天才中学生現る 
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近くに言って確信する、
こいつは南次郎の所のだと。
あの顔付きを見りゃあすぐ
解る。こいつはテニスを
楽しんでやがる。




『いい面構えになったじゃ
ねぇの』

「佐々部と打ち合ってる〜」

『だが、もの足りねぇだろう
よ。あのおチビからしたら』

「え?」




アイツ、多分成長してる。
佐々部なんか敵じゃねぇな。




「アウト!」

「『!』」




おい、何で佐々部自身が
ジャッジしてんだ?
…まさか、この試合。




『セルフジャッジか!』

「うそ〜!」




マズイ、この試合おチビは
不利だ。ラインギリギリに
決まるスマッシュが打て
ねぇ。




『…前に出れねぇな』

「うわ〜、きびし〜」

『ジローみてぇだぞ、それ』

「あは」




さぁ、この状況お前なら
どうする。おチビ。




「ねぇ、今のは入ったの?」

『ぶッ!』




アイツ、やりやがる。
さすが、侍の息子。
だが、その時だった。




『なッ!』




ガッ!




「ぅわ、やったよ〜…」

『…ンの野郎』




何してくれてんだ、あの
クソ野郎。




「グリップの握りが甘い…。
まだまだだね」




こんな状況下でも減らず口が
叩けるのはアイツのスゲー所
だな。




「ねぇ、あのおチビちゃんて
右利きなの〜?」

『あ?否、確か左』

「でも、おチビちゃん右で
打ってるよ〜?」




ハ?アイツ、左だったよな。アイツのツイストサーブ、俺食らってるし。まぁ、返したけどな。




『…あ』

「どうしたの〜?」

『佐々部、右だろ』

「うん」




そういうことか。



『佐々部が右だから、ねぇ。
あのラフプレイを根に
持ってるって訳か』

「どういうこと〜?」

『まぁ、見てろって』




おチビのサーブか。さぁ、
おチビ。アイツの顔面
目掛けて打ってやれ。




『…ツイストを』



  




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