撫で牛

十二支は神に仕える動物である。
そしてその動物を祖先に持つ獣人は神の使いであるという言い伝えがある。
現にこの世界の獣人は十三種、十二支に連なる動物と、鼠に意地悪をされたと言われる猫族のみ。
一年のうち、正月の三が日を猫族が取り仕切り、その後その年の干支である獣人族が大晦日までを収める。
その年の干支ではない獣人族は、干支である獣人族を補佐する役目をするのだ。
その神から与えられた役目を果たすために、獣人は動物の力を残していて、それぞれの動物を元に獣人としての特性がある。
そして人間にはないその力を持つ獣人の特性から、人間はとても獣人を神聖視していて、生まれた年の干支の獣人族を死ぬまで崇め、慕う傾向にある。
年が明け、今年は丑年である。
神から与えられた序列は二番目。
鼠族から役目を引き継ぎ、猫族に盛り立てられ、牛族が収める一年が始まった。

「嫌だあ゛あ゛あ゛あ゛! ほんっっとうに馬鹿じゃねーの!? だから牛は鈍足だからとか馬鹿にされるんだろ!」
「十二年に一回しかないんだから、我儘言うんじゃない!」
「十二年前にもやったよ! 地獄だったよ! その時にも頭がおかしいと思ったね!」

獣人族に生まれれば、生活に苦労することはない。
要は貴族に生まれるようなものだ。
牛族の特徴は大きな身体と強い力、そして性格は大体が温和で、堅実な政治を行うとされる。
俺は牛族に生まれ、牛族特有の大きな肉体に強い力、イカした角を手に入れたところまではよかった。
だが三が日が明けた後にある、年初め七日間に渡って行われる牛族の行事が大嫌いだった。

「もう撫で牛の行事の域を越えてるじゃん! 撫でるだけで済まないじゃん! もういろんなところ触られるじゃん!」
「我慢しろ!」
「我慢できるかー! 十二年前にやった時に俺は子供たちに射精させられたんだぞ! 俺の精通はその時だったわ!」
「それがなんだ! 父さんは腹の中を撫でられたぞ!」
「やめろ! 聞きたくねぇよ!」

この行事、何をするのかは察するところである。
ずーっと昔は着飾った各家の代表のものが、各獣人族と人間たちと触れ合うだけの行事だったそうだ。
だがあまりにも美しい牛族の男が参加した時、その男を撫でたいがためにたくさんの人間と獣人が押し寄せてきてしまい、その男は着物を剥がれ、あらゆるところを触られ、射精してしまったそうだ。
その時に射精させた獣人と、精液を被った人間に大層なご利益があったらしい。
その時から男だけに参加券がある、牛族の男を射精させる大会のようになってしまった。
牛族を射精させた男はその一年を福男と呼ばれて厄難退散、精液を浴びた男は家内安全のご利益を得るのだそうだ。
そんな汚いご利益があってたまるかってんだ。

「牛族の男に生まれた者の勤めなんだ。諦めろ」
「やだよお……やりたくないよぉ……」

ちなみにちゃんと福女を決める行事もある。
自分の名前を書いた紙を白箱に入れ、牛族の女がその箱に手を入れて紙を引くのである。
いわゆる籤引きで、名前を呼ばれた者は心願成就のご利益を得る。
呼ばれなかったものは牛族の女に酒を振る舞われ、健康祈願を受ける。
なんて雅なイベントだろうか。
どうして男の行事だけこんなに邪なんだ。
頭がおかしい以外に言うことがねぇ。

「嘆くな……。父さんだって嘆きたい……。もう息子が二十代後半に差し掛かったというのに、未だに駆り出されるのは本当に嫌だ。だがこれが牛族の行う行事で一番人気なのだから、やめられないのだ……」
「う゛ぅ……せめて……今年は猫族か龍族の担当になりたい……猫族と龍族だけは昔ながらの作法を守ってくれるっていうし、優しいって聞いた……」
「言いにくいんだが……お前の担当は市井中央地区だ……」
「…………え?」

市井の、中央地区って、人が1番多く集まるところなのでは?

「なんで……」
「あみだくじだ」
「そんな……!」
「お前は若い! 体力もある! 頑張れ!」

頭が真っ白になった。

***

福男と福女を決める行事は七日間もある。
そのうち、午前十一時の鐘が鳴ってから午後二時の鐘が鳴るまでの三時間がお勤めの時間である。
それぞれ十一時の鐘が鳴るまでに行事が行われる場所へ移動するのだ。
開始三十分前ともなれば広場は人で埋まってくる。
俺はは豪奢な椅子に、豪華な着物で座り、握手を求めてくる人間や獣人の相手をする。
っていうかなんで獣人がいるんだよ。
それぞれ獣人族の相手をするために人を派遣したっつーんだよ。
好みのやつが来なかったからって広場に来てんじゃねぇよ。
選り好みしてる時点で、こいつらはもう牛族を馬鹿にしていることが確定だ。
クッソ……虎族と犬族の男は野蛮だから嫌いなんだよ!
言っておくけど、お前ら牛族の男から野蛮獣って呼ばれてっからな!

「さすが牛族だぜ。乳がでけぇ」
「よく見てみろ、乳だけじゃねぇ。ケツもでかい。ありゃ弄りがいがありそうだ」
「ヒュー! やっぱ、この行事は若いやつがいいよな!」

う゛お゛お゛おおお!
は、腹立つう゛!
値踏みしてるう゛う゛う゛!

『アーアー、うぉっほん。お集まりの皆様、もう間も無く! もう間も無く年初めの儀が始まります』

年初めの行事をお役御免となった年配の牛族が参加者に声をかける。
握手を求めていた人も退き、椅子の周りに描かれた白線から外に出た。
この白線はスタートラインで、この挨拶から鐘が鳴るまではその白線から中に入ることはできない。
フライングをすると参加券を失うのだ。
誰かそこの虎族と犬族を中に押し込んでくれ。
牛族より大きくもないし、ちょっと肘で突けば倒れるはずだ。
なんならあのにやけた顔をぶん殴ってくれてもいい。

ーーーーゴオォン

俺の願いも虚しく、ついに十一時の鐘が鳴った。

「「「う゛お゛お゛お゛!」」」
「ヒイイィ……!」

男たちが全力でこちらに走ってきた。
地獄の始まりである。

***

豪華な着物は無惨にも引き裂かれ、ボロ雑巾のように散っていった。
担ぎ上げられて身体が宙に浮き、これでもかと足を開かされて、容赦なくちんこを擦られる。
人間よりも大きく、重たい俺をどうやって持ち上げているのか気になったが、二時間もすればそんなことは気にならなくなってきた。
というよりはもう訳がわからないのだ。

「お、あ゛……!」
「よっしゃ! 今年は福男だ!」

もう何度目かわからない射精をし、ビュービューと精液を噴き上げる。
獣人族は人間に比べて子供ができにくいから、人間よりも射精は長く、精液の量も多い傾向にある。
二時間も射精し続けてるのに、未だに精液が濃いのも、連続する射精に耐えられているのは俺が獣人だからだろう。

「さっすが牛族だな! まだタマが重てぇ」
「体力は馬族と並ぶからな」

俺をガッチリ拘束しながら支えてるのはあの虎族と犬族の奴等だ。
獣人なだけあって力が強く、虎族よりも犬族よりも大きな俺を抱えてもなんともないらしい。
そして虎族の男にガッチリと固められた腕は解けそうにもない。
拘束されずとも、余程なことがない限り暴れることはしないのに、何をするつもりかと不安になる。

「次は俺の番だ!」
「あっ!」
「今年も是非、我が家に福をお呼びくださいっ」
「あっあっあぁ!」

俺のちんこを掴んだ男は俺に祈りながらちんこを擦ってくる。
小さな人間の手が俺のちんこを撫でるのはくすぐったくて、優しい手つきが気持ちよくて、射精したばかりのちんこは簡単に芯を持つ。

「僕もやりたい!」
「お、ちゃんと言えて偉いなぁ」

人が好きな犬族らしく、犬族の男が撫で牛をやりたいと言う人間の子供を抱きかかえる。
確かに、俺の身体を下ろさないとその子は触れもしないだろう。

「ほら、タマなら手に持てるだろ? ぎゅって、してやりな。あんまり強くするなよ」
「うん!」
「ちょっ待っ」

人間よりは丈夫とは言え、そんなところを握られるなんて冗談じゃない!
痛いもんは痛いんだぞ!
っていうか、俺、初めての撫で牛で子供にイかされてから、子供は少し苦手なんだ……!

「子供だから大丈夫だって。そんなヒビんなよ。なー? お前は優しくできるもんな?」
「うん!」
「ほら、やってみろ」
「はぁい!」
「ひい!」

人間の子供の小さく柔らかい手が俺のタマを揉む。
潰されるのではないかと不安で仕方ないし、そこにばかり意識が向いてしまう。

「ひっ、いっん! んうっ!」
「次僕ー!」
「やだ、まだ僕がやる!」
「オイオイ、年初めの行事で喧嘩はよくねぇよ。ほら、あと五回ぎゅってしたら交代だぞ」
「はぁい」
「あっわっひ、いぃっ」

犬族の男に抱かれた子供はしっかりと五回、俺のタマを握って交代した。
次の子を犬族の男が抱きかかえ、俺のタマを握らせる。
野蛮獣のくせに、子供たちの世話が上手いもんだと思いながら列になった子供達を見た。
…………市井中央区は人が多いから、俺以外にも牛族の男はいるのに、子供の相手をしてくれる犬族の男がいるからか、わんさか子供が並んでいた。

「んー、これじゃ終わんねぇな。二人ずつやるか! ほら、よっと」
「わっ」
「お前は右な。んで、お前は左を触んな」
「「はあい!」」
「そら、始めっ」
「病気しませんように!」
「お母さんの風邪が治りますように!」
「あ゛う゛っうっん! あっん!」

子供たちの小さな手が俺のタマをぎゅうぎゅうと揉む。
お母さんの風邪が治るかどうかを、俺のタマに掛けないでほしい。
なんか、なんか後ろめたいから……!
それでも子供たちは必死らしく、頑張って俺のタマを握り込んでくる。
子供たちの不慣れな手つきが気になってしまい、意識がそこばかりに向いてしまう。

「あ゛! あっ! ひ、い!」
「わあ!」
「出たあ!」
「おー! 良かったな! お前等は今年の福男だぞー!」
「やったー!」
「お父さん、僕、福男だよー!」
「ひ、ひぃっ」

子供たちが無邪気に笑い、俺の精液を浴びてきゃあきゃあ喜んでいる。
く、くそ……!
今年も子供にイかされてしまった……!
こんなはずでは……!

「あーあー。子供にタマ揉まれて射精かよ」
「いぎい゛い゛い゛!」
「おら、家内安全のご利益だ!」

虎族の男が未だ射精している俺のちんこを乱暴に扱いた。
俺のびゅうびゅうと飛び出る精液をあちらこちらに撒き散らし、その行動に人間たちが歓喜する。
俺の腰は跳ね、岸に挙げられた魚のようだった。

「あ゛あ゛っ!」
「ハハッ! 今年は平和な一年になりそうだな!」
「んう゛う゛ぅんん!」

絞り出せば垂れる程度の量になって、ようやく虎族の男の手が止まった。

「ハッ……ハッ……アァ…………」
「おら、気ぃやるんじゃねぇぞ」
「う゛ぅ……」
「次は僕がやるんだよ!」
「僕も!」
「おー、がんばんな」
「「はあい!」」
「おら、大の大人が子供のおこぼれにばっかり預かってんじゃねぇぞ。いつまで経っても福男になれねぇだろ。乳首が空いてっから、早くしろ!」
「は、はい!」

虎族の男が順番待ちをしている大人を呼びつけ、俺の横に立たせた。
呼び出された男は俺を見てごくりと喉を鳴らしたが、これは俺に対して欲情したとかそう言うことではない。
虎族の男に怯えているのだ。
虎族は気性が荒く、人間に畏怖を与える存在で、できることなら同じ獣人の俺だって関わりたくはない。
……野蛮獣だし。
それに、人間が獣人に性的な欲求を抱くことは稀なのだ。

「てか、乳首って」
「なんだよ。でけぇ乳首してんだから余裕だろ」

デリカシー!

「おい、早くしろ。人間の手なら扱けるだろ」
「は、はい!」
「そこのお前もだ! 早くしねぇと今日の撫で牛が終わるだろ!」
「はい!」
「い、っで!」

虎族の男が俺の腕を背に回した。
自然と胸が上がり、立った乳首が突き出される。

「オイ、早くしろって」
「「は、はい!」」

虎族の男に促されて、人間の男たちが俺の乳首を握り、乳でも絞るように扱き始めた。

「あっ、うぅ、んいい゛い゛っ!」
「む、無病息災!」
「家内安全!」
「あう、うっうぅん……!」
「ハハッ、さすが牛族だな! ちゃんと扱けてんじゃねーの! 乳もでかけりゃ乳首も特大だもんなぁ!」

ば、馬鹿にしてる……!
好きで乳首がでかいわけじゃないのに……!

「つ、次は俺だ! 嫁が元気な子を産みますように!」
「おっ俺も! 無病息災、家内安全!」
「あ゛あ゛っ!」

乳首を扱く男たちに負けじと、ちんこも順番待ちをしていた男たちが二人がかりで扱き始める。
相変わらず子供たちは俺のタマを握り込み、ぎゅうぎゅうと掴んだり、手のひらで挟むようにして揉んでくる。

「あ゛うっ、うっ……! で、でるう゛う゛っ……!」

色々なところを弄り回され、頭が真っ白になる。
もう何度目かわからない射精をし、またびゅうびゅうと精液を噴き上げた。
すかさず犬族の男が俺のちんこを掴み、俺の精液を飛び散らせる。

「あ゛あ゛あ゛あ゛! やべでえ゛え゛え゛! たくさん、たくさん出すからっ、それ、やめでえ゛え゛っ!」
「おぉ! さすが今年の干支、神の使いだぜ! ほら、たくさん出してくれよ!」
「い゛い゛い゛!」

獣人族を神聖視している人間ならやめただろうが、やってるのが野蛮獣だったことを思い出した。
こいつらにとって俺が精液を噴き上げるのはただ面白い行事に過ぎないのだ。

「は、はぁっ……あ゛ぁ……」
「出し切っちまったな。よし、次誰だー?」
「「はいはい!」」
「僕だよ!」
「えー!」
「僕のが早く来た!」
「こらこら、喧嘩はよくねぇって」

子供たちが次に誰がやるのかを決めてる間に、乳首とちんこを触る手が入れ替わった。
大人たちが厄難退散やら家内安全やら、無病息災に物事の勝利を願っては俺を触っていく。
俺はと言えば、射精している最中にちんこを扱かれるというクソみたいなことをされたせいで、息も絶え絶えだ。

「あうっん」
「んー……そろそろ勃つの遅くなってきたなぁ。よし、お前もおいで」
「うん……」
「ここに手を入れてごらん」
「お尻の穴?」
「そうそう。内緒だけどな、ここの中を撫でると、福男間違いなしだぞ」
「本当?」

子供の小さな手が俺の尻の穴を撫でた。

「ちょっ」
「手をぐーにして、ゆっくりな」
「うん」
「あっ! 待っあ゛あ゛!」
「できた!」
「おー! よくできたな!」

ずぶずぶと子供の手が奥に入ってくる。
小さい子供の手が俺の前立腺を掠め、それに反応してちんこが恥ずかしいほど勃起した。
父親から、粗相をしたくなければ尻の中を洗えと言われてはいたが、まさか本当にこんなところを撫でる奴がいると思わなかった。
いや、絶対野蛮獣の屋敷担当になった奴しかやられないと思うんだけど。

「アッ! う、うっあぁっ」
「んー……この辺かな。この辺をよしよしってしてやりな」
「はーい!」
「ひ、い゛い゛! ああっ! あっ、やだっ、そこっあっ出るう゛ううぅ!」
「ははっ! お前、お尻の穴撫でるの上手だなー!」
「やったー!」

目の前がチカチカして、息がしにくい。
褒められたのが嬉しいらしい子供は、未だに俺の前立腺をこね回していて、もう意識が吹っ飛びそう。

「家内安全のご利益だぞー!」
「「おー!」」
「あ゛あ゛っ! いま、今っさわらない゛でえ゛え゛っ!」

射精し続けるちんこをまた扱かれまくった。
腰がカクカクと動き、自分のものではないようだった。
精液が出終わっても、前立腺を撫でている子供のせいで勃起が治らない。

「ふぅっ……ううっ……」
「よし、じゃあ交代なー」
「おい、もっと気合い入れて乳首もちんこも扱けよ。今年の福男が子供ばっかになるぞ」

子供も大人も入れ替わり、次の順番の人たちが俺の周りに寄ってくる。

「す、すこし、待って」
「何言ってんだ。今日の撫で牛の終わりまであと少しなんだから、頑張って精液吹き上げろ」
「なっ」
「射精させたら厄難退散、精液浴びたら家内安全だったか? 射精しまくってご利益とは、さすが体力がある牛族は違うぜ」
「ぐぎぎぎ」

ば、バカにしやがって……!
牛族が虎族に強く出られないからってバカにしやがって……!

「おら、まだまだ人はいるんだから、たくさん射精しな」

その言葉の後、群がる人間たちがお祈りをしながら必死にいろんなところを撫でた。
午後の二時まであと少し。
そう気合を入れたのは俺だけではなかったようだった。
残りわずかな時間で俺は五回も射精し、文字通り精液を撒き散らした。

***

ようやく午後二時の鐘が鳴り、俺の周りから人がいなくなった。
足腰が立たない身体を他の牛族に支えられ、白い着物を羽織る。
扱かれまくった乳首が真っ赤になっていて立ったままだし、ちんこも緩く勃起したままで、だらだらと汁が垂れている。
握られまくったタマは未だに触られているような気がするし、尻の穴だって開いたままで、粗相をしたくなければ尻の中を洗えと父親が言っていた意味がようやくわかった。

「よく頑張りましたな」

年配の牛族の男が俺に水を差し出し、大人気だったことを褒めてくれる。
く、くそ……この広場の中で一番射精したってことかよ…………。

「さっすが牛族ですなー」
「ほんとほんと」
「帰れ」

ようやく終わったと思ったのに、俺の横に虎族と犬族の男がやってきた。
お前らのせいで、俺は酷い目にあった。
野蛮獣なんかに気を遣えるほどのHPはかけらも残っちゃいない。

「見ろよ、この乳首。乳首でかくなりすぎて着物が浮いてるぜ」
「あっ、もう、触るなって! 挨拶を聞けよ!」
「お前何歳なの? ちんこからもお漏らししちゃってるけど、まだ子供だったの?」
「着物を捲るな! もう、今日は終わりなんだから、撫で牛に触るの禁止だって!」

撫で牛の行事も締めの挨拶になっている。
とは言え、明日も続くから簡単な挨拶だけで、このあとは撤収作業と明日の準備だ。

「なぁなぁ、お前明日もここなの?」
「どうだろうな。明日はどっかの屋敷かもな」
「嘘つけ。撫で牛は病気にでもならない限り、同じ場所で七日間のお勤めだろ」
「へー、そうなんだ」

バレてしまった。

「まぁ、明日からもよろしく頼むわ」
「俺も楽しみすぎて毎朝早起きしちゃいそうー」
「アッやっ、もっもう、終わりだって、ば!」
「六日でこの乳首どんだけデカくできるだろうなー」
「尻の穴も拡張してやるからなー」
「本当っ、お前等、アンっ、う、最低な!」

あぁ……こんなのに囲まれながら六日間か……。
六日後には俺は死んでるかもしれない。

***

俺の訴えも虚しく、市井中央地区での六日間を終えた後、慰労会をやろうという虎族と犬族に拉致られた。
立派な虎族の屋敷で、ご馳走とお酒に囲まれ、それらは一口も口にできないまま、虎族と犬族に襲われている。

「ハハッ! デケェ乳首になったな! 俺でも掴めるぜ」
「あ゛あ゛! 乳首やだあ゛あっ!」

乳首を掴まれ、少し引っ張られただけなのに、びゅうびゅうと精液が飛び出た。
人間たちの優しい手つきとは違い、乱暴な手つきと弄り方が、撫で牛での物足りなさを埋めていく。

「尻の穴もすげよ。俺の瘤まですっぽり」
「アッ! 見ないで!」
「初日はキツかったけど、今日は子供達の手が二本入っても余裕になってたもんなー」
「ああ゛っ! 奥やだ! 奥だめっ、イっでるのにっ、ひっいい゛い゛い゛……!」
「ははっ! 射精しながらメスイキすげぇな!」
「器用な牛ちゃんには乳首イキのご褒美もあげましょうねー」
「いら、なあ゛あ゛あ゛!」

七日間の撫で牛で阿呆になった身体をひたすらに弄ばれる。

「次の撫で牛の時には、乳首に触られただけで射精するようにしてやるからな」
「尻の穴も子供の手が四本は入るようにしような」
「やだ、やらぁ。も、もう撫で牛しないから、も、出たくない゛い゛」
「いやー、乳首こねられながら精液こぼしてるやつは次も参加だと思うなー」
「そうなー、尻の穴も俺のちんこ美味しそうにしゃぶってるしなー」

ご馳走とお酒にありつけたのは、翌日の昼だった。



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