寒い夜の前半戦

Present for 種san.



果たしてなぜこんなことになってしまったのか。
時を遡るにしてもどこまで遡ればこの状況を説明できるのか怪しい。
家族が全員出掛けた俺の家に仲のいい奴らが集まった週末。
最早恒例になっているスマブラ大会して、それが深夜だったもんだからちょっとテンション上がって・・・上がりすぎちゃって。
そうだ、まず初めに林が脱いだ。
なぜ脱いだってなんかテンション上がって暑いとか言い出して脱いだ。
そしたら樋口が林をマッチョだとか言い始めて、ボディビルダーのモノマネを林がやり始めた。
そしたらなんでか知らないけど福留が俺の上腕二頭筋の方がいいとか言い出して、それを証明すると脱ぎ始めた。
この時はもう大爆笑して福留の上腕二頭筋とかどうでもいいとか言ってた。
その大爆笑ついでに俺のはどうだと辺見が脱ぎ、貧相な身体つきにうるせー!って言ってた。
樋口が俺のがましだーって脱ぎ始めて、なぜかパンイチになった。
そしたら福留と辺見も脱いで、すでに脱いでた林とともにボディビルダーのポーズを決めた。
ここで馬鹿になったのは俺の下半身だ。
なんか知らないけどゆるく勃起していたのだ。
ヒーヒー笑いながらどうする俺的なこの心境、わかってほしい。

「穂積も脱げよ!」

そう叫んだ福留殺したい。
脱げるか、馬鹿野郎。

「無理無理!その輪に入りたくない!」

そう叫んで笑いすぎて腹が痛い振りをして前屈みになる。
治れ、治るんだ俺の下半身。
何がどうして勃起したんだ。
トイレか?
トイレに行きたいのか?
よもや興奮してだなんて、興奮する余地はこの目の前のむさ苦しい男どもの中には何もなかっただろうが!

「みんなでボディビルダーポーズで写メ撮ろうぜ!」

死ね、樋口。
もう黙って欲しい。

「ほらー、穂積も脱げってー」
「ちょっちょっま、待って」
「はーいばんざーい!」
「や、やめろっぎゃー!!!」

林と福留に身ぐるみ剥がされてあっけないパンイチ。
俺、ピンチ。
マジでピンチ。

「ほら、穂積も立って!写メ撮るよー!」
「いやだー!」
「穂積が一番前な!」
「嫌だよ!」
「早く!10秒後だよ!」

全員に引っ張られ、最早やけくそでボディビルダーポーズ。
そこはなんとなく股間が写らないように足でガードして。
このクソみたいな撮影会が終わったら、ソッコーで服を着る。
そしてトイレに走る。
いや、服を着る時間すら惜しい。
ピッピッとカウントがはじまり、トイレにダッシュするために足に力を込める。

「あれ、穂積勃起してる?」
「あ゛?!」
「「「え、まじ?」」」

かしゃりとシャッター音が響き、間抜けな面が撮影される。
福留の視線を肩越しに感じ、手に汗が滲んだ。

「まじまじ。ほら」

ずざっと下げられた俺のパンツ。
びよんと飛び出たちょっと勃起する俺のちんこ。

「「「ほ、ほんとだ」」」
「う、うわー!!!」

ギュンっと食い込むほどの勢いでパンツを履く。
ふ、福留殺す。

「とりおさえろ!」
「ちょっなんで?!」
「勃起ちんこ野郎!」
「う、うるせー!」
「パンツ脱げー!」
「だからなんでだよ!」

4人に取り押さえられ、あっけなくパンツとおさらば。
さ、最悪だ・・・。

「ほほー、これが穂積のちんこか」
「見るなし!」
「つーか穂積ちんこ小さいな!勃起してそのサイズなの?」「うるさい!」
「俺のがでかいぜ!ほら!」

そう言いながらぼろりとちんこを出した林。
た、確かに、勃起してないのに俺よりでかいかもしれない。

「そこは俺のがでかい。勃起したら絶対一番でかい」
「いや、辺見の勃起ちんこより俺の勃起ちんこのがでかいって」
「それなら俺も負けないっていうかー」
「いやいやいや俺のがー」
「いや、脱ぐなよ!お前ら服着ろよ!あと俺のパンツ返してください!」

俺の叫びも虚しく、全員全裸で俺を囲ってシコりだす。
や、やめてくれ・・・!
この変な儀式やめてくれ・・・!

「脳内オカズ何?」
「2組のまいかちゃん」
「昨日見た素人AV」
「穂積の裸」
「やめてくろ!冗談でもやめろ!」

辺見が余計なこと言いながら俺を見て扱く。
それに全員ゲラゲラ笑うもんだからもう全員叩きのめしたい。

「よし!完勃ち!」
「俺も!」

どん、と仁王立ちで勃起したちんこ出してる林と福留。
で、でか・・・。
それに並ぶように樋口と辺見も完勃ちしたちんこ出して立った。
なんか知らないけど、俺、勃起したちんこに囲まれてる。あとなんでか知らないけど俺のちんこ触ってもないのに完勃ちしてる・・・!

「穂積、完勃ちしてんの?」

福留、絶対殺す。

「お前っすげーな!ちんこ見て勃起すんの?!」
「してなっしてないっ!」
「ほらほらー、大好きなちんこだぞー」
「汚っ!くっつけんな!」

俺のちんこに福留のちんこが擦りつけられる。
今度こそ萎えると思ったのに腹につくほど勃起した。
なにこれ死にたい。
俺の下半身どうしたの。

「お、面白い・・・」
「ねーねー、穂積ってホモだったの?」
「ち、違っ」
「ホモってさ、ケツの穴に挿入すんだろ?お前ケツの穴イジってんの?」
「だから、ホモじゃないって!」

お、お願いだからほっといてくれ・・・!
トイレに行かせてくれ・・・!
もう1分で抜いて強制的に萎えさせてくるからほんとまじでトイレに行かせてくれ・・・!
しまいには泣くぞこの野郎!!

「つーか、寒くなってきたから俺服着ていい?」
「そうだな。確かに寒いわな」
「暖房入ってても寒い。樋口とか乳首立ちすぎてやべーよ」
「まじかよ。つーか樋口乳首でけーな、オイ」
「そう言う辺見はゴマみたいな大きさだな」

はじめに脱ぎ始めた林の一言で各々パンツを履く。
俺もそれに習ってパンツを履き、上からトレーナーを着る。

「・・・なぁ、俺ちんこおさまらないから抜いてきていい?」
「福留の変態!ほっとけば小さくなるだろ!」
「俺なんかこの寒さの中、勃起を維持できなくてすでにしぼんだけど」
「んー、妙に興奮してんだよねー」
「ひょあ?!」

トレーナーから首を出す前に前屈みになった。
ふ、太ももに冷たいのが当たった・・・!
それからぞわぞわと撫でられる感じがして、急いでトレーナーから首を出す。
太ももを撫でる、どころかパンツの中に忍び寄る福留の手を叩く。

「触るな!冷たい!」
「穂積も萎えてないっしょ?」
「う、うるさい!」
「一緒に抜こうぜ」

がっしりと福留に掴まれた足。
背中を冷や汗が流れ、助けを求めて周りを見る。
全員でいってらっしゃいと手を振っていた。
どうして。

「い、嫌だー!!!」
「お前の部屋でいいよな?」
「嫌だ!勝手にトイレで抜いてろ馬鹿野郎!」
「寂しいじゃんー」
「知るか!オイっ誰かっ」
「冬にパンイチアイスってオツじゃない?」
「いや、林早く服着ろよ。寒いんじゃなかったの」
「お前乳首ビンビンなってんぞ。触っていい?」
「お前ら全員帰れちくしょー!!」
「扱き合いしようなー」

俺はこいつ等を絶対許さないと心に決めた。





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