「あ!山田先輩」
ジュースじゃんけんに負け自販機まで歩いている時に後輩の切原くんに遭遇してしまった。切原くんは私が密かに恋をしている相手でもあるから会えてちょっと嬉しかったり
「先輩!これ良かったらどうぞ」
切原くんが差しだしてきたのはペットボトルのコーラだった
「え、悪いしいいよ」
「余ったから誰にあげるか悩んでた所だったんすよ!だから受け取ってください!」
「えー、じゃあ貰おうかな」
そんなに可愛い笑顔で言われたら貰うしかないじゃないですか、切原くん可愛いな、おい
「そうっすよ!貰ってください」
「ありがとう」
「あ、ちゃんと飲みほしてくださいよ!後すぐに捨てたりしないでくださいね!!」
「捨てないし、全部飲むよ」
笑いぎみにそういうと切原くんは笑顔で絶対っすよ!って行って去っていった。切原くん可愛すぎてつらいです。
コーラを飲みほす事が出来なかった為部活にも水筒代わりに持っていく事にした。家に帰ってからじゃ炭酸が抜けてる可能性もあるからね。
「波菜今日コーラなの?うける」
「なんか切原くんがくれたんだけど全部飲めって言われたから水筒の代わり」
「本当あんた切原赤也大好きだよね」
「やめて照れる」
「切原赤也も切原赤也でギザな真似するよねー」
キザってなんだ切原くんは天使だぞ天使
「え、何が?」
「は、あんた気づいてないの?そのコーラって文字書いてあるやつじゃないの?」
「文字?」
「文字、コーラにマッキーで文字かくと黒いから文字見えないでしょ?」
「そりゃね」
「飲みほすと文字が見えるってやつ」
「え、」
「ほら、いっき!いっき!」
や、やめてくれ聞き耳たててた他の部員までいっきコールするのは
「波菜いっきだ!早く!」
「ええええ!?」
半分以上残っているコーラをいっきに飲むのは気が引けるが飲むしかない
「...げぷ」
「汚い波菜」
「ごめんごめん」
「ほら、文字呼んでみな」
「先輩の、こと、が、す、きで、す」
「はーい切原赤也のとこいってらっしゃーい」
「うええ!?まじで」
切原くんが私の事好き?ないないないない、ええええ。もうやだ赤也くん大好き、もうこれは...
「い、いってきます!」
片手にペットボトルを持ってダッシュしてる女子の図はずいぶんおかしいだろう、でも今はそんなの気にしてられない
「あ、丸井くん!切原くん居る?」
去年同じクラスだった丸井くんをすぐ見つけられて良かった
「山田遅えよ!赤也ずっと待ってんぞ」
「ええ、今飲み終わったからしょうがなくない!?」
「お菓子」
そういって笑顔で訴えてくるこいつは悪魔だ、きっとそうだ。
「はい、飴」
「さんきゅー!」
しばらく待っていると涙目になっている赤也くんが来た、可愛いな赤也くん
「あ、赤也くん」
「何すか、ふるなら早くじでぐだざい」
途中からどんどん鼻声になっていく赤也くん
「わ、私も赤也くんの事がずっと好きでした、もしよかったら付き合ってください」
噛まずに言えた、噛まないで言えたよ
「先輩心配ざぜな"い"でくだざい"よ"お"うええ」
「う"っ」
赤也くんが泣きながら抱きついて来た、赤也くん近い近いよ私の理性が、赤也くん可愛い可愛い可愛い可愛い可愛いなんて思ってるうちに赤也くんと目があった
「絶対、絶対先輩のごど幸せにするんで...」
「赤也くん大好き!」
そう言って赤也くんの唇を奪ってしまった。
馬鹿野郎、自分の馬鹿、赤也くんにキスをしてしまった私としたことが...
あれ?でも赤也くんが可愛いのがいけないんじゃね?なんて思っていると周りから黄色い声が聞こえてくるのが分かった、
「先輩」
「は、はい」
「俺も大好きっす!」
そういってさっきまで泣いていたはずの赤也くんは太陽みたいな笑顔で今度は赤也くんからキスをしてきた
私凄い幸せかもしれない。この後生活指導に怒られようが部活抜けたことを怒られようがどうでもよく感じた。
end