それはまるで全てを呑み込んでしまったかのような、月の光も厚い雲に覆われて届かない真っ暗な夜。そんな日には無性に心細くなってしまうのです。まるで世界に私一人取り残されてしまったかのような感覚。そういう日には必ず兄さんが私を安心させてくれるのです。
甘く囁く声で、優しい手つきで……そう、例えるならば魔法使いが魔法をかけるように。
その魔法にかかった私は兄さんの腕の中、一人安堵するのです。


「紗夜、愛しているよ」
「兄さん、愛しています」


あぁ、このまま二人闇に溶けて一つになれたらどんなに幸せでしょう。




2011/08/01

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