Prologue

Thanks 858585hit! TO.なすびsan



「うわ、最悪。このペペロンチーノハズレ」
「トマトはアタリ」
「いいなー。交換しない?」
「ダメー。大人しくペペロンチーノ食べなさい」
「ケチ」
「なんとでも言って」
「あぁもう!せっかくのわざわざ昼休みにランチに出掛けてきたのに」
「一応商売相手だからのんびりランチできるんでしょ」
「そうなんだけどさぁー。あ、お姉さんコーヒーおかわり」
「あ、僕も」
「2つねー」
「ンで?何が不満なの?そんなにペペロンチーノ美味しくない?」
「まぁそれもあるんだけど・・・」
「けど?」
「商売相手の前に僕等恋人、でしょ?」
「そうだよ?あれ、別れたつもりだった?」
「そんなわけないじゃん!」
「じゃあ何?」
「久々のデートがコレってどうなの?」
「素敵じゃない。平日昼間から働いている同僚を尻目に最愛の恋人とランチデート」
「およそ90分、しかも商談の合間にデート?」
「デートメイン、商談オマケじゃん。僕が判子押すだけ」
「そうだけど」
「僕は学に会えるだけでオッケー、幸せ」
「なんだろ・・・会話ズレてない?」
「ズレてないでしょ。デートの話」
「違うよ、ちゃんとしたデートがしたいって話」
「うーん・・・あ、コーヒーありがとうね」
「ちょっと、聞いてる?」
「聞いてるよ」
「嘘」
「嘘じゃない。ちょっとお姉さんにありがとう言っただけでしょ」
「・・・はぁ。なんか僕ばっかり損してる」
「そんな事はないだろ。僕だってちゃんと考えてる」
「どうだか」
「信用無いなぁ。まぁいいや。とりあえず契約書にサインするから書類出して」
「はいはい」
「ぼーるふぇんはー・・・」
「ちょっと、トマトソース飛ばさないでよ?予備はないんだからね」
「そんなヘマしないよ。一応商社マンなんだから」
「ソレ関係あるの?僕不動産業だから光成より書類書いてるけど」
「間違った。商社マンだから書類作り直してやるよ」
「残念でした。不正が出来ないようになってるに決まってるでしょ」
「そこは学が教えてくれれば」
「社内機密です」
「つれないなぁ」
「当たり前でしょ?個人情報扱ってるんだから」
「そんなに怒るなよ、冗談だろ。あ、学もこれ書いてね」
「担当者欄だけでいいの?」
「そうそう。後は会社の人に回して責任者欄も埋めてきて」
「契約内容に変更は?」
「なし。細かい取り決めは備考欄に」
「わかった。提出は?」
「来週末までに送付、もしくは持ってきて。僕の推薦は学が持ってくる」
「はいはい、仕事がなければね。そろそろ書けた?」
「あと少し・・・。ん、これでいい?」
「うーん・・・。あっあとココも書いて」
「げ、記入漏れとか商社マン失格だな」
「クビにならないでよー?そしたら契約破棄だからね」
「そら大変だな。社に戻り次第今までの書類に記入漏れがないかチェックしないと」
「ははっ手遅れでしょ!」
「わからないだろー?まだ間に合うのもあるかも」
「ふははっそうだといいね。ふは、じゃぁ、はははっ!ここに捺印してねっ」
「ちょ、笑いすぎ」
「だって、面白かったからさ」
「そう?じゃあまた言ってあげるよ。あれ、印鑑どこだ?」
「ポケットは?」
「んー・・・いっそ拇印にしちゃう?」
「やめてよ、汚れる」
「でも拇印のが燃えるでしょ?一生モノみたいで」
「バカ言ってないでさっさと探してよ」
「ちぇー・・・拇印してやろうと思ったのに」
「あっ隠してたな!」
「まさかー。今見つかったんだよ」
「全く、いい歳して呆れるんだけど」
「時には茶目っ気もないと」
「ほら、やっぱり隠してたんだ」
「揚げ足とらない!よし、確認して」
「んー・・・大丈夫かな・・・」
「今度は合格?」
「うん、大丈夫。合格」
「そう。じゃあ出ようか。お会計レジかな?」
「え、後48分あるよ?もう出るの?」
「ドライブしようよ、ドライブ」
「えー・・・」
「3000円ね、あっレシートいらないから」
「あっ半分だすよ」
「いいよ。90分デートのお詫び」
「・・・お詫びが1500円ね」
「あーあーやだねー、大人になると損失を金銭で計るようになる」
「そんなつもりはないんだけど」
「昔の学は光成ぃ、光成ぃってそれはそれは可愛いかったのに」
「いつの話?」
「先週の夜かな」
「うわっ最低」
「ほら、早く乗って」
「暑っ!」
「エンジンかけたからすぐ冷房きくよ。最初は窓開けて、それで我慢して」
「わかったよ。それで、どこ行くの?」
「うーん・・・僕等の新居はどう?」
「そんな時間ないよ?」
「今は恋人同士じゃなくて商売相手でしょ?多少時間が延びたぐらいかまわないって」
「ふははっ都合がいい関係だ」
「じゃあ行こうか、学」
「飛ばしてよね。あまり時間はないよ?」
「わかってるよ」
「でも安全運転で!光成運転危ないんだから!」
「・・・わがままだなぁ」




※無断転載、二次配布厳禁
この小説の著作権は高橋にあり、著作権放棄をしておりません。
キリリク作品のみ、キリリク獲得者様の持ち帰りを許可しております。
×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -