ビキニ

レンタカーを借りて大地の運転で3時間と少し。
付いた先は海ですよ、テンションマジ上がる。

「うおおぉぉ・・・!海だあああ!!!」
「人いっぱいだー」
「よし!着替えるぞ!早く遊ぶんだ!」

はしゃいで後部座席へ移動。
更衣室が混むことを想定してのレンタカーだ。
後部座席にサンシェードを張って着替える。
水着を入れていたビニールバックを開ければ大地の水着と女物の可愛いドット柄の水着が入っていた。
一応バックをひっくり返してみたが他に水着が見当たらない。

「みきちゃん何してるの?早く着替えなよ」

そう、俺は気付くべきだったのだ。
温泉さえ禁止している男が半裸で老若男女揃う海水浴場で俺を半裸で彷徨かせる気が端っからないことに・・・!
こっこの野郎・・・!
レンタカーまで借りたくせにっ行ってもいいとか言ったくせに密かに怒ってやがった・・・!

「お、俺水着忘れたみたいで」
「そんなはずないよ。俺がちゃんと入れたもん」
「お前っお前は俺にこんな物を着て海で遊べというのか!」
「それはそれで駄目だ・・・!」
「今気付いたのかよ!」

目の前には青い海が広がっているのに俺には水着がないなんて・・・!

「売ってないかな・・・」
「お洒落なみきちゃんが売店で売ってる水着を着るとは思えないんだけど・・・」
「う゛っ!」

確かにそうだ。
大量生産丸出しで売店で売ってました感があるダサイ水着なんか着ていられない。
みんなに冷ややかな目で見られている気がする。

「た、食べ物と飲みもの買ってさ、少し外れたとこで遊ぼ?人いないとこで、ね?」
「それでお前は俺にコレを着て遊べ言うのか」
「俺の前だけなら何も問題ないよ!」
「アホぬかせええぇ!!!」
「ギャアアアアアァァァ!!!」

ガッツポーズを決めた馬鹿を殴り倒した俺は何も悪くない。



そして俺はパーカーをぴっちりと閉め、下は女物の水着を着て胡座をかきながら溶けかけたかき氷をしゃくしゃく言わせていた。
ちゃんと上も着ている(やけくそだ)がどれだけクソ暑くてもパーカーを脱ぐ気にはならない。
遠くにいるサーファーを見ながらやさぐれている真っ最中だ。

「あー格好いいなー。あーゆー人は女装させる趣味とかないんだろーなー」
「ごめんなさい」
「あ、そもそもゲイじゃなさそーだよなー」
「み、みきちゃん焼きそば食べる?美味しいよー?」
「変質者と食事したくない」
「取り付く島もない!」

当たり前だ馬鹿野郎!
久々に海行けるとはしゃいでマジ楽しみにしてたのになんだこの屈辱!
外で女装なんて、水着なんて振り袖よりも恥ずかしいだろうが!
着物はボディラインが隠れてたしタクシー拾ったからまだ許せないでもな・・・いややっぱり許せないけどもこんな場所でビキニはマズすぎるだろうが!
スカートついてても変質者だろうが!
少しでも捲れようもんなら前の膨らみが見えて俺は絶対警察行きだ。
そもそも俺のボディラインは女とはかけ離れている・・・!
こんなでかい女がいてたまるか!

「パーカー・・・脱がないの?」
「オイ駄犬、口を開くな」
「すみませんでした・・・!」

かき氷を流し込んで海へ移動。
波打ち際で足だけをつける。
ハァ・・・遊びたかった・・・。
どうして俺は自分で荷物管理をしなかったんだ・・・。

「ご、ごめんね」
「俺に悪いと思ってるなら沖で犬神家やってこい」
「わかった!」
「うおおぉい!嘘っ嘘!冗談だ!警察来たら間違いなく俺もお前も捕まるだろうが!」

マジで犬神家をしようと海へ飛び込んだ馬鹿を海から引き上げる。
あ、危ねぇ・・・!

「もう怒ってないから、何もするな」
「ホント?!」
「根にはもつがな!」
「ごめんなさい!もうしません!」

濡れないように必死だったのにケツが濡れてしまった。
このピタピタ感が非常に不快だ。
いろんな物がはみ出しそうだ。
すでにケツが怪しい気がする。
世の女たちはこんな小さな布で何を隠しているんだ。
ピタピタ張り付く水着の後ろへ指を差し込んで下へずらす。
ついでにスカートも下へずらす。

「・・・誘ってる?」
「・・・頭おかしい?」
「だだだだってお尻が!」
「だから見えないように戻したんだろうが!」

鼻息荒くしてる馬鹿の顔面をひっぱたいてやる。
遠くの他人に見られる恥ずかしさより近くの阿呆に襲われる危険性を考えるべきだった!
なぜ俺は今日ジーンズで海に来たんだ!
せめてハーパンならそのまま海に入れたのに!

「みみみみきちゃちゃちゃん」
「おい落ち着け。鼻息が荒い。見間違いでなければ股間が盛り上がってるぞ」
「いやなんかまじもう今ので理性がぐらぐらみたいな」
「落ち着け、落ち着くんだ。ここは外だ。少し行けば人がいる」
「車!」
「レンタル!」
「我慢できない!」
「そこはしろ!」

いつの間にか大地を引っ張っていた手は逆に掴まれて俺が引っ張られていた。
しゃがみ込んで堪えてみるが抵抗薄い砂浜畜生!
大地は放置していたカバンやゴミを回収。
シートも手早く回収。
ほ、本気だ・・・!

「ちょっまっ待て待て!落ち着け!」
「・・・みきちゃんこそ落ち着きなよ。M字開脚してるけど・・・ここで襲いかかるよ?」
「うおぉぉ!っていうか後半!欲求丸出しじゃねぇか!」
「だって好きな子がM字開脚までして誘ってるのに応えない馬鹿はいないよ!」
「勘違いだ!」

砂浜をずるずる引きずられてコンクリートの上は半分抱えるようにして車まで運ばれていく。
大地は運転席にカバンを投げ込んで俺を後部座席に投げ込む。
エンジンかけてクーラーを入れれば蒸し暑い車内に冷たい空気が流れてきた。

「大地、マジ冗談キツいって」
「扱き合いだけ。ね?」
「ね?じゃねぇよ!」
「じゃあ最後まで!」
「もっと馬鹿アァァ!嫌だ嫌っぁん!」
「可愛いっ!」

俺の馬鹿アァァ!!!
パーカーのジップを下げられたらビキニ上がお目見え。
パッドが入っているらしい水着のせいで自分の胸が膨らんでいるような錯覚。

「おっぱいあるみたい」
「よく見ろ、何もないだろうが」
「乳首あった」
「そんな話じゃない!あぁ!ばっ扱き合いだけって、んっ」
「てっかいじゅみれーす」

大地の口が乳首を吸って、手は性急にちんこを扱く。
大地の脇腹に蹴りを入れてみるけど大してきいてはいない。
くそっ無駄にマッチョになりやがって・・・!
嫌いじゃないけどっどちらかと言えば今の体型のが好きだけどっ!
でも日に日に抵抗の術が無くなってきている・・・!
頭ン中でぐるぐる色んなことを考えていたらアナルに指が挿ってきた。

「ひっ!」
「ボディクリームしかないけど我慢してね?」
「やっあぁん!んっ、うっうぅっ!」

日焼け対策のボディクリームがケツにぐちゃぐちゃに入ってくる。
中で溶け出したクリームでケツはどろどろ、車の中には粘着質な音が響く。

「んっあぁ・・あっ、あぅっま、混ぜるなぁ!」
「だって俺限界何だもん」
「ふあぁぁ!あっあっだめ、ふっうぅん!」
「少し乱暴だけど許してね」
「ひぎっい゛いぃっ!んあっあぁぁん!あっあぁんっ」

焦ってるのか大地の手が些か乱暴だ。
掻き混ぜた方が早く拡がるのはわかるが前立腺とか入口とかもぐちゃぐちゃにやられるのは俺としてはキツい。
水着は後ろをずらされただけ、前はちんこに張り付いていて苦しい。

「やだっあっあっやあっやっ無理ぃ!やらあぁん!」
「うわわっ暴れないでっ」
「ふあぁっ、あぁ・・・!苦しかったんだよお!馬鹿!」
「ご、ごめっ」
「だいたいなんでそんな腫らしてんだ!馬鹿!」
「だって幹也のビキニだよ?!興奮するでしょ!」
「変態!この強姦魔!」
「ごっ、強姦魔・・・!」

強姦魔は堪えたらしい。
大地は俺の上でがっくりとうなだれている。
しっかり反省したようなので最後に平手を一発。

「い゛い゛っ!」
「これで許してやるから、早くすませろ」
「えっいいの?!」
「ココまでしといて今更だろ!ほら、もう挿れていいから」
「あぁっもう幹也大好き!」
「ん゛う゛ぅぅぅ・・・!!!」

この馬鹿っ手加減なしで突っ込みやがった・・・!
大地の唇で口が塞がってたからいいものの絶叫するとこだった。
狭い車内でガクガク揺さぶられて、車が揺れて酔いそう。

「あっあんっあっ激し、い゛ぃっ!あっあっもっもっとゆっくりぃん!」
「っう、無理かも」
「はひいぃ!あぁっあんっあっあっやあぁん!奥ああぁ!」

ぐちぐち結合部が音を立てる。
大地が顔を歪めながらピストンしているのを見るとキツいのは俺だけじゃないらしい。

「あぁん!あっあっイく、あっイくっ大地ぃ!」
「はっ、俺もっヤバいぃっ」
「あっあんっあっ奥、あっあうっひっんああぁ!」
「うぅっ・・・締めすぎっ!んぅっ」
「うあぁん!」

水着の中は俺の精液で大惨事、腹にも少し飛んでる。
大地は俺の中でイったらしく奥が熱い。
そう、中出し。

「何中出してんだアァ!!!」
「ごめんなさい!」

俺は迷わず大地の顔面を殴った。



下半身にタオルを巻いて座席で体育座り。
中出しされたしボディクリームでぐちゃぐちゃだったのでとりあえず海水浴場のシャワーで身体を綺麗にしたのだ。
そしてシャワーを浴びるために俺のパンツとジーンズが犠牲になった。
元々穿いていたパンツは精液まみれ、新しいパンツとジーンズは中を洗った直後に着たために濡れてしまった。
最早俺には着る物がない。

「また行こうね!」
「二度と行くかボケェ!!!」
「う゛っ!ちょっみきちゃっう゛ぶっ運転中だからっ!」

大地の腫れた顔面を俺は容赦なく殴った。
もう二度と海水浴には行かない!



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