プロローグ 
1/1


高校生以下のテニス大会を
暇だから、見に来たはいい
ものの。




『つまらねぇ……』

「ちょっ!七たん!」



ホントの事だろうが。今年も
何ら変わらない。コーチ達の
指導通りに動くガキ共。お前
達は、まだテニスを楽しんで
いい年だ。否、他の奴等は
別にいいのかって言う訳じゃ
ないが。




『お前等はコーチ達の
ロボットか』

「七たん」

『それにしても見ごたえの
ねぇ。雑魚過ぎる』

「もう言い過ぎだよ〜、
七たん」

『ったく、南次郎ん所のお
チビが出るっつーから
楽しみにしてたのによ』




いなかった。アイツの事
だから、間に合わなかった
って所だろうけどよ。それに
してもつまらない。




『零、近い内に青学行くか』

「いいね〜、国たんの成長
ぶりどうなってるカナ〜」

『結構、いい面構えになって
んじゃねぇの?』




俺が通ってたのは青学だが、
他の学校にも転校したり、
遠征したりしている。まぁ、
結局青学に戻ってきた訳
なんだが。だから、ある意味
あの時の1年だった奴等が
どれだけ成長したのか見て
みたい。




「みなたん、元気かな〜」

『……どうだろうな、アイツ
今海外だから』




俺の双子の弟、湊は両親と
共に海外へ行っている。俺は
あの親共と一緒にいるって
のがあり得ないし、耐えられ
ない。今のコーチ共と同じ、
ロボット、道具としか思って
ねぇだろうし。




「ねぇ、とりあえずぶらぶら
歩こうよ〜、七たん」

『そうだな』




もしかしたら面白いものでも
見つかるかもしれないしな。




「あれ?」

『どうした?』

「あれって、多分佐々部だよ
ね〜?」

『あ?あぁ、あの下手くそ』

「七たん…」




本当のことだろう。アイツ、
弱いし。




「相手は、小学生かな?
それとも、中学生かな〜?」

『ハ?高校生じゃないのか?』

「だって、小さいよ〜?」




小さい…?もしやだが。




『……そいつ、白い帽子
被ってねぇか?』

「被ってるね〜」




間違いねぇ。おチビだ。




『行くぞ、零』

「え!ちょっと待ってよ〜、
七たん!」

『待てねぇ』




始まっちまうだろ。面白そう
な、テニスの試合がよ。


  




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -