パンドラの箱の中

「はぁっ、んんぅっ・・・!」
「は、山口先輩の中ぐちゃぐちゃだ」
「ひっああっ!だっ黙れ!」

ああ、どうしてこうなったかなあ・・・。



新年会。
俺こういうの嫌いなんだよなあ。
親睦なんか深めたくないし行きたくない。
営業とかと違って俺はシステム課、割と暗い社内の補佐役。
個人の技術がモノ言う課なのだ。
うちの会社は忘年会は各課ごとなのだが新年会は会社全体でやるのだ。
さすがに全員参加とはいかず、営業やら人事やらシステムやら管理やらいろんな部署から数名参加する。
それが運の悪いことに俺に当たったのだ。
下戸な上に口下手な俺が新年会なんて無理無理。
でもみんな行きたくないから変わってくれる人もいなくて、強制参加の部長と課長、同期の千葉、先輩の葉子さんと供に居心地良かったオフィスを後にした。

少しカジュアルな和食店で今年の新年会。
参加人数はおよそ60人ってところでまずまずの集まり。
今年の幹事は秘書課らしく、素晴らしいまでに完璧なセッティングだ。
端にあるシステム課の席に行き、さらにその一番端に腰を下ろした。
目の前はエリート様が集まる海外事業。
何年か前に新設されたばかりの課で、海外全支店の経営等を一手に請け負うとこ。
あまり詳しく知らない。

「山口、目の前の席海外事業だぜ。気まずいよなあ」
「日と影みたいなもんだからなあ」
「あら、良いじゃないの」
「そんなあ・・・だって葉子さん、海外事業なんて目の前に宇宙人来るような気分じゃないですか?」
「こんなことでもなきゃ海外事業となんて知り合えないでしょ!私は歓迎よ。今年の目標は結婚っ」
「葉子さん・・・目が本気過ぎます」
「ガチでいるに決まってるでしょ!」

そういいながら鼻息を荒くした葉子さんはお化粧なおしへ消えた。
葉子さん・・・結婚、できるといいですね。

会場がほぼ満席状態になったあたりで新年会開始。
全然知らない海外事業、何を話せばいいのやら。
・・・間違った合コンのようだ。

「あっあの」
「はい、何でしょうか」

なんだかいかにも俺スポーツしてましたみたいな奴が話しかけてきた。
若そうだなあ。
なんか、こうフレッシュな感じ。
俺なんてもう今年入社5年目になるもんなあ。

「ビール、注ぎましょうか?」
「いえ、僕下戸なもんで」
「そうなんですか?えっと・・・すみません、お名前を」
「山口梓です。今年度で入社4年目になります」
「小野塚洋太郎です。入社は今年度でして、まだぺーぺーなんですよ」

当たり、今年度の新入社員だったのか。
通りで若い感じ。

「山口先輩、仲良くしてくださいね」

その明るい笑顔にキュンと来てしまったよ、山口先輩。

場も暖まり始めた頃、社員の話が聞きたいとかいう社長がテーブルへ回ってきた。
熱燗片手に迷惑な話だなんて思っていたらなんて運が悪い俺。

「山口くんだったかな?システム課はどうだ?ささっ飲んで」
「あっありがとうございます!」

空いてるお猪口になみなみ注がれて、まさか社長が注いだ酒飲めないとか失礼にも程がある。
意を決してグイッと飲み干せば目が回りそうで。
頭が割れちゃいそう。

「おお!山口くんは景気がいいな!」
「いっいえ・・・」

瞬く間に1合飲み干して胃が焼けるようで具合が悪い。
社長は小野塚くんが引き受けてくれてるらしくキンキンする耳で緩く話を聞いていた。

「山口先輩っ大丈夫ですか?」
「気持ち悪い・・」
「あーあ、大丈夫か?山口」
「ちば、」

千葉に気持ちが悪いことを訴える。
うげー・・目がまわるー・・・。

「山口先輩。社長、次の席行ったんでお手洗い行きましょう」
「あー・・・あの、他の課に迷惑かけらんないし俺がやるけど」
「いえ、大丈夫ですからっ!」
「そう?じゃあ頼むよ、君力ありそうだし。山口、お手洗い一緒に彼がいってくれるからな」
「うん」

とにかくトイレ行けるならなんでもいい。
俺は小野塚くんに支えてもらいトイレの個室へ急いだ。

「オェェ・・・」
「お猪口になみなみ注がれたからってあんなペースで飲まなくても」
「ぐぅっうっ・・・ウエエェェェ」

終始口から嘔吐する。
ああ・・・だんだん楽になったかも。
俺は個室から出て、小野塚くんのくれた水でうがいをする。

「ごめん・・・」
「平気ですよ」

ネクタイとシャツのボタンをゆるめる。
ずいぶん楽になった。
立ち上がろうとしたら足元がふらついて小野塚くんにぶつかる。

「っ!」
「ごめっ・・・!まだふらふらして、うぅ」
「わ、山口先輩」

寄りかかれば厚い胸板がよくわかる。
あー・・・なんか心地いい。
少しの間胸板を堪能していたらずるずるとまた個室へ連れて行かれた。
鍵までかけて、男2人でこの個室は狭いぞ。

「あの、小野塚くん?」
「誘ったのは山口先輩ですからね」

そういうが早いか、小野塚くんは俺の服を取り払った。



そして現在、冒頭に至るわけだ。
シャツは全開でパンツとスラックスは汚れないようにタンクの上に。
俺は首にネクタイ、全開シャツに靴下と革靴という間抜けな格好なわけだ。
乳首をこねくり回され、乳首は腫れ上がっているし、ペニスは先走りが止まらない。
何よりも信じがたいのはアナルを弄られて感じてることだ。
すでに2本の指を飲み込み、抜き差しされる小野塚くんの指がたまらなく気持ちいい。

「はぁっ、んんぅっ・・・!」
「は、山口先輩の中ぐちゃぐちゃだ」
「ひっああっ!だっ黙れ!」

立ってるのもままならなくて、タンクに手をついて腰を高く上げて小野塚くんにアナル見せつけてる俺。
腰を掴まれて身動きがとれないのだ。

「はい、3本目」
「あっやあん!だめっそこっ」
「イイでしょ?山口先輩が好きなとこですよ」
「うぅ、やああ!そこっああん!やっやだあっ」

ある一点を擦られるとペニスからは射精かと疑いたくなるような量の先走りが漏れる。
イケるようなイケないような、複雑な感じ。
頭はふやけて何も考えらんない。
熱い熱い熱い、身体が溶けてしまいそう。

「おーい!山口大丈夫かあ?」
「っ!」

千葉の声に頭が一気に覚醒した。
さすがに小野塚くんの手も止まっている。

「ち、千葉?」
「いたいた。お前平気なのか?」
「ひぅっ!」
「お、おい!どうした?」

いきなりアナルから指が引き抜かれて声が漏れる。
何考えてんだ、あのバカ!
ぐるっと振り返れば臨戦態勢の小野塚くんが唇に指を当てていた。

「バレたくないですよね?」
「あ、待っ・・・うあんっ!」

一気に挿入されたペニスに声があがる。
内臓が押し上げられるような錯覚。
そして待った無しのピストンが始まる。

「いっんんっ・・うぅ」
「山口気持ち悪いのか?」
「うんんっ!」

小野塚くんはこともあろうにゆっくり動きはじめた。
歯を食いしばって口を塞いで耐える。
ヤバいヤバいヤバい!
このままじゃっ千葉に声を聞かれてしまう!

「んぅ、ち、千葉っ!」
「お、おう?」
「うあっ!う゛う゛ぅ」
「他の人の名前なんか呼んじゃ嫌ですよ」
「違っんうぅっ・・!」

イイとこをスライドされてこれ以上声を我慢できそうにない。
強い刺激に生理的な涙が出てきた。

「すみません、千葉さん。山口先輩まだ辛いらしくて」
「え、ああ。小野塚くんだっけ、いたの?」
「はい。少し床にこぼしちゃったんで掃除してて」

本当に床にこぼしてんのはとんでもないものなんだけど。
手を噛みながら声を出さないようにする。
涎がだらだらこぼれるのなんか気にしてらんない。

「山口平気そう?」
「まだ苦しそうなんですよ。でも僕がついてますんで大丈夫ですよ」

もう身体を支えるのも精一杯だった。
お願いだから早くっ早く、千葉出てってくんないかな!
もう、我慢できそうにない!

「じゃあ悪いけど山口頼むな」
「はい」

トイレの入り口の扉が閉まる音が聞こえてがっくりと力が抜けた。

「あんっ!」
「千葉さんにバレると思ったら興奮しました?ペニスどろどろじゃないですか」
「あっあぅ!も、イキたいっイキたいよお・・・!」
「山口先輩ホント可愛い」
「はあん!ああっあん!イイよぉ・・・!」
「その顔ったまんない!」

ガツガツ奥を抉られたり、ペニスを上下に扱かれて頭がスパークする。
目の前が白んで、気持ちよくておかしくなりそう。

「あっああ・・・!もっあんっでちゃっでるよお!」
「イイですよ、僕の手に出して下さい」
「んうぅっアア!や、んあっいやあっ!離して、はなせぇ!」
「素直になりましょうよ」
「ばっばか、うぅっンアアアア!」

俺は先っぽを引っかかれて呆気なく射精した。
なかなかイけなかったからかいつもより長い射精。

「うぅっ・・・僕もそろそろっ」
「あっやあ!奥、奥いやだあっあん!」
「ンンッ」

小野塚くんは俺のケツに射精した。
ケツにべったりと精液がつく。

「・・・最低」
「すみません、山口先輩の鎖骨があまりにエロかったんで」
「知るか!お前が勝手に盛ったんだろっ!」

くそぅ・・・腰が立たない。

「あのっ山口先輩!」
「うるさいっ聞こえてるよ!なんだよっ」

こんな近くにいるのにでかい声だしやがって!
こちとら一刻も早く身体を綺麗にしたいんだ。

「一目惚れしました!付き合って下さい!」

頭が真っ白になった。
な、なんだって?

「・・・は?」

何を言い出すんだ、このバカは。

「僕たちうまくやれると思うんですよねっ!少なくとも身体の相性はバッチリじゃ」
「黙れ馬鹿!」
「千葉さんより俺のが山口先輩を幸せにできますっ」
「千葉は関係ないっ」
「じゃあ僕と付き合ってください!」

どうやら小野塚くんは日本語が通じないらしい。
あーあ、新年会なんてホントロクなことない。
海外事業のエリートなのに少し頭のネジがゆるいのが俺の未来の恋人様だなんて。



***



「千葉!二次会行くぞ!山口はどうした!」
「いやっあの、」
「千葉さん、小野塚知りませんか?山口さんと出たはずなんですが」
「それが山口がまだ具合悪くて・・・その、トイレに」
「じゃあ呼んできますよ」
「いや、いいっ!俺が呼んでくるからっ」

くそー!
お願いだからヤり終わってろよ・・・!




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