ハレンチくまさん
カチンとくることは多々あれど、こればかりは許せるかと思った。
「これはなんだ?ん?」
「可愛い可愛いくまさんです」
「可愛い可愛いくまさんが局部モロ出しとか何も可愛くないだろうが!」
「へぶ!」
目の前にある服・・・いや、もはや服とも呼べないモノ。
しいて言うならTバックに心ばかりのフリルがついたスカート(前は切込みがバッサリ)。
リボンがついたニップレス(最早ブラジャーですらない・・・!)。
だが、最大限に可愛いくないのは尻尾だ。
とんでもねぇサイズのディルドがスカートだかパンツだかわからないものから生えていた。
「こんなとんでもないモノに耳が生えたところでくまとは言えないだろうが!」
「はっ・・・!そうか!天使・・・!」
「死んでくれ」
「てぶふ!」
回し蹴りを炸裂させたところで怒りは収まらない。
しぶしぶ部屋を出て行った大地を尻目にベッドに横になる。
どうせなら、その忌々しいモノも持っていけばいいものを・・・。
「露出が多すぎなら、網タイツはいてもいいよ?」
「何が変わるんだボケエ!」
諦めきれないのか俺の部屋でソワソワしているが、今回ばかりは着てやるつもりはない。
どうやったって着るつもりはない。
そんなもの着るぐらいなら俺は裸で生活する。
「みきちゃ」
「今回は絶対嫌だ」
恨めしそうに俺の布団に忌々しいモノを手に入ってきた大地。
俺はその忌々しいモノを布団の外へ思いっきり放り投げてやった。
***
自分のケツに走った衝撃に覚醒した。
眼鏡がなくともケツへの違和感ぐらいわかる。
目の前には張り付いた笑顔のドアホがいた。
「・・・な、なんか、言って?」
「死ね」
「みきちゃんが自分で着たんだもん!寒いって言って自分で着たんだもん!俺はディルドが挿らないっていうみきちゃんのお手伝いをしたんだもん!」
「寒いというまでの過程はどうしたアアアァァ!」
「ほびゅっふ!」
このアホは俺の服を脱がせ、これが服だと寝ぼけた俺に渡したのだ。
そうに違いないのだ。
出なければなぜこうもジャストに朝勃ちしたちんこがザックリした割れ目から飛び出てるんだ!
ご丁寧にニップレスまでぴったりと張り付けやがって・・・!
とりあえず服を脱ごうと思って手を下げたところで違和感。
な・・・なんだこの肉球がついた手袋・・・。
「可愛いでしょ!肉球手袋!」
手首がベルトで絞められた手袋。
つまるところ、何かと言うとだ。
この手では俺は服を脱ぐどころか手袋を外すことさえままならないのだ。
「う、うおおおお・・・」
「さ!みきちゃんっ!俺と遊びましょうねー?」
大地の手に握られていたのは俺が隠してたはずのブジー。
「ご、強姦だ!無理矢理だ!」
「せめて仕返しと言って!」
「ふひ!」
ケツに挿れられたディルドが回転するようにして動き始める。
寝起きで覚醒しきらない身体でもキツい動き方をする。
元から朝勃ちしていたちんこはすぐに勃ちあがる。
自由に動く足を動かすが腰に力が入らないではどうしようもない。
肉球手袋で必死にちんこを隠すも大地の力に負けた。
「ちゃんと一番細いのにしたからねー?」
「あっやだ、あぁっあっああぁぁ・・・!」
「あ、すぐ挿った」
絶対大地のせいで俺の尿道は緩くなったんだ。
絶対そうだ。
でなきゃ一番細いとはいえ、ブジーがこうもすんなり挿入できるはずがない・・・!
くるくると中を掻き回されると腰が跳ね、ケツが締まるとダイレクトにバイブが伝わる。
身体を弛緩させればそら少しは楽だろう。
でも身体を弛緩させると、その・・・も、漏らしそうで嫌だ。
そうこうしているうちに波はどんどん俺を追い詰める。
「あっだ、だいちっあっも、ひいぃん!」
「んふふードライしちゃったねー」
「はっあっはひ、ああああぁぁ!」
「気持ちいいんでしょー?」
腰がガクガクと揺れ、長いドライがなかなか終わらない。
ギブアップだと大地を叩けばブジーを動かすことはやめてくれたがアナルを掻き回すバイブは止まらない。
「さ、お風呂行こうねー!」
「ひうん!」
大地に抱えられて風呂場へ移動。
きっと漏らすと俺が気にするからなんだろうが、その気が回るなら是非ブジーを使うことをやめてほしい。
風呂場に着いて、風呂場の冷えた空気に更に尿意は増す。
身体が弛緩しそうになるのをこらえて、ぐっと力を入れたら2度目のドライ。
ガクガクと笑う膝を床につき、ケツを上げて床に突っ伏す。
「幹也の悩殺ポーズ・・・!」
「だ、まれぇぇ・・・」
「寝起きはもっと素直でエッチだったのにー」
「はひっ!あ、だめ、やっ抜くなぁん!」
「だって、おしっこしたいんでしょ?」
「が、我慢するっ我慢するからあ!」
「だーめ」
上体を起こされて、ゆっくりと抜けていくブジー。
もうすぐ抜ける、って思ったらさらに奥へ。
そのスピードが速くなるともう膝立ちでいることも辛い。
「んあっああぁうあん!あっも、ああぁん!」
「あぁもう、可愛い」
「ひっむい!も、らめなの!あっあぁ!も、もう!」
「いいよ。いっぱい出してね」
「ひっいやああぁ!あん!あっああぁ!」
ビシャビシャと飛び散る黄色い液体。
それを見ないように目を瞑り、弛緩する身体を大地に預ける。
ぶるりと身体が震えた、と思ったら射精した感覚までしてきて。
穴があったら全力で入りたい。
「うっ・・・うぅ・・・」
「み、幹也?!」
「大地の、ばかぁ!」
あまりの羞恥に涙が出てきた。
「ご、ごめん!ほんとやりすぎた!」
「もう遅い!」
「あだ!」
肉球手袋では痛さも半減だろうが大地を殴る。
いつの間にかケツのバイブも止まり、大地は俺を抱えながら熱いシャワーをかけてくれる。
太いバイブを抜き、肉球手袋も取り払われる。
しつこく乳首にくっついていたニップレスは自分で取り外してやった。
「ゆ、許して?」
「嫌」
「で、ですよねー・・・」
「反省してんのか?」
「もちろん!ま、まさか泣くほどくまさんが嫌だっただなんて・・・」
「そこだけじゃねぇよ!」
ちらりと俺の頭を大地が見て嫌な予感。
頭についていたくまの耳も急いで取り払った。
「お前のコスプレ趣味に最早何も言う気はない」
「ほんと?」
「だがモノを選べ!せめて服にしろ!」
「これも服」
「服とは呼ばない!布だ、こんなもん!」
先ほどまで身に着けていたモノを指さして大地を説教。
今思えばシャワーを浴びながら丸裸で説教とはなんて滑稽な姿だ。
怒りも削がれ、どうでもよくなる。
「それと、二度とお漏らしは嫌だ」
「・・・・・つまり?」
「ブジーは禁止!」
「やだー!幹也気持ちいいくせにー!」
「う、うるせー!」
「無理!ブジーはやだ!幹也が気持ちいいって思ってることはやめないもん!」
絶対引かない、って顔をする大地。
て、手ごわい・・・。
「2回に1回」
「5回に4回」
「さ、3回に2回」
「毎回」
「増えてんだろうが!」
「へぶし!」
なんだこいつ!
譲歩する気はないのか!
「じゃぁこうしよう!幹也がトイレに行ってから使う!」
「なんでだよ!結局毎回になるだろうが!」
「だって漏らすのが恥ずかしいんでしょ?」
「う゛!」
そ、それはそうだけれども。
でもそこは、気持ちいいからとか、そーゆーの抜きにして、やめるって言う手段とか考えないのかな・・・!
「今度から寝起きに無理矢理しないし、おしっこしたい時にブジーも使わないから、ね?」
「ぐっ・・・」
いつになく真剣に相談する大地。
垂れた耳としょんぼりとした尻尾が見えてきて流されそうだ。
だ、騙されるな俺・・・!
「・・・・・絶対だぞ」
「わーい!」
俺の馬鹿・・・!
「でももう今日はしない!風呂入るから出ていけ!」
「ちょ、そんな・・・!」
「早く出ろ!」
「考え直してみきちゃん!俺、俺馬鹿だけど、さすがに服びちょびちょじゃ風邪ひいちゃう!」
「寝起きの寒い部屋で薄い布とニップレスにされた俺よりマシだろうが!」
「あっ、幹也!」
風呂場から大地を放り出し、鍵をかける。
今後ブジーの件に関しては俺が大地のわがままをのんだんだ。
風邪ひいて寝込むぐらいが割に合ってる。
例え俺が大地にほだされただけにしろ、これぐらいの罰を与えた程度じゃ罰も当たらないに違いない。
「みきちゃん寒いよー!」
「部屋に溢れてるコスプレ衣装でも着てろ!」
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