21日目からの恋人

猫がいなくなって1週間。
私の部屋のリビングには猫が置いていった写真が未だに置いてあった。
なぜ置いてるかはわからない。
ただ毎日ぼやけた写真を眺めて、口から煙を吐き出している。

噂通りなら猫は二度と私の前に現れないらしい。
なんだかあっけない2週間だったと思う。
やはり猫とか犬とか飼えるようなタイプの人間ではないのだ。

「また随分と深く爪痕を残したものだ」

煙草を消して会社へ向かう。
この1週間でスーツは随分と煙草の匂いが染み着いてしまった。
実に滑稽、私はその意味を知っている。



数字ばかりを見ていると目が疲れる。
こんなときにもう若くないと感じるのだ。
喫煙所に向かおうと立ち上がると肩に重みを感じた。

「マコトさん、僕のために煙草止めてくれたんじゃないんですか?」
「そのつもりだったんだけどね」
「もう心変わりですか?」
「いろいろあったんだよ、私にもね」
「マコトさんが?嘘ってバレバレですよ」

口端をあげて私を笑う彼。

「マコトさん他人に興味ないじゃないですか」

その言葉はもっともで、あまりに深く突き刺さった。
周りに見えないように彼にキスをしてその場を後にする。
すました顔の彼をぐちゃぐちゃにしてやれたなら気持ちは晴れるだろうか。



彼を車にのせていつものダイニングへ。
私の誘いに期待する彼は首尾上々、襟元から香る香水はひどく私を誘う。
こちらへおいでと手招きされる錯覚。
安い挑発、好みではない。

「あら、いらっしゃい。綺麗な子連れちゃって、デート?」
「まあ、そんなとこかな」
「マコトさん、僕カウンターがいい」
「じゃあカウンターにしよう。私と彼にグラスビアを」
「僕にはライムもちょうだい」

少し崩した口調、甘える指先、誘う瞳。
そんな顔より嫌がる顔がみたくて煙草に火をつけた。
煙を彼に向かって吐き出してみる。

「ゴホッ・・ゴホゴホッ!まっマコトさ、」
「その顔が好き」

キツい目元が好き。
睨まれて軽蔑されてそれでもすがる目元が好き。
煙草はすでに2本目、意味は理解している。
少し情けなくなってフィルターを噛む。
解決策にはならないのだけれども。
煙を肺に溜めて彼に深い深いキスをする。
激しいキスとニコチンに目を回す彼の情けなさは見ものだ。
口端から涎を垂らして、ビクつく身体を支えてやれば意外にすんなり手元に。

「僕っ煙草嫌いっていってるじゃないですかっ」
「ついね、君が可愛い反応をするから」
「マコトさん・・鬼畜」
「ははっありがとう」

彼はおぼつかない足を必死に立たせてトイレへ消えた。
少しだけ気分が晴れた。
同時に誰かに袖をひかれる。

「・・・ねぇ、僕を・・飼ってくれない?・・・・なんでも、なんでもするからっ」

振り向いて絶句した。
猫だった。
すがる瞳に吸い込まれてしまいそうだ。

「貴方の、・・貴方だけの飼い猫でいたいの」

ぎゅっと口を結んで下を見てる猫。
手を離す気はないらしく、パタパタと目から水分を溢れさせていた。

「君はやっぱり偽物じゃないか」
「ち、違うっ!」
「本物は二度と前の飼い主には会わないんだろう?」
「・・・」
「でも」

まだ黙りこくる彼を抱き上げる。

「会えてよかった」

バインダーにお金をいれてそのまま猫をつれていく。
他の人の言葉なんて耳に入らなかった。
手には待ちわびた猫がいて。
待てだなんて無理な話。
悪戯っぽく笑う猫、私は満面の笑みで。

「おかえり、私の愛猫」

トイレに消えた彼を置いて猫と車へ。
猫が戻った今彼に用はない。
助手席に猫をのせてシートベルトをつけてあげる。
厚い唇に触れるだけのキスをして、そこからキスを深くしていく。

「ンッ、はっんんぅ・・・!」
「は、んん、可愛い可愛い僕の猫」
「っん、ンン!あっま、どこっはあん・・触って」
「猫のぺニス。何でもしてくれるんでしょ?」

キスをしながらやわやわと服の上からぺニスを刺激する。
我慢なんてできそうにない。
元々この行為を望んでいたのは猫だし、それに私にだって人と同じぐらいの欲はあるのだ。

「はあっああん!アッ・・おうち、帰ってからあっああん」
「それもそうか」

ほっとする猫。
その顔を歪めてやりたい。

「じゃあ家につくまで自分でしてて。ほら、ズボンと下着を脱いで」
「そ、そんなっ」
「言うこと聞かない猫は要らない」
「っ!」

その言葉に反応して、ズボンと下着を意外にあっさりと下げた。
はじめてみた猫のぺニスは半勃ちになっていて陰毛は薄い。
猫はぺニスを手に取るとゆっくり扱いていく。

「ふあ、んん・・・はあっあっ」

それを確認して車を出す。
店からさっきまで一緒にいた男が出てきた。
彼にニヤリと笑うと自慰に没頭する猫に深いキスをする。
見せつけるように深く深く。

「ふぅんっあっんん・・・」
「ほら猫、手が止まってるよ」
「ま、やあんっ!ンンッ!むりぃっ」
「イっちゃだめだよ」
「うんっはうぅっう、うん!」

可愛い可愛い私の愛猫。
ダイニングの入り口、彼はすごい目で私を睨み付けていた。
彼も馬鹿ではない。
すべてのピースが繋がる前に店を後にした。
ああ、飲酒運転しちゃった。

「うあ、ああぁ・・・ふぅんん」
「信号が赤になれば手伝うからね」
「はあんっ!やあっむりむりぃっグリグリしないでっ・・僕の、ぺニス壊れるぅ!」
「ははっ、蜜が溢れてきたね。ああ、隣の車の人からは猫のぺニスが丸見えだね」
「あ・・・あっや、やだやだ!」
「見られて興奮したの?ぺニスぐしょぐしょなっちゃった」

信号は青へ変わる。
やめることとイくことを禁止したら猫はぺニスの根本をつかんで必死に扱いていた。
どろどろした蜜ではなく、ほとんど水のような蜜を溢しながら必死で自慰をする猫。

「ねぇ、猫」
「う、うんっな、に」
「アナルは弄らないの?」

その言葉に反応した猫はシートに足を立てて腰を浮かせると蜜でどろどろの指をアナルへ突き立てた。

「ひぃん!はっ、あぅぅっ」

ぐちゅぐちゅと濡れた音を響かせてアナルを弄る猫。
涎をたらしながら自慰をする猫はなんて魅力的。

猫の下半身が蜜にまみれた頃、ようやく自宅についた。
まだやめていいなんて言ってないから必死に自慰してる猫のシートベルトをはずす。
すると我慢できないとばかりに私のスラックスのベルトを取り払い私のぺニスを取り出す。
先端を口に含まれ、手で扱きあげられると簡単に完勃ちしてしまった。

「ごめんなさい。我慢できないの」

そう言うと猫は私のぺニスをアナルにぴったりつけて一気に押し込んだ。

「っはあ!おっき・・・!」
「やらしい猫」
「僕っ、ずっとこうしたかったのぉっ!はあっあん!あっ!」

少し動いただけで歓喜する猫。
車の中じゃうまく動けない。
猫に私のコートを着せて、スラックスはベルトで止める。

「ちゃんとつかまっててね」
「はっああんっ!や、だめっだめ、見えちゃうっ」
「見られるの好きなんでしょ?」
「違、好きじゃないっひぃんっまっま、うあっあん!」

結合部は隠れてるとは言えいつばれてもおかしくない格好。
アナルを犯されながら必死にしがみついてくる猫はなんて可愛いんだろう。
歩く度に唇を噛み締めて、私のぺニスをぎゅうぎゅうに締め付けてくる。
私は部屋につくなり荷物は玄関に置いて猫の服を剥ぎ取りながら寝室へ向かう。
スーツとネクタイは投げて、シャツのボタンをいくらかはずす。
猫は浮かされた目をして、指をくわえて待っていた。

「猫、どうしてほしい?」
「はあんっマコトさんのぺニスで、僕のアナルぐちゃぐちゃにしてほしいの・・・奥まで抉って」
「名前知ってたんだね」
「ああん!はぅっう、うんっ!あ、あんっ!知ってるっ貴方のこと見てたからあっ」
「可愛い猫、私の猫」

めちゃくちゃに突き上げれば小さな猫の身体は振動に耐えれず、跳ねている。
なのにアナルは私のぺニスを離そうとはしない。

「は、あんっマコ、マコトさっ!も、むりぃっせーし出したいいん!でちゃぅっでちゃうぅ」
「いいよ、出して」

猫はその言葉を聞くと自身のぺニスから手を離した。
白濁とした液体が勢いよく飛び散る。

「はひぃっあっあああ・・!きもち、いいよぉっ」
「ああっ私もそろそろ」
「ああんっあっああ!中あっ中に頂戴っマコトさんの、僕のなかにらしてぇ」
「たくさん出してあげるっ・・・っん!」

私は奥にぺニスを叩き付けて最奥に精液を飛ばした。
猫は腹に手を当てて私のぺニスと射精を味わっていた。
それだけで猫のぺニスは射精してるようで、ぺニスからは精液がだらだら溢れてる。

「んんっ・・僕ね、違う人の猫だった時に貴方を見つけたの。一目惚れ。もう会うことないって思ってて、そしたらダイニングで貴方を見つけて声かけちゃった」

猫のアナルからぺニスを抜こうとすると抱きつかれてそれを制止される。

「うあっ、んっでね、貴方冷たいんだもの。ただでさえふらふらしてる僕は寂しくて仕方ないのに、余計に寂しくて。貴方に抱かれてそれ思い出にしようとしたら抱いてもくれない」
「ごめんね」
「もういいよ。寂しくて出ていって、でもまた会いたくて。それでダイニング行ったら知らない男といちゃいちゃしてて」

猫はぎゅっと唇を噛み締めて、私の胸に顔を埋める。

「猫なのに、欲張っちゃった。ごめんなさい」

震える背中を撫でて、まず髪にキスをして、ゆっくりと下におりていく。

「欲張りな猫、可愛い猫」

涙でいっぱいの目は別れを寂しいと訴えている。

「貴方だけの飼い猫でいたいの」
「私は猫や犬を育てるのは苦手なんだ」
「っ!」
「実は恋人をつくるのも苦手なんだ」

私は猫を見つめる。

「だから飼い猫も恋人もいないんだけど君はどっちになりたい?」



その日から猫と名乗る青年はいなくなった。

「待って待って、マコトさんっ!携帯忘れてるっ」
「本当だ。ありがとう、タケル」
「いえいえ!いってらっしゃい!」
「いってきます」
「あっんんっ、やっはあん!ちょっああっ、だめだってば!」
「ホントタケルは感じやすいよね。朝からぺニス勃起させて蜜溢してやらしー」
「うああっ誰のせいだとっひぃん!や、むりむりぃでちゃ、でちゃうっ」
「出して」
「あんっも、マコトさんのばかああっああん!」

その日から私の家にはタケルという恋人がいる。




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