信用度20%の恋人

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また、まただ。
ヨシヒロの香水はラルフローレン、マリンテイスト。
でも今はトミー、大っ嫌いなフレッシュウッディー。
よくもまぁ毎回毎回トミーを見つけられるものだ。

「いい加減にして!なんでわかるようにして帰ってくるわけ?シャワー浴びてくればいいじゃん!」
「なんで?どうせシュウジとスるんだしよくない?」
「絶対嫌、臭い」

雑貨のセレクトショップで働く僕は香水には詳しい。
だって担当だから。
でもやっぱ嫌いな香水ってあるわけで。
一番好きなのはジャガー、その次がラルフ、一番嫌いなのがトミー。
よくもまぁこんな浮気しかしない男と仲が続いてるもんだっていつも思う。
他の男と遊んで、身体にはトミーを染み込ませて、そのまま帰ってくるなんて。

「いいじゃん、セックス好きでしょ?」
「は、ふざけないで」
「いつもしがみ付いて離さないのはシュウジだよ」
「や、ああぁっ」
「ほら、腰押しつけてる」

後ろにはヨシヒロの身体、前にはヨシヒロの手。
逃げようとしたら身体に当たっただけ。
くさい、いや、くさい、トミーは嫌い。
ベルトを外されてずるずる下に落ちるズボン、下着から取り出されたペニス。
的確にいいところばかり責めてくる、でも流されたらまたうやむやになる。
耳に舌を差し込んでくるヨシヒロの身体を押さえて、突き返す。

「んんっ」
「痛っ」

耳から舌が抜けて、ついでに僕の腰も抜ける。
初めてヨシヒロを殴った。

「もう嫌、付き合いきれない」
「ハァ?ペニス勃起させて何言ってんの?」
「誰だか知らないけど、そのトミーのところに行けば?」
「何?面白くない冗談?」
「本気で言ってんの。もう終わり、付き合いきれない、別れて、さようなら」

思いつく限りの暴言を吐いてやろうと思ったのに土壇場になるといまいち思いつかない。
とりあえず這ってでもこの男の前から逃げてやろうと身体を浮かせる。

「うわっ」

力を入れた足を引っ張られてそのまま尻もち。
目の前にはヨシヒロの顔。

「その冗談に笑えばよかった?」
「ふざけんな!んんっ」
「でもペニス勃起させてんのは笑える」
「や、いやっんんっ」

ペニスを扱かれて、また耳に舌が入ってくる。
ぬるりとした感触、舌が離れた後の冷たさ。

「耳、弱いよね。でも好きでしょ?」
「ああぁっいや、いやっやああぁ・・・」
「感じてるくせに、何が嫌?」
「ふあぁっあっも、いい加減に、んっ」
「はは、ペニスもぐちょぐちょ」

少し乱暴に、それでいて正確に。
ヨシヒロの手がアナルに伸びて、ゆっくりと指が入ってくる。
中で指が動いて、アナルを拡げるようにかき混ぜて。
流されるな、流されるな自分。

「いやだってば、いや、離れて、別れて」
「嫌?離れて?別れて?あはは」

目の前で声だけ笑うヨシヒロ、顔は酷く歪んでいる。

「こんなに俺とのセックスに依存してるくせに」
「ンアアアァァ!!!」

慣らしきれてないアナルにヨシヒロのペニス。
痛い、苦しい、汚い。
どっかのトミーの中に挿ってたペニスなんか嫌。
そんなの僕がオマケみたいじゃない。
ヨシヒロにしがみ付くなんて嫌で、自由が利かない身体を壁に預けて耐える。
ぐちゃぐちゃと響く少し粘着質な音、繋がってる証拠。
身体はギクシャクと、なんとなくで動いてる。

「は、あぁっいや、いやだ、あああ!」
「嘘ばっかり。自分のペニス見てみろって」

無理矢理下を向かされて、そのから見えるのは自分のだらしない下半身。
先走りを飛ばしてるペニス、ヨシヒロのペニスを咥えてるアナル。
鼻につく匂いはトミー。
最悪。

「こんなに俺とのセックスに溺れてるくせに、別れて?」
「は、あっあぁっはぁ、いや、やめ、あっ」
「駄目だよ、別れてなんかあげない」
「ふざけ、な、ンアァ!」
「ふざけてないよ、なーんにも」

顎を掴まれて今度は無理矢理真正面を向かされる。
やっぱり笑ってるヨシヒロ、ムカつくムカつく。

「こんなにするまでどれだけかかったと思ってるの?」
「いや、ああぁっぬけ、嫌だぁ」
「シュウジはずーっと俺のセックスに溺れてればいいの」
「ふあっあっああん」

すぶずぶと奥に入って、ずるずる抜けていく。
ソレを繰り返して、忘れたころに奥を叩いてくる。

「トミーの男と浮気してればシュウジは俺を気にするでしょ?」
「んあっあっや、浮気、いやだっ」
「じゃぁもう浮気しない。シュウジは俺と別れるとかまだ言う?」
「いわな、あっいわない、んあっああぁ」
「俺のこと好き?」
「うん、うんっ、ヨシヒロが好き、ああ!」
「俺もちゃーんとシュウジが好きだよ」

あぁ、流された。
浮気しないって何度聞いただろう。
でもその顔は初めて見た。
安心するのは僕の方なんじゃないの?

「あ、イく、出るっんっんんっは、ふああぁぁっ」
「ンッ・・・シュウジ、こっち向いて」
「へぁ、あっ」

顔射、目の前が真っ白。
僕の顔に射精してるヨシヒロのペニスにキスをして、先っぽだけ舐める。

「浮気しないから、別れるって言わないでね」
「浮気しなかったらね」

信用度は20%、残りの80%は愛でカバー。
そのためにはまずやることがあるよね。

「お風呂入ってきて、トミー臭い」
「はいはい」




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