08#:ランチタイム 拍手log

「あっ!イッセイ、こっちだよー!!!」
「ごめんごめん、遅くなって」

テーブルの隅で二人並んで陣取るミツルと委員長の元へ急ぐ。くそ野郎はいつか殴ると心に決めてカツカレーを注文してきた。

「・・・柏木、トンカツ好きなの?」
「ははっこれはね、ヨシキ君が選んでくれちゃってさー」

ヤバい、血管が何本か切れた気がする。

「ヨシキ?」
「高岡良樹だよ!僕のルームメイト!」
「え、高岡君と同じ部屋なの?」
「あれ、委員長ヨシキ知ってるの?」
「まあね。高岡君少し怖いけど人当たりいいしいい人だよね」

え、あのくそ野郎が?猫被りすぎなんじゃないの?

「ヨシキ怖くないよ?」
「そうだね。怖くはないね」

変態だけど。

「まあ個人の感想だから」

そう言って委員長はBランチのスープを飲んだ。
ミツルはふーふーしながらうどん食べてる。か、可愛いたまんないマジヤバ

「ミツル、いなり寿司一個頂戴」
「町田、何食べてるの?」

サイドをくそ野郎と西とかいう奴に挟まれた。お呼びじゃないんだよ・・・!

「いいよっ!カツ丼少し食べていい?」
「食え食え」
「町田Bランチなんだー!俺Aランチにしたんだ」
「そうなんだ。・・・高岡君はトンカツ好きなの?」
「これはね、イッセイ君が選んでくれちゃってさー」
「俺のを選んでくれたお返しだよ」
「そんなよかったのに」
「ははっ遠慮しないでいいよ」

マジでなんだコイツ・・・!いなり寿司食いながら喋りやがって!

「ちょっとイッセイ君連れションしなあい?」
「マジいい考えだね、ヨシキ君」

やるならかかってこい。相手になるぞこの変態くそ野郎!

「ハイハイ、仲良く食事中に汚い話はやめようねー」
「チッ」
「ごめんね。食事中に悪かったよ」

またもや西君に仲裁された。俺はミツルと委員長に謝って席に座る。
ミツルがうどんふーふーしながらチラチラ西君を見ていた。ああ、お友達になりたいのか。

「ところで西君だっけ?さっきから迷惑かけてごめんね。名前きいてもいい?」
「あ、名前言ってなかった?俺西恭平、よろしく。柏木君」
「あっあの!」

ミツルが一番遠い席にいる西君に必死に話しかける。

「ま、間々原充です!好きなへぶぅ」
「そこから先は言うな」

くそ野郎がミツルの口を塞いだ。

「ちょ、可哀想じゃない!」
「お前はコイツの自己紹介のクオリティの低さをしらないからそんなことが言えるんだ!」
「なんだよ!せっかく春休み中かけて考えたのに!」

くそ野郎が哀れんだ顔をしてミツルを見てた。・・・そんなにひどいんだ。

「逆に気になるっ!間々原、俺に自己紹介して!俺もするから!」
「まかしてっ委員長!」
「町田、ホントやめた方が・・・」

委員長は意外に好奇心いっぱいらしい。西君がなんかデレデレしながら委員長とミツルのコンビを見てた。あれこの人もキャラ違くない?

「じゃ、いくよー!間々原充です★好きな食べ物はポテチです★」
「町田裕二です★好きな食べ物はナタデココです★」

・・・。

「ブホォ!!!」
「うわっちょ、西君汚っ!」

西君は飲んでいたお茶を吹いた。少しかかった気がする・・・最低だ。
ミツルと委員長は何がおかしいのかお腹を抱えて笑っていた。というかクオリティ低いどころじゃないな・・・!

「酷いだろ」
「・・・確かにね。まあ二人が楽しそうだからいいかな」
「ハァハァ・・・!気管にはい゛っだ・・・!」

ようやく復活したらしい西君は布巾でテーブルを吹いていた。

「ナタデココとかっ・・・!お腹くるしー!」
「ポテ、ポテチ!」

よくわからん(あまりわかりたくない)センスだ。未だにヒィヒィ言っている。しばらくほっとこう。
「ハァッハァ・・・そう言えばさ、思ったんだけど」

カツカレーを咀嚼していると未だにヒィヒィ言っている委員長が俺とくそ野郎を見た。

「柏木と高岡君って似てるね」
「「あ゛?」」
「僕も思ってた!似てるよね!」
「ははー・・・言われれば確かに横顔とかなんとなく」
「誰がこの毎日鏡で自分チェックしてるようなナルシスト野郎と似てるって?!」
「誰がこのただでかいだけの存在が猥褻物野郎と似てるって?!」
「・・・ハア?誰が存在が猥褻物だコラ」
「・・・誰が鏡で毎日自分チェックしてるって?」

心外だ。この変態くそ野郎と似ているだなんて。俺の方が格好いいだろ!

「そーゆーとこもそっくり」

その西君の言葉に仕切りに委員長とミツルがうんうん頷いていた。・・・屈辱だ!



登校初日の少し騒がしいランチタイム。



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