10:軽率な口とその罰

「はあ。コーラ美味しい」
「ファンタも格別だよ」

僕と委員長は喉のいがいがをとるために自販機で炭酸を買った。
コーラで喉がすっきりした気がする。

「サッカー部は第一グラウンドだって」
「ヨシキたちまだいるかな?」
「いると思うよ。ミニゲームやるらしいし」

委員長の案内で第一グラウンドへ。赤と黄色のビブスをつけた人達がサッカーをしていた。
僕らは見学しないのでフェンスの外で観戦していた。

「あれ?町田と間々原?」
「夏木先生!」
「何してんだお前等。入部希望?まさかな」

失礼な!できないと決めつけられている!

「柏木の応援か?柏木は赤だぞ」

夏木先生は缶コーヒーのプルトップを開けて、コーヒーを飲み始めた。

「まあ中入れ。ベンチで先生とミニゲーム観戦しようや」
「おじゃましまーす」
「失礼します」

適当な夏木先生について行き、グラウンドのベンチに座る。

「部活決めたかー?」
「はい、間々原も俺も茶道部に」
「そうかそうか、じゃあ入部届に名前書いて先生に頂戴。出しとくから」

僕らはベンチで入部届に名前を書いて夏木先生に提出した。正式に茶道部員だ・・・!頑張るぞ!

「あのっ夏木先生はサッカー部の顧問ですか?」
「そうそう」
「ミニゲームはみんな一年生ですか?」
「そうそう」
「あの、俺が言うのもアレですが・・・指示とかしなくていいんですか?」

委員長っ・・・!せっかく僕が遠回しに聞いていたのにズバッと聞いちゃった!

「いやなあ・・・ここまで差がつくとなぁ。見ろ、点数」

5-0

赤が圧勝過ぎる・・・!

「あ、また柏木が入れた」

これで6-0だ。またと言うことはさっきもイッセイが入れたらしい。
よくみたらゴール前にいる黄色のビブスはヨシキと西君だった。

「いやね、45分のミニゲームにしたんだけど開始20分で柏木が3ゴールしてさ、圧倒的すぎたから先生つまんなくてコーヒー買いに行っちゃった」
「あとどれぐらいなんですか?時間」
「後10分ないぐらいだな」

相変わらずイッセイのサッカーは綺麗で走る姿が格好いい。そしてそのイッセイに突っ込んでくる人(ヨシキ)をこれまた綺麗にかわしてロングパス。サイドを抜けたイッセイがゴール前に行くとまた突っ込んで来た人(西君)をひらりとかわして鮮やかなゴールを決めた。

「イッセイ格好いい!」
「柏木すごいな!」
「本当にすごいんだよなー。プレーに無駄がないからサラリとゴールが決まってしまうんだ」

僕と委員長がイッセイに手を振るとヒラヒラと手を振り替えしてくれた。

「ねえ委員長、あの2人は何してんのかな」
「さあ?・・・タックル?」
「一応DFなんだよなあ。まあ柏木のゴールもあいつ等がDFしないから量産されてるんだよなあ」

赤はイッセイともう一人を中心に声を出しながらサッカーをしていた。黄はなんというかチームワークが欠片もない。諦めモードだ。

「ね、夏木先生」
「なんだ?間々原」
「もしかしなくてもヨシキと西君邪魔なんじゃ・・・」
「俺らが突っ立っていた方がまだマシな気がする」
「よくわかったな!人数が22人だったから全員フルで入れて代わりがいなかったんだ!」

夏木先生は審判に合図をして(審判はもうヨシキたちを無視していた)制服姿のままの僕たちをヨシキたちと交代させた。それなのに黄色チームの目が輝いたのを僕らは見た。

結局とくに何もしないまま7-1で黄の負け。記録的な点差だ。なのに僕らが入ってから1点返したのだから黄と赤は均衡がとれていたに違いない。夏木先生の采配ミスではなかった。そして赤の7点のうち5点はイッセイというから驚きだ。

「イッセイ格好いい!すごいすごい!」
「柏木格好良かった!」
「たまたまだよ。DFが抜きやすくてね」
「ヨシキたちタックルしてたねっ!」
「サッカーでタックルとかしていいんだなあ」
「ははっレッドだよ」

集まったの時に黄色チームの皆さんにいきなりすみませんと謝ったらむしろ感謝していると言われた。・・・ヨシキと西君何してたんだろう。

「あのな高岡、西。お前等運動神経悪くないのはわかってるがあんなんで柏木に勝てるわけないだろ?な?」
「「はい、すみません」」

ヨシキたちは夏木先生に怒られていた。

「イッセイタックルされたの?」
「まさか。牛みたいに突っ込んでくる相手には負けないよ」
「何がしたかったんだろうな・・・高岡君サッカー得意とか言ってたよな?」
「言ってた」

夏木先生にチームワークについて説教されてるヨシキと西君はなんか可哀想だった。夏木先生に真面目にしろと言われるの屈辱だな・・・。

「柏木!今日はもういいぞー!お前は明日から2、3年と練習させるからな!」
「わかりました!」
「イッセイ終わり?」
「うん。少し待ってて、着替えてくるね」

イッセイは既にロッカーがあるらしく部室棟へむかった。
僕と委員長はビブスを丁寧にお返ししてベンチにもどる。何もしては言ないが制服の裾とローファーは砂まみれだった。後で磨かなきゃ。
ベンチで負のオーラを出しているヨシキたちのとこへ走っていく。ち、近寄りたくないな・・・!

「ヨ、ヨシキたち今からバスケ部見学いくの?」
「「・・・」」

暗い!暗すぎる・・・!

「えっとえっと、そう言えばヨシキは中等部何部だったの?」
「俺もバスケ部。一応」
「一応?」
「高岡幽霊部員だったから。所属してただけ」

西君が説明してくれた。なるほど、それでサッカーのが得意なわけだ。

「はあ・・・さて、俺はバスケ部の入部届もらってくるよ。高岡のももらってこようか?」
「頼む」
「後で部屋行くわ」

制服に着替えたイッセイがベンチに来たので寮へ戻ることにする。ジャージ姿のヨシキの手を引きながら寮までの道を歩く。

「ヨシキ、しっかりしてっ」
「ヨシキ君元気ないね、大丈夫?」
「ア゛ァ?!」
「おお、元気になったっ!」

なんだかヨシキとイッセイでサッカーの話を始めたので僕は委員長に新ネタのミッキーの声まねを披露した。委員長が悶絶した。・・・ヨシキとイッセイは会話を止めて僕を冷ややかな目で見てた。その目には気付かなかったフリをする。



「じゃ、夕飯の時にラウンジで!」
「うんっまたね!」
「じゃあね、委員長!じゃ俺も部屋に戻るからまたあとでね、ミツル」
「うん!」

そしてイッセイも部屋に戻った。
僕とヨシキも部屋へ向かう。登校初日で3人も友達ができて、先輩もできるなんて。

「幸せだー!!!」
「うるせぇ。早く開けろ」
「ごめんなさい」

扉の前で喜びに叫んでいたらヨシキに怒られた。・・・まだ機嫌悪いっ!
部屋に入り荷物を置くと制服から部屋着に着替える。イッセイとも委員長とも仲良くなれてクラス役員にもなれて、充実した1日

「ミツル」
「うわあっ」

ニヤニヤしながら着替えていたら後ろにヨシキがいた。び、びっくりした・・・!

「イッセイがそんな格好良かった?」
「へっ?あ、うん。中学でも目立っていたけどさらに格好良くなっててサッカーもホンットうまっん゛ん゛?!」

いきなりヨシキの顔が近くなったと思ったら噛みつくようにしてキスされた。

「んっうっはあっ・・・!」

舌を吸われて腰が抜けた。床に尻餅をついてヨシキを見上げる。

「な、なんだよ!いきなり!」
「少し黙ってろ」
「は?!ちょ、ヨシキっ!!!」

まだ脱いでいなかった制服のズボンを下着ごと取り払われる。僕はTシャツに下半身丸出しと言うとんでもない格好。
キスだけで少し勃ちあがってしまったちんちんを押さえつけて隠した。

「ヨシキっ!」
「黙れってば。俺ら友達じゃん?恥ずかしがんなくていいから」
「やっあ、まっ・・・んああっ!」

ちんちんを隠していた手をいとも簡単に剥がれてちんちんをゴシゴシと扱かれる。
僕はあまり自慰がうまくなくて、イケないことがあるから自分ですることは少ない。でもヨシキにされると気持ちよくて声を上げてしまう。恥ずかしい恥ずかしい!

「ヨシキっやだ、やだあっ!ああっあっ!ちんちん触んなあ!」
「気持ちいいくせに」

床に押し倒されて、膝裏を掴まれた。そのまま身体をぐりっと曲げられて息が苦しい。

「うぐ・・・っ!くるしっ」
「こっち見ろよ。ほらミツルのお尻の穴」

「あ・・、やっやだやだあ!」
「お、今締まったぜ」

暴れようにもヨシキ抑えつけられた身体は全然動かない。恥ずかしくて息が止まってしまいそう。

「ミツル、ちゃんと見てろよ」

するとヨシキがとんでもないことをした。尖らせた舌を僕のお尻の穴にグリグリと押し込んでいったのだ。

「ヒイイィィ、ばかばか!ひっやっ汚いから、汚いいっやめてっうああっ」

チュッヂュル、ヂュルルッ・・

「はあああっ・・!吸わないでっやめ、やめてえっ!ひいん!」
「ハッ、気持ちいいくせに。ミツルのおちんちん涎垂らして喜んでるよ?」

ちんちんの先っぽをグリグリされて腰が跳ねた。僕はソレをされるとイってしまいそうになる。
相変わらずお尻の穴からはヨシキの舌が出入りしているのが見えて頭がおかしくなりそうだった。

「ヨシキっヨシキ!でちゃうっ出るっから離してっ」
「おちんちんの穴とお尻の穴弄られるとミツルはイくんだ」
「ばかはかあ!いわな、いで!ひぃっやあっやらあっ!も、無理ぃ!!!ティッシュとってえ!」

このままではせっかく着替えた服が精液まみれになってしまう!

「やだね。そのままイけよ」
「はあんっやだあ!服汚しちゃうっっもむりむり!ひいぃっ!」
「おじゃましまーす!高岡い・・る・・・」
「へ?あ、や・・・ああ」
「あ・・西・・・」
「ああっ!ばかあっは、ひぃぃっ!やああ!!!みな、みないでえっ」

西君が来たその瞬間にびっくりしたのかヨシキが思いっきり先っぽをひっかいて、ずるりと舌が抜けた。僕はその刺激にに耐えられずイってしまった。
西君は扉を閉めて中に入る。最悪だ。イってるの、見られた。

「はい、入部届」
「あ・・・ああ、ありがとう」

ようやくキツい体勢から解放された。

「それからそーゆーことするなら鍵閉めろよなあ」
「・・・忘れてた」
「間々原君のアナルもペニスも扉開けたら丸見えだったじゃん。俺見ちゃったじゃん」

え、それは僕のお尻の穴とちんちんを見たってことなのかな・・・?

「はー・・・まあいいや。間々原君のセルフ顔射とか貴重なの見たし。じゃあね」
「お、おう」

そう言って西君は何事もなかったかのように出て行った。
せ、せ、セルフ顔射?
手を顔に当てるとねっとりした白い液体が手についた。

「あー・・・ミツル、気にすんな。な?」
「っ!ヨシキのばか!ヨシキなんか嫌いだー!!!」

何かとんでもないものを失った気がする。



※無断転載、二次配布厳禁
この小説の著作権は高橋にあり、著作権放棄をしておりません。
キリリク作品のみ、キリリク獲得者様の持ち帰りを許可しております。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -