鳥の羽根

殺人鬼の最後
天使と悪魔



彼の腹が膨らみ、彼は泣いた。

「怖い、怖いのっ」

毟られた羽根を縮め、ただ大きいだけのベッドで泣く。
だけど俺は嬉しかったのだ。

「大丈夫だよ。死なないし、君も望んだんでしょ?」

そう慰めると彼は俺にしがみついて泣いた。
妊娠したのは、彼と俺の意思だ。



天使と悪魔の違いはさほどない。
あるのは欲求の差だ。
天使は真っ白なものを愛し、悪魔はそこへ刺激を加えたがる。
例えば食事。
基本的に無欲な天使は食べ物を調理して食べない。
食物そのものを味わうのだ。
悪魔はそこに何かしらのスパイスを加えて食べる。
彼を監禁した時に、地獄のものを喰わせると狂うと言うから、多少なりとある食欲を満たすことが困難だと悩んだ。
しかし、その食べ物は天国にもあるという。
ならばとそのまま食べさせると狂うことはなかった。
試しにそのまま食べたら大丈夫だった桃に似た果実を、香りが良いスパイスとブランデーに似た酒に漬けたものを食べさせたら漏らした。
ガクガクと震え、失禁する様に興奮し、そのまま犯した。
他にも焼いた肉、この時は鳩だったんだが、この時は臭いだけで意識を失った。
天国では生き物は食べないらしい。
この臭いが家から消えるまで、彼の白い羽根はくすんでいた。
せっかくの白い羽根は残しておきたい。
こういった実験にも似た行為を繰り返し、お互いに不自由も少なくなった頃に彼の腹が膨らんだ。
しかしこればっかりは未知だ。
人間であった時には男が孕むとは聞いたこともなかったし、悪魔に言えば面白がって小さい悪魔を中に入れて観察させようなどと言う。
そういう輩は首を刎ねて川へ流してやった。
結局、解決策はないままで終わっている。

「別に死ぬわけでもないし」

そう言うのに彼は不安でたまらないと泣くから厄介だ。
慰めても慰めても日に日に大きくなる腹が不安を増長させるらしく、いつも腹を撫で回している。

「お腹、突き破って出てきたら、どうしよう」
「塞がるよ」
「でも、怖いんだ」
「前向きに考えようよ。ほら、今日も授乳の練習しようね」

彼はぶるぶると首を降り、羽根をさらに小さく縮めた。

「やだ、嫌っなの。あれ、嫌い」
「文句ばっかり言わないでよ。今日こそは母乳出そうね」
「あっ、せ、せめて、お酒は」
「だーめ」

ブランデーに似た酒を口に含み、乳首を隠す腕を退ける。
昨日も授乳の練習をしたからか、彼の乳首は真っ赤に腫れ上がっていた。
その乳首を口に含み、ブランデーを馴染ませる。
身籠った彼にお酒なんて飲ませられないからね。

「はひ、は・・・、やらのっにぃ」
「らいひょーぶ」
「ひ、んんう゛あ゛あ゛ぁぁ!」

彼は乳首に酒を馴染ませただけなのに射精した。
舌で転がし、歯を立てる。
それだけで彼は射精する。
アナルからはとろりとした粘液を零し、ベッドへシミを作る。
大きくなった腹が邪魔でうまいこと身動きが取れないらしい彼を押さえつけて乳首を舐めまわす。
彼の目は潤み、ガクガクと痙攣して涎を零す。
そんなのに構うことなく、俺は彼の乳首を嬲り続けた。

「い゛っぐう゛うぅ!も、くるひ、くるひい!やしゅまへれえぇ」
「らーめ。まられてる」
「ん、お゛っあ゛ぁっ!!!」

ブシャブシャと噴き上げるように漏らし、下半身を揺らしてイき狂う。
地獄の食べ物を口から食べるとわけがわからなくなり、アナルヘ突っ込むと下半身から熱が襲ってくるらしい。
部分的に塗られたり浸されたりするとそこだけが性感帯になったように、狂ったように感じるらしい。
これほどまでに狂うのに、薬物中毒のようにならないのは天使だからなのか。
俺は真っ白な彼を汚すことが楽しくてたまらなくて、俺が天使に毒されていきそうだ。

「あ゛っやだぁ、またっ駄目っ駄目らからぁ!」

下半身をぐねぐねと揺らしながら彼は悶える。
その様にすぐにでもペニスを突っ込んでやりたくなったが、妊娠しているのだからと我慢する。
彼の腹は俺たちの子供で容量オーバーだからね。
彼は腰をガクガクと痙攣させ、俺が乳首を噛んだのと同時に足先をピンっと伸ばして仰け反った。

「お゛あ゛っ、あ゛ひゃっやああああ゛あ゛!!!」
「ン、またペニスから母乳出したの?」
「ふぎっい゛っみ、見らいれ!見らいれえ゛え゛!!!」
「こんなに吸いやすい乳首にしてるのに、どうしてココから出るのかなぁ」
「んお゛おぉ!あ゛っひ、やあああぁ!」

ペニスに爪を立てれば更に体を仰け反らせて母乳を噴く。
バシャバシャと噴き上げ、あっという間に白い液体が水溜りを作った。
精液も尿も潮も噴き終えて、そこから母乳が飛び出して。
こんなに吸いやすい乳首にしたのに、彼は一度も乳首から母乳を出したことはないのだ。
ピューピューと母乳を飛ばしながら彼は痙攣し、涎を零しながら喘いでいる。
これも快感が伴うらしいのだ。

「こわえう!も、らめなの!赤ひゃんが飲むろ、らくなる!」
「そんなこと心配してるの?大丈夫だよ。たくさん食べたらたくさん出るよ」
「んほお゛ぉ!」

乳首を引っ張ると彼は母乳を噴き上げた。
がくりと彼の力が抜け、母乳もしとしとと零れるだけになる。
動かない彼を抱え、風呂場へ移動する。
たくさん汗をかいているから、風邪をひかないように温めねば。
そもそも、天使が風邪をひくかは疑問だけれど。
ぬるい湯に浸かり、本当に大きくなったと彼の腹を撫でる。
どのぐらいの期間でこれほど膨れたかは定かではない。
時間の概念が曖昧なのだ。
ひどく短かった気もするし、ひどく長かった気もする。
彼の腫れた乳首に湯をかけ、軽く揉んでやる。
それだけで母乳を噴いたのか、腰回りの湯が乳白色になった。

「ん、は」
「起きた?」
「うん」

彼は俺に擦り寄り、また腹を撫でた。
彼の目にはもう腹しか映らないのだろう。
きっとペニスはその大きな腹に隠れてしまって見ることもできない。

「・・・赤ちゃん動いてる」
「うん」

最近頻回に動くらしく、その度に彼は顔を緩めたり顰めたりしていた。

「っ、あ゛」
「どうしたの?」
「なんか、変っ。う゛っあ゛あ゛ぁっ」

俺に爪を立てるほどしがみつくもんだから、慌てて湯からあげた。
とりあえず床の上に寝かせ、彼の腹を見る。
彼の腹はぼこりぼこりと様々な箇所が膨らむ。
まるで何かが移動するかのように。

「産まれる?」
「んぎいぃぃ!」

彼は脂汗をかきながら背を仰け反らせた。
そして潮でも噴くように汚水をぶちまける。

「い゛らい!い゛らい゛ぃ!おにゃか、しゃけるう゛ぅ!!」

あまりの痛みに彼は失禁した。
おそらくこれが出産なのだと思う。
俺は少しでも辛いのが和らげばと、彼の開きっぱなしの口へスパイスが聞いたジャムを突っ込んだ。
アナルにも子供が出てきやすいようにとジャムを塗る。

「んひいぃぃん!!!」

途端に、出産の痛みが快楽へ変わった。
ガクガクと震え、子供が腹を動き回る度にイっているようだ。
アナルから汚物が出る度に腰を揺らし、指を咥えて彼は獣のように喘ぐ。
彼の汚れた下半身を湯で流し、常に清潔を保ってやる。
あまり母乳を出すと本当に出なくなるのではないかと心配するほどに彼はイき狂った。
そういえばアナルへの刺激は久しぶりだったな。
俺でなく、子供が刺激していることに多少の苛立ちを覚える。
どれぐらいの時間が立った頃だろうか。
彼のアナルがぷくりと膨れ、そこから小さな手が出てきた。

「あ、生まれそうだよ」
「ふぇっえっ」
「あと少しだよ」

彼は俺にキスを求め、俺はそれに答える。
小さな手は彼のアナルのフチを掴み、もう一本手を出すとその手も彼のアナルのフチを掴んだ。
彼が痙攣し、腰を揺らした。

「ピギイイィィィ!!!」

けたたましく響いた声と共に小さな顔が覗いた。
彼が潮を噴き、その勢いでつるりと子供が出てくる。
噴き飛ばされないように産まれたばかりの我が子を掴み、ぐったりとしている彼の腹へ避難させる。
あんなに腹が膨れた割に、子供は小さかった。
身体を覆う膜を剥ぎ、湯で洗う。

「うまえ、らの?」
「うん。なんか、思ったより小さいのが」

ピィピィ鳥のように泣く子供を彼に見せてやる。
俺が鳥っぽい獣混じりだからピィピィ言うのだろうか。
こんなに小さいと顔はわかりやしない。
とりあえずくしゃくしゃだった。

「食べたらだめだよ」
「腹の足しにもならないよ」

そう言って綺麗になった我が子を彼の元へ移動させる。

「ふは、僕と貴方の子供だ」

彼は嬉しい嬉しいと泣き、小さい我が子に頬擦りをしている。
正直、俺には自分に似ている部分も彼に似ている部分も我が子に見つけられずにいる。

「ほら、羽根!羽根がね、白と黒だよ!」

小さい我が子の背中には小さい羽根が生えていた。
濡れていてわからなかったが、羽根を拡げると綺麗に白と黒のグラデーションを描いている。
白と黒の羽根が混在して生えているのだ。

「こんな羽根の子、見たことない!」
「そうだね」
「嬉しい!嬉しい!僕と貴方の子供だよ!」

彼は俺の腕の中でひとしきり騒ぎ、ピィピィ泣いている我が子を抱きしめてきた。
小さい羽根が乾き、白と黒のグラデーションをいっそう綺麗に見せている。
彼の腹は不思議と徐々に小さくなり、今まで膨れていたのが嘘のように凹んだ。
そして彼の目からも母乳を零すペニスが見えるようになる。

「子供、泣いてるよ」
「うん」
「早くミルク飲ませてあげなきゃ、ね?」

彼から子供をとりあげ、母乳を零すペニスを与えてやる。

「あっ、やだっ!ぐっグラスとかからっ」
「いっぱい飲みな」
「ピィ」
「あっひゃあああ゛!!!」

子供の吸う力は強く、貪欲に母乳を貪った。
顔を白く濡らし、彼のペニスの穴を指で拡げるとながら母乳を吸い出している。
それでも彼は子供を退けようとはしなかった。
吸いたいだけ吸わせて、飲みたいだけ飲ませていた。
そんな微笑ましい彼と我が子を眺めながら、俺は久しぶりに彼のアナルを堪能する。

「出産したばっかりだからかな。中、すごく柔らかい」
「ふぁっああ゛!らめぇ!あかちゃ、ミルク、飲んでう゛からあ゛あ゛!」
「ピィ!ピィ!」

彼だけにとどまらず、我が子にも非難された。
だが彼はこの行為に喜び震えているし、我が子はたくさん出てくる母乳に満足度そうだ。
だから、何も問題はない。

「次は、どんな子供が生まれるかな」

俺は久しぶりに大量の精液を彼のアナルへ流し込んだ。




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