ComingOut:29

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ルーズリーフを破って1枚だけ下を赤く塗る。
他の紙には番号を書いて差し出す。
赤が部長、赤を引いた人が番号を指定してそれが副部長。

「じゃぁ引いていいよ」

一気にくじに群がって自分だけが番号を見る。
お、俺4番・・・!
部長じゃない、よかった・・・!

「ふざけんなアアァ!!!」
「シャアアァァァ!部長山下アアァ!」
「最っ悪・・・絶対めんどくせぇよ・・・」
「ほら、次。番号指定」
「じゃぁ2番」
「てめっふざけんなアアァ!!!」
「中村さんお疲れ様です!」
「あざーっす!」
「ふざけんなよ!佐藤も鈴木も入ってねぇじゃねぇか!」
「ええ、ものすごくほっとしています」
「俺も天にも昇る気持ちです」

いや、マジでよかった。
目の前でマジギレしてる山下がなんか言ってるけど俺マジでほっとしてる。
部長とかなったら俺ひきこもりになるところだった。

「はい、くじ引いてー」
「え、何すんの?」
「今日は中兄こないっしょー。少し遊ぼうぜ」
「何?王様ゲーム?」
「そそ」

原田の持ってるくじを皆で引く。
俺1番か。

「王様誰?」
「吉田様」
「佐藤様じゃなくてよかったわー」
「ホントだわ」

あ、みんなやっぱそこ気にするんですね。

「じゃぁ1番が恥ずかしい話をする」
「嫌だ」
「1番鈴木か」
「はい、鈴木くん話してー」
「・・・・・さ、最近、夢精した」
「ぶふっ!あんだけヤってまだ足りねぇの?!」
「は、あ゛っマジバカじゃん?!」
「だあぁ・・・!は、ははは!」
「む、むせっうぶっ」

全員笑い転げている。
山下なんか痙攣してまで笑っている。
む、むかつく!
笑い転げてる皆からくじをひったくって腕を突き出す。

「はい、次!」
「は、あぁ・・・このネタで、俺3日は笑える・・・」
「黙れバカ下。お前の夢精回数よりマシだ」
「夢精なんかしねぇよ!」
「王様だれー?」
「中村様」

げ、精神的に責めるタイプのSに当たってしまった。

「じゃぁ3番と5番がお互いのいいところを3つ言う」
「・・・5番誰?」
「俺」
「無理。ないないないない」

3番佐藤、5番原田。
ものすごい勢いで佐藤が拒否している。

「はやくお互い褒め合えって」
「はーやーくー」
「原田のいいところ原田のいいところ・・・」
「佐藤のいいところ佐藤のいいところ・・・」
「ちゃんと褒めろよー?」
「よし、原田のいいところな。ほら、アレだ、山下の尻に敷かれてるところと頭についてるリボンと口が割と堅いところ」
「佐藤のいいところ、あー、眼鏡と顔と実は先のこと考えてるところ」
「ぶふぅっ恥ずかしい奴等だな!」
「明日からお前等顔合わせる度に恥ずかしいな!」
「お前等お互いのことンな風に思ってたんだな!」
「キモっ!お前等キモい!ぶはっ!」

佐藤と原田が床に突っ伏して震えている。
コレは精神的に辛い。
3つなんてまた誤魔化す限界ちょっと超えてる感じじゃん!
普段から仲良いし、人に散々なことしてる2人だけに面白さも倍増だ。
吉田はツボに入りすぎたらしくむせている。
ちなみに俺もむせた。

「最悪だ・・・マジ覚えてろよ・・・」
「もう俺学校来るのやめようかな・・・。ほら、次」

原田に差し出されたくじを震えながらそれぞれ手に取る。
ちなみに佐藤と原田以外はおかしくて震えているのだ。
駄目だ、笑いがおさまんねー。

「王様だーれー?」
「佐藤様」

一気に笑いが引いた。
顔が恐ろしい。
全員下を向いて、自分の番号を見つめている。
お、俺5番・・・。
当たりませんように・・・!

「4番が1番にケツバット」
「とばっちりだー!!!ちょっちょっと待ってください佐藤様アアアァァ!」
「チッ・・・中村じゃなかったか」

あ、1番は吉田らしい。

「よし、日頃の恨みがあるからな。真面目にやってやる」

しかも4番が山下だ。
吉田・・・ケツ4つになるんじゃ・・・。

「確か棚に置き傘あったよな?傘でいい?」
「いいぜー」
「嫌だ嫌だ!今からでも遅くない!俺じゃなくてもいいはずだ!」
「ターララタッタラー!4番山下いっきまーす!」
「ちょ、山下手加減しろよ?!」

ブンブン傘を振りまわしてフォーム確認をしている山下に原田が注意する。
山下に手加減できるとは思えないんだけど・・・。
吉田は佐藤にがっちり押さえられてケツを山下に向けている。
そしてさすがドSコンビ。
顔が、わ、笑っている・・・!

「ホント痛いの嫌なんだって!待って待って!」
「俺に当てんなよー」
「わかってるって。ハイ、ホームラーン!」
「い゛っ・・・!っは、あ゛あ゛あ゛!!!」

バスっと鈍い音がしてそのまま吉田が悲鳴をあげた。
ずるずるとその場にしゃがみこんで震えている。

「吉田ケツ4つになったんじゃ・・・」
「ソレ俺も思った」
「よ、吉田大丈夫か?」
「大丈夫じゃないっうぅ・・・痛いぃ・・・」
「あ、吉田くん泣いちゃった」
「そら泣くだろうよ!絶対痛かったって!」
「あ、傘歪んでら」
「手加減しろ言ったじゃん!なんで傘歪むほど本気で殴るんだよ!」
「いや、おっぱい触ってくるお礼をしようかなって」

泣いてる吉田を原田が必死に慰めている。
吉田は相当痛かったらしく歯を食いしばって泣いていた。

「もう王様ゲームしないでおこうな」
「そうだな。何か決めるときはマリカーにしよう」
「いいと思う、ソレ。負けないし」

中村と安全な解決策を導き出した。
それから泣いている吉田の代わりに笑っている佐藤と山下を一発ずつ殴ってやる。
少しは反省しろ、このドS共。




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