2本の腕

寂しい夜は自分で自分を抱いて。
いつも顔が塗りつぶされた誰かを想像して、王子様を待っていた。



パソコンに向かって写真を選ぶ僕だけの王子様。
ココアが好きな彼のためにおいしいココアの入れ方を研究中だ。
今はまだインスタントココアのがおいしい。

「いい写真は撮れてた?」
「あまり納得がいってないんだ」
「依頼はなんなの?」
「雑踏」
「意味わかんない」

僕は王子様にココアを差し出す。

「少し休んだら?」
「そうする。ありがとう」

眼鏡を外してココアを受け取る王子様。

「僕には何が駄目かすらわかんないなあ」
「足元をメインに撮りたいんだけど難しくて」
「今日も撮りに行く?」
「天気がイメージじゃない」

不機嫌そうな王子様。
思い通りの写真が撮れないときはいつもそう。

「僕もがんばらなきゃ」
「ん?何かするの?」
「大変そうな王子様が喜ぶおいしいココアを入れてあげるの」
「それは最高だね、仕事頑張れるかも」

流れるように、息をするようにキスをする王子様。
甘い甘いそんな毎日なんて誰が想像しただろう。



「はあっあん!そこ、そこがいいよおっ」
「シンデレラのペニス、ぐちゃぐちゃ」
「はひぃぃぃ!だめ、だめっ出ちゃうっ出るぅっ!ペニスぐちゃぐちゃしちゃやらあっあああん!!!」

前立腺めがけてグラインドされて、ペニスも扱かれる。
そうされてたまらず精を吐き出した。

「はあっはあっ!」
「動くよ、僕まだイッてないから」
「ひっあああっまって、まってえええ・・・!」

射精したばかりでまだ敏感な身体を揺すられてはたまらない。
乳首をグリグリと潰されて甘い刺激にまたペニスが勃起する。

「んんっ!!!はっあっアアっ!またあっまた出ちゃうっ」
「ペニス触ってないのに?」
「触って、ないのにいいっまた出ちゃうのお!お尻きもちぃぃのお!」
「シンデレラはお尻好きなの?」

僕は首が千切れそうなほど頷いた。

「お尻しゅきぃぃぃ!おーじしゃまの、ペニスでっはああん!じゅぽじゅぽされるのがいいのお!!もっとじゅぽじゅぽしてえっ」
「欲張りさんっ!」

王子様はいっそう激しく腰を打ち付ける。
ぐちゅぐちゅ音をたてる結合部分は泡立っていて卑猥だ。

「あひいっイイっイイよお・・・!はっあああっ出してイイ?も、でるうううぅぅ!」
「いいよっ僕も出ちゃうっ!」
「はあっあ!らしてぇ、ぼくの中に、なかにらしてぇっ!」
「・・・っ!」
「んっあああ・・・!」

僕らは同時に果てた。
王子様はぐるりと僕を回転させて自分の上に乗せる。

「うあっ・・・まだ挿ってるからっ」
「ごめんごめん、中気持ちよくって」

僕が出した精液はお互いの腹の間でぬるぬるしていた。

「お風呂入らなきゃ、かぴかぴなるよ」
「もう少しだけ、駄目?」
「っ・・・もう少しだけだよ」

重なってくっついていたらギュッと抱きしめられる。
僕が切望した腕。
僕は王子様の胸板に顔を埋めて目を閉じる。

「ずっと待ってたんだ」
「うん?」
「こうして誰かの腕に抱かれるの」
「そっかそっか」
「その待ち焦がれた王子様がまさかノンケで、僕をずっと見ていたなんて思いもしなかったけど」
「最初に誘ったのは君だよ」
「男に免疫ついて遠慮なくなったよね」
「それは君が煽るから」

キスの雨が降ってきた。
リップ音をさせて離れてはまたくっついて、くすぐったい。

「ふふっ、僕幸せ」

鎖骨に噛みついてキスマークを残した。

「僕だけの王子様でいてね?」
「っ・・・約束するよ」
「ひぅっ!あっぁ、ばかばか!大きくなるなあ!」
「そーゆーのが煽るっていうんだよっ」

僕の中でひとまわり大きくなったペニス。
ああ・・・明日起き上がれないかも。

「ねぇ、もう一回していい?」
「・・・明日ちゃんと面倒見てくれる?」
「喜んで」
「いっぱい抱きしめて、それから僕を愛して」
「仰せのままに、シンデレラ」

深い深いキスは始まりの合図。




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