20:真実の扉とその先の箱

夜、寝る前になって気付いた。
・・・ケツが痛いって痔でないならなんなんだ?
待て待て、ホラ、きっと腹の調子が悪いんだ。そうに違いない。ミツルは嘘をつけるような性格をしていないはずだから西がヤったっつーのも嘘なわけで。心当たりっつったらナルシスト野郎だけどナルシスト野郎は無理矢理とかそーゆーのしなそうじゃん。え、まさかそーゆーのしちゃうタイプの人間だった?

「ミツル」

向かい側のベットに問いかけてみるが返事がない。のそのそ起き上がってミツルに近寄れば熟睡中。
両手を顔の前で合わせて合掌。いただきます。いや、ヤんないけど気分的な問題っていうかテンションとしては寝起きドッキリみたいなテンションなんだ。変態くさいとは思うが熟睡中のミツルのスウェットに手をかける。大丈夫だ、落ち着け俺。徐々に慣らしてやっていたのは俺のを突っ込むためであって誰かに突っ込まれるためじゃない。そしてミツルは俺以外と・・・プラスですげぇ不本意だけどあのナルシスト野郎を除いてそんなことはしていないはずだ。いくら友達って言ったからって町田はンなコトしないし。大丈夫大丈夫。落ち着け俺!!!
意を決してスウェットを下着ごと下げる。・・・しまった、暗くてわかんねぇ。スイッチを入れて電気をつける。

「うぅ・・」

びっくりしてミツルを見るが起きてはいない。寝ているくせにまぶしかったのかうつ伏せに寝返りを打っただけだ。
でもこれで確認はしやすくなった。そーっと尻に手を伸ばして、ゆっくり御開帳。
真っ赤に擦れたアナルを見て俺の意識がブツンと途切れた気がした。

「おまっお前イッセイとヤったのかああ!!!」
「うおっわっぎゃー!!!」

ミツルはびっくりして目が覚めて、それから自分の状況にびっくりして叫んだ。お、俺は頭がパンクしてしまいそうだ!まさかまさか自分が先を越される日が来るなんて思ってもみなかった!
ミツルは俺を蹴り飛ばしてとりあえずスウェットと下着を引き上げる。

「なっなっ何してんだよ!」
「まさか、そんな、いや、きっとミルツは腹を下してケツ拭き過ぎただけで・・・」
「何失礼なこと言ってんだよ!」
「じゃ、じゃぁ、おま、お前っイッセイとヤったのか?!」
「イッイッセイが言ったの?!」

あ、あ・・・ガチっぽい?ミツルの顔真っ赤だし、あ、嘘、マジ、ホント?

「・・・あの野郎!」
「ちょ、ちょっとヨシキ!何なの?」
「・・・お前イッセイ好きなの?」
「うん?イッセイいい人だし、かっこいいし、サッカー上手いし」
「俺は?」
「ヨシキはよく変なコトするし、変態だし、変態だし」
「変態2度目だぞ」
「でもかっこいいし、おもしろいし、僕はヨシキも好きだよ」

この瞬間に全てがどうでもよくなった。照れくさそうにしているもしゃもしゃ頭をもっともしゃもしゃにする。
俺いつからこんな丸くなったかなー。いつもなら無理矢理にでも犯してやるのに。でも今はそんなことをする気分ではない。高校生になったし落ち着いたってことかな。

「っていうか、ヨ、ヨシキのせいなんだからな!」
「ハァ?」
「イッセイがヨシキと、その、ヤ、ヤったと勘違いして、それで」
「それでこうなったって?」
「そうだよ!ホント痛かったんだからな!」
「いや、それ俺のせいじゃないだろ!」
「同じことしていいかって聞くからっそれでっ」
「いやいやいや、やっぱり俺のせいじゃねぇよ!」

くだらない口論をしていたら深夜なのに声が大き過ぎたらしく隣の部屋の奴に壁を叩かれた。



そして感情が高ぶったままなかなか眠れず次の日。俺のテンションや機嫌や体調といったものは最悪だった。

「高岡、顔酷いよ」
「お前はうざったらしい程機嫌がいいな」
「今日は委員会があるからねっ!町田と一緒に行くんだー」
「あっそ」

委員長だけあつまって学校行事についての話し合いやらなんやらする委員会。副委員長の俺には関係ない。それよりも如何にしてこの顔面崩壊をしている男を殴るかが重要だ。ニヤケ面がムカつき過ぎてもっと顔面崩壊させてやりたい。

「そういや応援行くの?」
「あぁ・・・約束したからな・・・」
「何着ていこうかなー!オシャレしていかないとね!」
「制服でいいんじゃねぇの・・・」
「絶対嫌」
「仮にも学校の部の応援じゃねぇか・・・」
「俺の気分は町田と初デートだから」

いや、キリっとした顔で言われても・・・。ナルシスト野郎応援してる町田とプラスで外野がいるのにデートだと思い込めるコイツすげぇな。俺には無理だ。もっと言うならこんな変態になりたくない。

「あっ今日部活終わってから服買いに行かねぇ?!新しいカーゴとジャケットと、それから」
「行かない」
「なんでだよ!」
「制服でいい言っただろうが!」

大きな声出したら頭がガンガンした。っていうかもう西といると頭がガンガンしてくるのは気のせいではないはずだ。
机をガタガタ揺らしながら講義している阿呆の頭を引っ叩いた。あぁ、ようやく眠ることができる。

「高岡、授業始めるから起きなさい」

め、眼鏡エエエェェェェ!!!



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