キャンペーンガール#

Thanks 616161hit! TO.アキsan



「どうだった?」
「俺はイマイチ。小説のが世界観がいい」
「まぁ確かに物足りないよね」
「俺は小説も好みではなかったからなぁ。でもイメージと全然違う」
「詰め込み過ぎた感はあるよね」
「なんでジョニデをキャスティングしたんだろ。あんなキャラだった?」
「小説はもっと軽くて熱い感じなキャラだったような気がする」

一応映画研究会なんてのに属してるからこうやって定期的に映画を見る。
今回は小説が映画になったやつがテーマ。
みきちゃんの知識を借りてショコラを見てみた。
まぁ感想は人それぞれなんだろうけど俺等は全員一致の物足りない。
うーん・・・普段あまり見ないジャンルだし仕方ないのかな。

「お腹減ったし、ご飯食べにいかない?」
「賛成ー。暑いしアイス食べたい」
「律、アイスは飯じゃない」
「俺かき氷食べたい!」
「かき氷いいね!」
「・・・お前等飯はどうした」

みきちゃんに突っ込まれた。
かき氷はやっぱイチゴミルクが一番美味しいよね!
それぞれ鞄や財布を手に俺等のマンションを出る。
目的の場所は近くのファミレス。

「なんか4人で出掛けるの久しぶりじゃない?」
「そうか?」
「なんとなくで安倍ちゃんとセリーの家に行くけど出掛けたりはしてなくない?」
「確かにそうだな」

そう言えばそうかも。
休み合わせてなんだかんだ飲みはしてるけどね。

「俺は律の家に行ってみたい」
「わかる!弟くんりっちゃんに似てるの?」
「絶対来るな」
「弟くんのがイケメンだよ!」
「時生、黙らないと痛い目見せるぞ」

時生が大人しくなった。
りっちゃんは弟くんと仲良いのに見せてくれないしな。
なかなかイケメンで、りっちゃんに似てて、りっちゃんより身長が高い高校生らしい。
弟とかいたらめっちゃ可愛いがってあげたのになぁ!
俺もみきちゃんも1人っ子だもんな。
りっちゃんの弟くんの話で盛り上がっているうちに目的のファミレスへ。
優柔不断が多いからメニュー広げたまま真剣に悩む。

「肉食べたい」
「ハンバーグにするかチキンにするか」
「パスタ食べたいけどパスタじゃ足りないしな・・・」
「日替わりランチ・・・でも週替わり定食も捨てがたい」

みきちゃんは日替わりか週替わりか。
俺パスタ食べたいけど肉食べたくなってきた。

「俺ミックスグリルで。ハンバーグもチキンも捨てられない」
「俺リブ!りっちゃん、ハンバーグ少しちょうだい!」
「俺週替わり定食にする!あんかけうまそう!」
「あっみんな早い!俺は、俺は、う゛ぅぅ・・・チキン南蛮定食にする!」
「パスタから随分変わったな!」
「肉食べたくなった」
「俺も日替わりランチにする。肉食べたい、あんかけは夕飯にする」

ようやく決まったところでベルを鳴らす。
りっちゃんがみんなの分注文して、水をみんなに回してくれた。

「ドリバー注文しなかったけどいいだろ?」
「いいよ。どうせデザート食べにカフェに移動だろ?」
「かき氷あるかな!」
「カフェ行くならチーズケーキ食べたいかも」

カフェじゃご飯足りないからいつもファミレスで食べてからカフェに行く。
足りるならいいんだけどね、ホント。
まだまだ食べ盛りですから。

「カフェ行った後どうする?」
「新作見とくか。多分先輩達は見てくるだろうし」
「楽しい映画見たい」
「恋愛ものとかフランス映画っぽいのはナシな。ショコラ的なのは見たくない」
「本よかったしジョニデだしで期待し過ぎたかもな」
「あぁ、天使と悪魔以来のスカし具合だった」

みきちゃんとりっちゃんのやるせない感じが半端ない。
2人とも本好きだし映画も好きだもんなぁ。
時生はジョニデ好きなだけに残念そう。
俺はSFが好きだからショコラ自体が得意なジャンルではないんだけども。

「まぁまぁ、感想は今度サークルで話そ?」
「そうだな。グチグチ言ってたら飯も不味くなるしな」
「早く来ないかなー!」
「来ないかなー!」
「「ガキか」」

静かにしろとみきちゃんに怒られた。
だってお腹空いたんだもん。

「お待たせいたしましたー」
「「待ちました!」」
「えっあ、あぁ、あのこちらが・・・」
「「お姉さんを困らせるな」」

みきちゃんとりっちゃんにまた怒られた。
お姉さんが困りながらも料理を並べてくれる。

「いただきまーす!」
「ほら、時生。ハンバーグ」
「ありがとう!りっちゃんにもリブあげるね」
「みきちゃんもチキン南蛮食べる?」
「うん。じゃあ俺の照り焼きやるよ」
「ありがとー。タルタル多めにしてあげるね!」

あ、みきちゃんちょっと嬉しそう。
夕飯もおかずたくさんあると喜ぶもんな。

「つか何見るよ?」
「新しいの何がでた?」
「パイカリ、パラキス、もしドラ・・・あぁ、SUPER8が昨日から、アンダルシアが今日からだな」
「安倍は歩く映画雑誌だな」
「SUPER8見たい!スピルバーグの新作でしょ?」

SF最高!
スピルバーグは昔から好きだけどホントハズレは少ないしドキドキするし音の使い方がたまらないから映画館で見るに限るんだよね!

「俺もSUPER8がいい!パイカリは見た!」
「見たのか?どうだった?」
「見てのお楽しみ!ホンット興奮する!興行成績60億は伊達じゃないよ」
「でも時生はジョニデ贔屓だからなぁ」
「えー!絶対いいって!」

時生がパイカリの良さを熱弁している。
みきちゃんが茶化しているがみきちゃんも結構なジョニデ贔屓だ。
だっていつもパイカリのCMガン見してるもの!
本読んでいてもご飯食べていても見てるもの!
俺は何してもジョニデにはなれないのに!
ジョニデめ!

「・・・セリー、チキン南蛮マズいの?噛み締めすぎじゃない?」
「いや、チキン南蛮は美味しいんだ」
「ほっとけ。どうせジョニデに嫉妬してるんだ」
「整形する!」
「中身がお前のジョニデなんか嫌だ」

あり得ないぐらい凹んだ。
ものすごく凹んだ。

「この間はとっても素直で可愛いくてっ!俺のこと愛してる言ってたのに・・・!」
「あの後俺がどうなったか覚えているか」
「今度から加減します!」

誕生日を根に持っているらしい。
3回じゃ済まなかったもんな・・・みきちゃん意識飛んだもんな・・・。
いや、ホントね、俺を誘うのがうまくてね、理性とか何それレベルだったんだ。
思い出しただけで勃起する。
だめだ、食欲で性欲を満たすんだ。

「セリー、顔が・・・」
「時生、突っ込むな」
「ホント気持ち悪い奴だな」

すみません、気持ち悪くて。
みきちゃんが好きすぎてたまらないんです。
ご飯を食べながら映画の上映時間調べたりカフェを調べたりする。
少し行儀は悪いけどね。

「あー・・・腹一杯」
「うん、肉うまかった」
「俺肉久しぶりに食べたかも」
「・・・時生どんな生活してんの?」
「スーパーでキャベツが安かったからお好み焼きとか野菜炒めキャベツのみとかキャベツにタレかけたりしてる!」
「よし、今度簡単な料理を教えてやろう」
「うん、習いに来なよ」

時生いつか栄養失調とかになりそうだな。
りっちゃんも少しぐらい覚えたらいいのに。
俺等は料理好きだもんな。
大学入る前にお互いに親に習ったし親だけで旅行行くことも多かったしな。

「さて、とりあえず映画見に行こうぜ。上映時間もあるしさ」
「じゃあカフェはその後?」
「そうだな。ほら行くぞ」

みきちゃんが伝票を手に席を立った。
レジで会計済ませてレシートを受け取る。
レシート回して自分の分をみきちゃんへ。
きっちり割り勘してから映画館へ向かう。

「こちらサンプルです。よかったらどうぞー」

目の前に差し出されたのは制汗シートのサンプル。
お腹を出した水色と白のぴったりとしたエナメルスーツ(衣装?)のお姉さんが配っている。

「さすがに休みだとキャンギャル多いな」
「ホントだね」
「時生貰いすぎってか押し付けられすぎ」

あ、オレンジの衣装の子もいるのか。
でもみきちゃんなら白と水色かな。
あっ緑の衣装の奴も可愛いかも。
タイトなミニスカートに白ブーツとかマジ夢だよね。
お腹見えてるとかたまらないよね。
みきちゃんのお腹みきちゃんの太股みきちゃんの腕・・・。

「あの、この服どこで売っぶふぅん゛!」
「すみません、気にしないでください」

みきちゃんの手が首に飛んできました。



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