※発売前カウントダウン
「それでも私は知りたいと思うのです」
遠野にそう言われたのはつい先日のことだ。
人間だれしも人には言えない秘密が一つや二つあるだろう。
もちろん自分も例に洩れず幼い頃から人には言えない秘密がある。
これだけは何があっても死ぬまで口外しないと強く心に決めていた。
決めていた……はずなのだが彼女、遠野紗夜と関わっていくうちに自分の中の何かが変わりはじめている。その何かがはっきりとは分からないが……いや、認めたくないだけか……。
ふと、先日の遠野の姿が脳裏に浮かんだ。
凛とした強い意志を感じさせる瞳と声、夕日に照らされたその姿。
「桐島先輩」
――いつか彼女に話せる日がくるのだろうか。
死神と少女発売まであと2日
2011/07/26