俺の思考回路

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高等部、しかも受験生を受け持つというのは現役合格を軸とするウチの塾の花形だった。
まぁ学校の先生とかと同じ。
塾は学校とは違って学年があがるほど生徒は多いし授業数も多くなる。
俺は国語、しかも現代文だから花形ではないんだけど。
それでもただただ嬉しかったのだ。

「あゆちゃーん、わかんないとこいっぱいなんだけど」
「立花くんまた予習して来なかっただろ。そしてあゆちゃんじゃない、鮎川先生」
「カタいこと言わないでー。あゆちゃんと俺の仲じゃなぁい」

こうやって生徒に頼られるのも悪くない。
むしろ好きだ。
立花くんは予習をしてこないって問題はあるけど授業は真面目に聞くし模試の成績はあがったしわからないとちゃんと聞きに来てくれるし。
贔屓はいけないけどもまぁお気に入りの生徒だ。

「全く。でも今日は駄目。次の授業の日に教えてあげるから」
「えー・・・。もしかしてあゆちゃんデート?」
「ははっそうかもなー」

もちろんそんなんじゃない。
TSUTAYAのDVDを返しに行かないと延滞料金がかかるだけだ。
ついでに明日休みだから新しくDVDも借りたい。
それと立花くんも明日、少しは勉強してくるんじゃないかなっていう期待を込めて。
教えるだけなら簡単だが自習できないと後々困るのは立花くんだ。
不満そうな立花くんの肩を叩いてから教室を出た。

***

TSUTAYAで借りたDVDを見ていたらいつの間にか寝てしまったらしい。
ベッドに横たわって電気もDVDも付けたまま寝ていた。
部屋には来客を告げるチャイム音が鳴り響いている。
誰か知り合いでも来たのかとろくに確かめもせずドアを開ける。

「あー・・・誰だ?うるさ」
「おはよ、あゆちゃん」
「うわっ立花くん!」
「お邪魔しまあす」
「ちょ、ちょっダメだって!生徒と講師の私的交遊は塾で禁止されてるからっ」

まずいまずい!
誰かに見られたりバレたりしたらいけない!

「かっ帰るんだ!」
「ねぇ、あゆちゃん」
「な、何?」
「俺あゆちゃんと仲良いって、あゆちゃんの家に遊びに行く仲だって塾に言ってもいいよ?」
「そんなんじゃないだろう!」
「ココに来たってだけで十分でしょ?」

そう言って立花くんはニヤリと笑った。
確かに家を教えることも禁止なのだから十分と言えば十分なわけで。
それに俺は嘘が下手だから何か突っ込まれて上手く答えられる自信がない。

「大丈夫。心配しないで、あゆちゃん。俺と少し勉強してくれたら黙っててあげる」
「・・・約束だからな」

仕方ないと溜め息をついて立花くんを部屋へあげる。
あぁ、部屋だって汚いし自分は着替えてもいないし寝癖もヤバい。

「あゆちゃんの部屋って意外に汚れてんね。服脱ぎっぱじゃん」
「悪いな。まだ掃除してなくて。寝起きなんだ」
「髪ボサボサだもんね」
「着替えるから、少し待っててくれ。あぁ、何か飲み物・・・」

冷蔵庫の中からお茶を取り出してグラスに注ぐ。
昨日甘いものが食べたくてなんとなく買ったポッキーと一緒に立花くんへ渡した。

「何もないから、こんなんだけど。後で何か買ってくるから」
「うん。ありがとう」

脱ぎっぱなしの服を抱えて洗濯籠へ放り込む。
寝間着も脱いで適当に服を手に取る。
勉強を教えるにも頭があまり働いていない気がするな・・・。
とりあえず着替えたらコンビニに行こう。

「あーゆちゃん」
「ん?」
「あゆちゃんの背中綺麗だね」
「ふひっ!」

背中を指でなぞられてゾクッとした。
全身に鳥肌。

「うわぁもう気持ち悪いな!ゾクゾクした!」
「んはは。ホントだ。鳥肌立ってる」
「うわわっちょ、くすぐったい!」
「ついでに乳首も立ってる」
「っ!ちょ、ん、触るなって!」

男の乳首なんか触って何が面白いんだ!
今時の高校生はこうやって大人をからかうのか?

「たっ立花く、んっ!離れ、んんっ」
「あは、気持ちいいの?男なのに、小さい乳首ぐりぐりされて気持ちいい?」
「そんなんじゃな、っあ!」
「ははっ感じてるじゃん」

自分の口から飛び出た気持ち悪い声。
口を塞いで唇を噛み締める。
最悪っ最悪だ!
生徒の前でなんて醜態を!
立花くんのては未だに俺の乳首を抓ったり転がしたりしていて、よくわからない気分になる。
乳首なんて性感帯でもなんでもないのに一気に敏感になった感覚。
あ、あ・・・マズい。
最近ヌいてなかったから、だから、勃ってしまう。

「や、やめっやめろっ!」
「おぉ、危ない」

思いっ切り腕を振り上げて立花くんを引き剥がす。
勃ってしまったペニスを隠すためにぎゅっと股間を押さえてその場にしゃがみこむ。

「もしかして、勃ったの?」
「・・・し、しばらくしたら、おさまるから」

あぁ、情けない。
早く静まれ。

「あゆちゃん、ヌいてあげようか?」
「ばっ!な、何言って、あっやめっやめて」
「恥ずかしがらなくても。扱き合いぐらいみんなしてるって」
「あ、ふぁっあぁぁ・・・」

抵抗虚しく、俺の下着の中に立花くんの手が入ってくる。
久しぶりの他人の手。
あぁ、ヤバいヤバい、声が出てしまう。

「ん、んっや、やめっ」
「どろどろなってきたね。あゆちゃん気持ちいいでしょ?」
「いやっやだ、あっんっんんっ」
「あ、カリ好きなんだ?」
「ふあぁぁっあんっあっふ、うぅぅ!」

くるくると捻るように回されて腰が浮く。
立花くんの腕を避けようと伸ばした手はただ重ねているだけだ。
腰がゆらゆらと揺れてしまう。

「あ、あ、だめ、気持ち、いいよぉ」
「あはは、あゆちゃん可愛い」
「ひっ!嫌っソコ汚いからっうあぁ」
「こっち弄られるのは初めて?」

ぐいぐいと中をかき分けるようにして立花くんの指がお尻に挿ってくる。
汚いのに、嫌なのに、それでも腰が揺れるしペニスは勃起したままだ。

「やだぁ、嫌、やぁぁ」
「嫌じゃないでしょ?気持ちいいでしょ?」
「あっあっうひぃぃ!」

より深くに指が挿りこむ。
少し腰を浮かせて、身体は固まってしまったように動かない。
ペニスは先走りをこぼしたまま萎えもしない。
気が付けばお尻に挿る指も3本になっていて、ぎゅちぎゅちと卑猥な音を立てながら拡がっている。
今までに味わったことがない気持ちよさは怖いほどで、自分の身体がおかしくなりそうで。
そして頭も身体も焼けるように熱かった。
ずるりと立花くんの指が抜けて、閉まらない穴に空気が当たる。

「あゆちゃん、少し痛いかもだけど我慢してね?」
「う、うん?」

俺の穴に熱いのが当たって、それからゆっくり挿ってきた。
とっさに後ろに回した手でそれが立花くんのペニスだと知った。

「っあ、あ゛あ・・・!くるし、苦しいっ!」
「うぅっ、あゆちゃんっ少し力抜いてっ」
「は、あうぅ・・・う、ふうぅぅ」
「・・・っは、ようやく全部挿った」

立花くんは俺の背中に寄りかかり息を吐く。
その息が熱くて、立花くんも同じなんだと思った。

「あゆちゃん、動くよ?」
「っあ、待っんああっあんっあぅっあっ」
「う゛、キツっ」

お尻の中をゴリゴリと擦られて、頭がさらに熱くなる。
内臓が外に出てしまいそうで、怖い。
でもその怖さと同じぐらい気持ちがよかった。

「あっあっやだ、変なるぅっあっああんっ」
「あ、あゆちゃんの中ヤバいっ」
「ふあっあっおっきくしちゃ嫌だぁっ!」
「んっそーゆーこと、言うなしっ」

ずるずる抜けて、またずぶずぶ挿ってくる。
そのスピードが更に速くなって、もう何も考えられないし言葉も出てこない。

「あっあっあぁっあっうぁっうああ」
「っは、やべ。イきそ」
「あっああっ!あ゛っうあっああん!あっ」
「っん、うぅっ」
「あうぅん!あっや、あつっあっあつぃぃっひいぃぃ!」

おそらく立花くんが俺の中に射精した。
立花くんはまだイけてない俺のペニスを扱きあげる。
俺は呆気なく射精して、そのまま床に沈んだ。

「あゆちゃんの濃いね」

肩越しに立花くんの声がした。
それからお尻から立花くんのペニスが抜けていく。

「・・・塾には言わないで」
「言わないって言うか、なんつーか、俺、冗談で男は抱けないんだけど・・・わかる?」
「・・・う、ん?」

唖然とした顔で俺を見つめる立花くんは今まで見た中で一番間抜けな顔をしていた。
俺は何か間違っただろうか。




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