(お題配布元:確かに恋だった様)
夢を見た。
彼女が誰かと笑い合う夢。
彼女が誰かの隣に居る夢。
そこには俺は居なくって。
走っても走っても俺ときみの距離は縮まらない。
叫んでも叫んでも俺の声は届かない。
ふいに。彼女が振り向いて、
見えないはずの俺を見ながら呟いた。
何も聞こえない。
でもその口の動きは、
"もう他にヒーロー見つけたから、さようなら"
嫌だ!嫌だ!嫌だ!
―――そこで目を覚ました。
慌てて階段を駆け降りる。
早く、早く、捕まえなくちゃ。
早く、早く、伝えなくちゃ。
俺はきみを愛してるんだって。
きみを守るのも傷つけるのも他の誰かで
そんなの耐えられない。
きみを守るのも傷つけるのも俺だけだ。
END