Oh!MyLord

セフレ、ヤリ目、結構な話じゃん。
無駄なこと一切なしに性処理。
男同士うるせーことナシにした方がいいじゃねーの。
金もらえればなおよし。
俺のケツは1発3万。
安いもんでしょ?

「毎回毎回ありがとねー」
「お前安いからな」
「安い割にはイイって褒められるんだけど不満なわけ?」
「ぜーんぜん。名器だと思ってますよー」

手に入った3万を財布に入れる。
財布がすっげー暖かくなった。

「飲み行かない?俺のおごり」
「遠慮しまーす」
「そ。シャワーは?」
「あびてくわー」

コイツはいい。
何も言わない、何も聞かない。
勝手にシャワー浴びて勝手に帰る。
それでいい。
そして外に出ればホント空気読めないムカつく男。

「あっ鷹」
「・・・テメー、ココ誰の家だと思ってんだ」
「知らない。3万くれる人の家でしょ」
「そーだよ。他人、わかる?どけ」

毎回毎回コソコソ後付けてきやがって。
終わるまでドアの前にいたら相手の迷惑だろうが。
あーホント最悪。

「鷹、ご飯食べに行かない?」
「いかなーい」
「じゃぁ鷹の家で食べよう」
「ハァ?金ない奴が俺と飯食えると思うなよ」
「俺は鷹の幼馴染でしょ」

その言葉にカチンときて顔面殴ってやる。

「一度寝た奴が幼馴染?ふざけんな」
「痛いよ、痛いって鷹」
「テメーも俺のケツ3万で買っただろうが」

高校の時に初めて身体を売った。
しらねーおっさんが2万くれるつったから。
そんな悪い条件でもなかったし初めてだったけど男は慣れてないとヨくねーって聞いたから初めてなんか早く捨ててしまいたかった。
当時馬鹿だった俺は今目の前にいる倫太郎が大好きだったのだ。
何度か身体売って、しらねー男がいいケツしてる言ったからやっと準備ができたと思った。
それで倫太郎にヤらねーかって、冗談めいていったら意外にもソッコーのOK。
俺は馬鹿みたいに喜んで、好きだって言えるわけもなくて。
だから俺はソレを一生の思い出にしようと思ってたのに、アイツは俺の財布に3万ねじ込んでた。
上機嫌で部屋を出て、コンビニに寄ってミネラルウォーター買った時に気付いた。
あー結局そんなもんかって思ってそれから自分のケツ3万で売ってる。
だから面倒なのだ。
性処理だけでいい。
愛があるセックスなんかくそくらえ。
やってることなんかかわんねーよ。
元幼馴染の倫太郎を放置して逃げるように早足に。

「待ってよ、待って」
「死ね、二度と面見せんな」

そう言ってその場を去った。
もうケータイの番号だって知らない幼馴染に今さら未練はない。
今になっては3万で抱いてくれる男なんか腐るほどいる。
興味本位の奴もガチの奴も大歓迎。
セックスに酔いたいならスペインの薬がオススメ。
結構クるんだよね。
それだけで十分だからもうなんだっていい。

次の日目が覚めたら頭の上に倫太郎がいた。

「テメーどうやって入った」
「合鍵作っちゃった」
「お前ホント死ねよ」

邪魔な顔を退けて冷蔵庫へ。
ミネラルウォーターがぶ飲みして玄関のドアを開ける。

「出て行け」
「ねぇ、鷹」
「ンだよ」
「4万出すから俺にケツ売ってよ」
「・・・1発4万、ゴムなしならプラス1万だ」

結局そーゆーことでしかないんだから俺になんか近寄ってほしくない。
ムカつく、マジで。
先払いだと手を出せば5万乗せて来た。
ナマってことねー。
中出しされたらプラスでまたふんだくってやろう。

「脱げよ」
「ソレ、貯めといて」
「ハァ?」
「ねぇ、鷹の腕はいくら?」
「売ってねぇよ」

何言い出すのかと思えば何だコイツ。

「目は?口は?足は?鷹はいくらなの?」
「人身売買がしたいなら違う国に行け。俺は売春しかしてない」

差し出された5万もそのまま突き返す。
その場を動かない倫太郎のシャツを掴んで玄関まで引きずる。
今まで俺に付きまとって今度は人身売買かよ。
あーあーあー俺も落ちるとこまで落ちたな。

「鷹は高そうだね」
「うぜぇ」
「だって俺3万で買ったのに他の奴にあっさり同じ金額出されちゃった」
「3万なんか相場よりいくら安いと思ってんだ」
「今度は5万出したのにそれでも鷹のケツだって買えない」
「あーそうだな」
「俺フリーターだからお金ないんだ」
「だからなんだよ」
「鷹は俺がいくら出したら手に入るの?」
「はいらねーよ、一生」

もう聞きたくない。
俺の中で倫太郎はとっくの昔にいなくなっているんだ。

「ねぇ、鷹」
「あーあーあーうるせぇ。いっそ俺を保険金受取人にして死んでくれねぇ?そしたら俺金持ち」
「それいい考えだね。いくら?いくらかければいい?」
「1億」
「1億か。そっか。1億あれば鷹は俺のものになる?」

黙って引きずられているだけだった倫太郎に腕を掴まれる。
びっくりするほど真剣な目をしていて、むしろ俺が不安になった。

「俺、自分の命に1億かけるよ。そしたら死ぬ」
「で、ソレ俺にくれんの?」
「うん、あげる。全部鷹にあげる。だから鷹は俺のだよ」
「あーはいはい。1億手に入ったらな」

その言葉に倫太郎が笑って、その顔が気持ち悪かったから外に放り出してやった。
ドア越しに絶対だよって叫んだ倫太郎には答えなかった。



それから3週間後、保険会社から電話が来た。




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