてる内に姉ちゃんの試着が終わったらしく試着室のカーテンが空いた
「赤也これどうよ!って友達?彼女?」
「馬鹿、山田はクラスメイトで彼女とかじゃねえよ!!」
「あ、いつも話してる赤也の好きな人ね、はいはい」
「姉ちゃんんんんん」
「え、あ、」
バカバカバカバカ!姉ちゃんのバカ野郎!何で言っちゃうんだよ山田だってびっくりしてんじゃねえか
「ほら、赤也さっさと告れ!店員さーん告白割りとかしてくれませんか?あ、オッケー?ありがとうございます〜〜!赤也早く告白しろ」
姉ちゃんただの割引目当てだろ、でも告白のチャンスくれたことにはちょっとだけ感謝
「あー、もう!!ずっと山田の事が好きでした!付き合ってください!」
「よくやった赤也!」
姉ちゃんは黙れなんて言えないけど黙れ
「わ、私も切原君の事が好きです。私なんかで良かったら!」
周りの客の目がちょっとうざくて姉ちゃんの「割引おねしゃ〜す」っていう空気読めない発言もあったけど俺は買い物の終わってない山田を連れて違う場所に移動して何回も俺でいいのか聞いた若干うざいくらい。後明日一緒に行く約束もした。あー嬉しすぎて幸せすぎて死にそう
これでいつかキスとかその先とかしたら幸せすぎて本当に死んじゃうんだろうなとかバカみたいなことを考えながら帰った
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