ComingOut:24

さすがの佐藤もSMホテルの会員証は持っていないらしく、吉田の家からの帰り道に見つけた普通のホテル。
部屋に入るやいなや唇に噛みついて、財布や携帯をソファーに投げる。
コートもソファーに投げて、広いベッドに押さえ込まれる。

「ねぇ、酷いことしたい」
「え゛・・・わざわざ聞いて何するつもりですか」
「死なない程度でやってやるから」

し、死なない程度・・・?
乳首でも千切るのかしら?
もしかして刺すのかしら?
や、やりかねない・・・!

「かっ帰る!嫌っ!殺される!」
「殺さないってば、たぶん」
「ほらもう怪しい!境界線が曖昧過ぎる!嫌!」

ドMだとしても俺は突き詰めて乱暴に殺されたいって欲はない!
江戸川乱歩の小説みたいなことをする気か!
確か死んだぞ、あのドM女!
ドS男と同意の上でヤって死んだぞ!
今現実にしようとしてる男が目の前にいやがるぜ畜生!

「お願い、殺らして」
「うわあもうなんか言葉の漢字が違うよおおお!お母さあああん!」
「どうしてもしたいの、どうしても」
「嫌だ嫌だ!乳首千切られる!刺される!殺される!」
「大丈夫大丈夫、殺さないから!」
「笑顔が胡散臭エエエェェ!」

腰を掴まれて身体の自由が利かないからせめての抵抗にブリッジばりのエビ反り。
社交ダンス踊る人達もびっくりな体勢だぜ。
コレ佐藤に手離されたら絶対痛いな。

「お願い、鈴木くんのしてほしいことしてあげるから」
「じゃあフェラし」
「なめんなよ」
「い゛っ・・・てえぇぇ!!!」

あっさり手を離された。
頭割れたコレ頭脳みそこぼれたって。
床でのたうち回っていたら佐藤が俺の身体に馬乗り。
ちなみに顔はホラーだ。

「この俺の口が、お前の粗末な汚ねぇちんこをしゃぶれって?殺すぞ」
「ごめんなさい!つかしてほしいことしてくれるんじゃないの?!」
「俺がやっても良さそうだと思うものにしろ」
「じゃあ、あの、ノーマルセックスを・・・」
「え?そんなんでいいの?」

ま、まさかのノーマルセックスOKだと?!
佐藤がノーマルセックスしてくれるなんて!
言っといてアレだけどなんだか気恥ずかしいな・・・。
つか佐藤ノーマルセックスしたことあんのかな。

「佐藤、ノーマルセックスできたの?」
「普段通りだろ?」
「・・・ん?」
「俺と鈴木のノーマルセックスじゃん」
「ふざけんなよ!あんなんノーマルセックスじゃねぇよ!毎回毎回ケツ痛いし腹痛いし痣だらけになるんだぞ!」
「でも気持ちいいでしょ?」
「う゛っ!」

そんなことはない!
そら佐藤の倍はイくけども!
そんなことはないんだ!

「じゃ、同意って事で」
「うわっ待て待て!何が同意だ!」

ベッドに引きずり上げられていよいよ焦る。
マジで何するつもりだコイツ!
俺の上でやたらに笑ってるしホント信用ならない。
コイツ好きだとか言った奴誰だよ!
俺だよ!
マジ早まった!

「女と同じ抱き方でシてやろうか?」
「へ?」
「おっぱいないしクリもないけど代わりのもんがついてっからソコソコ気持ちいいと思うよ?ま、鈴木には物足りないと思うけど」

そう言うと反論する間もなく啄むようにキスをされて、それがどんどん深くなる。
飲み込みきれない唾液が口端からだらだらと溢れた。
ゆっくり服の中に手が入ってきて乳首を撫でる。
ココポイントだから。
佐藤が乳首抓らないで撫でてるんだぜ。
佐藤は俺の口から溢れた唾液を掬って、そのまま口が下に降りて行く。
なんか優しいつか普通の人みたいな佐藤に笑いそう。
ロンT捲って、弄ってない方の乳首が口に含まれる。
噛まれるわけでもなく、ただ舐めて吸うだけ。

「は、乳首めっちゃ勃ってる」
「うっうるせー」
「なんで最近乳首弄ってんの?」
「んんっ!」

乳首をぬるりと舐め上げられて背が震える。

「なんれ?」
「っ!なっなんとなくだよ!」
「・・ふーん?」
「ふぁっあっ」

舌で乳首押し潰すように弄って、反対側も押し潰すように優しく揉まれる。
くそっ!
も、も、物足りない・・・!
身体を揺らしても何しても物足りない。
少しだけ、少しだけ爪を立てて、少しだけ歯を立ててくれればいいのに。
ちんこなんて触ってすらくれない。
もどかしくて自分でベルトを外してちんこに手を伸ばした。
でも俺の手はちんこに触る前に目の前の20禁顔男に掴まれる。

「女の子はそんなことしませーん」
「する奴いる」
「積極的過ぎる女は好みじゃない」
「っあ!んっんんっ」

真っ平な胸を撫でて、またキスをする。
あ、嫌だ、コレ。
この抱き方好きじゃない。
物足りない以前に女の変わりにされてるみたいで嫌だ。
佐藤の首に腕をはめて、佐藤の身体を押し返す。

「普通にして。コレ嫌」
「ハァ?お前がノーマルセックスがいいって」
「う、うるせー!いつもみたいなのがいいの!」

佐藤と俺の身体の間に足まで入れて、我ながら必死の抗議。
佐藤はニヤリと笑うと俺のズボンとパンツを一気に下げた。

「早く言えよな。俺勃たないかと思ったわ」
「うぐぅぅ!あ゛あ゛あ゛っ」

いきなりタマを握り潰された。
身体が強張ってガクガク震える。
開きっぱなしの口に指が入ってきて、そのまま佐藤の顔が近付く。
舌を差し出せばそのまま噛んでくれた。
口から指が出ていって、そのままアナルを掻き混ぜる。

「あ゛っああっんっん、んうぅぅっ」
「うんこ漏らすなよ」
「あっ漏らすか、ばか!んっあん!」

ローションをベタベタに垂らされて、指の動きがスムーズになった。
中を掻き回すように動かされて下腹がツるような感覚がする。
あー・・・いつもの感じ。
ちんこから壊れたように先走りが出てくる。

「オイ、イくなよ早漏」
「んぎいぃぃ!あ゛っあっくるしっあ゛っああっ」

ちんこの根元を握られて、イけそうだった俺のちんこが悲鳴をあげる。
痛いのに萎えないちんこと決別したくなった。

「イきたいっあっ出したいぃ!さとっあ゛っ」
「まだ俺挿れてもないじゃん。我慢しろ」
「あ゛あっも、挿れていいからっ挿れて!イきたい」
「んー、らめー」

掻き回す手は止まらないし、ちんこ握ってる手は鈴口に爪を立ててる。
それに乳首まで噛まれてもう限界。
佐藤の肩を掴んで避けようとしたらアナルから指が引き抜かれる。

「うるせー奴。挿れてやんねーよ?」
「う゛あっ、ごめっ」
「ちゃんとイかしてやるから後少し我慢しろ」
「わかったから、早くしい゛だっあっあ゛あ゛ああ!」

急かしたら頭突きをされて、頭を押さえた隙に佐藤のちんこが一気に挿ってきた。
余りの苦しさに身を捩る。
そこは女の代わりでもいいからもう少しゆっくり挿れてくんないかな・・・!
息も整わないうちに佐藤が動き始めて身体が跳ねる。

「あ゛っまっひぃぃっあっああっ」
「服皺になるから触んな」
「ごっごめっなさいっあ゛っひいん!」

佐藤の肩に掴まろうとしたら一気に不機嫌になった。
ちょっと寂しいような虚しいような。
結局シーツを握り締めて暴力的な動きに耐える。
佐藤の手がゆっくりとちんこから離れて、そのまま俺の首に。

「は、えっあ゛う゛うぅ!」
「イっていいよ?」
「あ゛っがっあ゛ぁあ゛!ざどお゛お!」
「はははっ泣いてら、あはは!」

どうやら佐藤がしたかった事はコレらしい。
喉がヒューヒューして、首を絞める佐藤の手をどかそうにもびくともしない。
苦しくて涙が出て、前が霞んで見えない。
でも佐藤の楽しそうな笑い声は頭ン中まで響いてくる。

「う゛あ゛っあ゛あ゛!イ゛ぐっあ゛っイ゛、イ゛ぐう゛ぅぅ!あ゛あ゛ああっ」

イった瞬間に目の前が真っ白なって、身体が痙攣する。
身体中にじっとりとした汗が纏わりついていて、いつもの3倍ぐらい身体が重い。

「どうだった?」
「・・・死ぬかと思った」
「ヨかったろ?まだ射精してっけど」
「疲れるから、嫌だ」

人間の繁殖力を利用して射精なんかするもんじゃない。
佐藤のちんこが抜けて、中出しされた精液がこぼれてくる感覚がする。
俺・・・佐藤がいつイったのかすらわかんないぐらい浸ってたのか。

「そろそろ離してくんない?」
「何を?」
「手。痺れてきたんだけど」
「え゛」

ちらりと横を見れば俺の手は佐藤の手を握り締めたまま。

「ぎゃああああっあ゛っい゛っだあぁっ!」
「鈴木?!」

びっくりしすぎてベッドから落ちました。
情けない、俺。




※無断転載、二次配布厳禁
この小説の著作権は高橋にあり、著作権放棄をしておりません。
キリリク作品のみ、キリリク獲得者様の持ち帰りを許可しております。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -