ありがとうって



「白石くんおめでとう!
明日休みやから今日
渡すわ」



そう言われ手渡された
プレゼント。教室に
行けば机に乗っている
のはギフトボックス。
ギフトボックスの山、
これには流石に引いた。
よく積めたな、こんなに
高く。



「白石、明日部活でな」

「おん」



珍しく土曜日にも部活が
入った。まぁ、顧問が
オサムちゃんだからな。
どうせ、気紛れだろう。
そう思いながら俺は
いつも通り部活に行った。



「白石」

「ん?あ、謙也か。
おはようさん」

「おう」

「蔵リーン」

「白石ー」

「部長〜」

「小春、ユウジ、財前。
おはようさん」

「「おめでとさん!」」

「おめでとうございます」
「!」



これには正直驚いた。
まさか、いきなり
言われるとは思って
なかったから。
それでも、どこか物
足りないと思ってしまう
俺は貪欲な奴なんだ
ろうか。今日の部活は
オサムちゃんの計らいで
俺の誕生日パーティーを
開いて貰った。



「ホンマ、おおきに」



笑ってそう言ったは
良いが、不安なのには
変わりない。



「…結、忘れとるん
やろか」



結、もとい俺の
彼女。結は今、
東京にいる。結の
家の事情で、俺達は
今遠距離恋愛中だ。
それでも、メールだ
電話だはしている。
人並み以上に。…まぁ、
俺が寂しいからなの
だが。しかし、今日は
一度もメールも電話も
していない。



「…もう少しで1日
終るな」



時計を見ると次の日に
なる10分前。待っても
無駄そうだから、俺は
寝ることにした。俺が
ベッドに入った、
その時。



♪〜♪〜



携帯が鳴った。



「…誰や、こんな時間に」


俺は携帯を開いて
驚いた。



────────
From 結
Sub 蔵ノ介へ

誕生日おめでとう。




「…結、忘れてへん
かったんや」



俺はすぐに結に
電話した。文句と
ありがとうって言う
ために。




りがとうって

(早く言いたい)









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