バニーガール#

「ぐあー・・・寒いっ」
「なんかもう正月も終わりだな」
「そうだな」

今日は律と好きなブランドのセール品を買うために外へ出た。
もうこの時期になれば街は活気を取り戻し、正月気分はリセットされる感じ。
そろそろかまぼこ食べ飽きたしな。
時生が御中元とか言ってくれたのだ。
かまぼこ屋さんで短期のアルバイトをしていたらしい。
そんな時生に律は御歳暮と御中元の違いを教えるべきだ。
ちなみに大地と時生も一緒に外に出た。
しかし服の趣味が違うのであの2人は今別行動をとっているのだ。
なんか、あの2人の服ごちゃごちゃしてんだよな。

「律どんな感じ?」
「俺はキャップとロンT手に入ったから満足かなー」
「俺シャツほしかったんだけどなあ・・・」

携帯がぶるぶる震えたので携帯を見れば大地からメール。
どうやら買い物は終わったらしく、駅前のマックにいるとのこと。
わかったと返事をして携帯を閉じる。
ふと横を見ればニヤニヤした顔の律。

「なんだよ」
「いや、思い出し笑い」

・・・律はこんな人を馬鹿にしたような笑い方はしない。
ってことは何かそれだけのことが俺にあったということだ。

「言えよ」
「いやさ安倍とセリーが年賀状くれたじゃん?」
「・・・は?」
「・・・ん?」

そこで明らかにしまったと言う顔をした律。
目が泳いでる。

「・・・なんでもない」

不自然に携帯を取り出して弄りはじめた。
俺は律のスライド携帯の画面を掴む。
逆スライドの用意はバッチリだ。

「俺大地程じゃないが意外に力強いんだぜ」
「よく存じています」

ミシミシ音を立ててる律の携帯。
俺と体格的に変わらない律、いざとなれば多少の暴力に訴える。
だっておそらく俺の人生に関わっている気がするから・・・!

「律、あと3秒待つよ。さーん」
「えっ早!」
「にー」
「ちょ、言うっ!言うから!」

その言葉に携帯から手を離してジャケットを掴んだ。
ここで逃がすわけには行かないからな!

「・・・逃げないって」
「信じると思うか?」

律は観念したように肩をすくめると携帯をポケットにしまった。
律の顔が青ざめているような気がするが気のせいに違いない。

「安倍とセリーの連名で年賀状が届いたんだよ」
「それで?」
「裏めくったらさ、その・・・・・ガールの安倍が・・・」
「は?」
「・・・バニーガールの安倍がいたんだよ」

バニーガール?
え、着た覚えがないような。

「バニーガール?」
「ちんこラインがきわどい感じのバニーガール」
「それマジで俺?」
「いや、さすがに間違わないから」

バニーガール、バニーバニーバニーバニーバ・・・あ・・・・・ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!
だっ大地の部屋の扉の後ろにいた俺・・・!
正確には俺じゃないけど俺!

「心当たりがあるようで何よりだ」
「あのっくそ犬・・・!」
「お、追い打ちをかけるようで悪いんだけどさ」
「・・・何だよ」

申し訳ないと顔で語る律。

「同意でしてたと思ってたし・・・俺実家だからうちの家族に見せてしまったみたいなその、ごめん・・・」

俺もう生きていけない・・・。



「お願い、みきちゃんっ!部屋から出てきて・・・!」
「・・・無理」
「みきちゃんっ安心して!りっちゃんと時生にしか送ってないから!」
「そんなんで安心できるか馬鹿犬!」

後日、バニーガールの俺のポスターは燃やしてやりました。



※無断転載、二次配布厳禁
この小説の著作権は高橋にあり、著作権放棄をしておりません。
キリリク作品のみ、キリリク獲得者様の持ち帰りを許可しております。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -