ComingOut:20

人間必死になると何でもできると思った。
佐藤がいない終業式が無事に終わって明日から春休み。
俺は佐藤の置きっぱなしにしてる教科書類を持ち、佐藤お気に入りの小洒落たケーキ屋(よくデートに使う)へ行き、佐藤が集めてるDVD(海外ドラマ)のseason2(season1は揃えてるから)をBOXで買って、すごい荷物を抱えて佐藤の家まで行った。
荷物を脇に置いてピンポン。
し、心臓が張り裂けそうだ・・・!

『はい』
「あっあの鈴木夏彦ですけど清春くんは」
『俺だ』
「すいませんでした!」

インターフォンに頭を下げた。
恥ずかしくなんかない。

『少し待て』

そう言われてとりあえず会ってくれるのだと安心して泣きそうになった。
制服の裾を握り締めて、流れる冷や汗をなんとかしようと試みる。
無理。
いくら貢いでも許してくれる気がしない・・・!
中兄は信じてくんないし原田なんか頑張れしか言わないし!
とりあえずなんか貢げば?と言う山下の意見を参考に佐藤が好きなものを買ってみた。
中村と吉田に準備を手伝ってもらって荷物を詰めて(教科書全部置いてるから・・・)近くまで一緒に来たんだけどあの薄情者達は『佐藤怖いから、じゃあな!』と声高らかに帰ったのだ。

「開けて良いぞ」

ドアの向こう側から声がして、恐る恐るドアに手をかける。

「お、お邪魔しまー・・・」

え、なんでクラウチングスタートの構え?

「あっあの」
「鈴木・・・テメェコラアアアァァ!」
「ぎゃああああ!」

跳び蹴りされました。

相当お怒りの佐藤様の部屋で正座。
椅子に座ってる佐藤様のお顔は鬼も般若も逃げ出すようなお顔をしていらして。
鈴木めはもうチビりそう。
チビるで済めばいいかな、失禁する。

「中兄にちゃんと言ったろうな?あ゛?」
「言いました。30分言い続けたのに信じてもらえませんでした」
「半日は粘れよ」
「あぐっ!ごべんな゛ざい!」

踵落としされた。
脳みそ吹き出そう。
下を向いて耐えていたら目の前に佐藤の気配。
ビクッとして目の前を見れば見なければよかったと思う程の怖い顔。

「ズボン脱げ」
「ひっ!」
「早くしろ。素手で去勢すんぞ」

や、やりかねない・・・!
ガチャガチャ言わせてとりあえずズボンを脱いだ。
冷たい目をしているからパンツも脱いだ。

「ケツこっち向けろ」

だっ脱腸させられる脱腸させられる・・・!
恐ろしさにちんこは縮みあがっている。
しばらくするとケツになんか挿ってきて、ブチュッで音がした。
ローションかなんかだと思っていたんだけどそれが何度か続いてさすがに何してるか気になる。

「あっあの、佐藤様何をしていらっしゃる感じですかね?」
「浣腸」
「・・・へ?」

か、浣腸?
そんなにたくさん浣腸液って入れるもんなの?
って言うか浣腸?

「ぎゃあああ!ちょっさっ佐藤!」
「はい、7個目ー」
「いやっいやだっ!まっひぃぃっ!」

また中に液が出されて、焦って身を捩る。
グルグル腹が鳴り始めてマジで浣腸されたんだって思った。

「後3つあるよ?」
「も、無理っだっ」

使用法を守れ!
ケツから浣腸液がこぼれてこないかヒヤヒヤする。
近付いて来た佐藤に腹を蹴られるんじゃないかと腹を押さえて、ギュッと目をつぶって来るであろう痛みに備える。
でもそれは杞憂に終わって、襟首を掴まれた。

「へ?あっちょっ」
「俺の部屋で漏らされたら困るからな」

ずるずる引っ張られてトイレまで行くと便器に身体を投げられた。
少し腰を突き出したような姿勢にされる。
でも佐藤がトイレから出て行く気配はない。
髪を掴まれて、3センチ先には佐藤の顔。

「ちゃんと見ててやるから姿勢崩すなよ?」
「なっ!嫌っ無理っ嫌っ!」
「お前に選択権があると思うなよ」
「ひぃっ」

怖いっ怖すぎるっ!
つか小便漏らすよりうんこ漏らす方がハードル高いし人としてもう生きていけない気がする!
でも使用法無視で入れられた浣腸のせいで腹はグルグル鳴りっぱなしだし汚い音の屁まで出て来て限界が近い。

「はっクセェな」
「っ!」

佐藤は俺から手を離して目の前にしゃがみ込む。
足を閉じようとしたらちんこを掴まれた。
少し乱暴に、手を捻るようにして扱かれる。
ビクッと身体が跳ねた瞬間にブチュゥッて嫌な音がした。

「ひっやめ、やめてやめて!」
「お前コレ弱いよなぁ。自分で腰突き出してんじゃん」
「ああっやあっあっひいぃっ!」
「あはは!うんこ漏れてんぞ」
「あうぅっ!見るな、あっ見ないでぇ!」

緩いうんこが止まらなくなって、ベチャベチャと排出されていく。
ちんこも佐藤に遊ばれてフル勃起。
気持ちいいのと恥ずかしいのと腹が痛いので頭がぐちゃぐちゃだ。
佐藤にだけはそーゆーのを見られたくない。

「おっお願いっあっお願いだからっ出てって!もういやだあぁ!」
「嫌」
「う゛う゛っ!も、無理無理っ無理!ひぃぃぃ・・・!」

射精した瞬間にケツも崩壊した。
汚い音を立ててうんこ漏れてく感じに耐える。
もう止まらないしどうしようもない。

「あはっはははっ!はぁっ、はっあはは!」

目の前の男は壊れたように腹を抱えて笑っている。
視界が歪んだと思ったら涙が溢れてきた。

「う゛っうわああぁ!もういやだああっあっごめんなさいいい!」

我ながら情けないほど泣いた。
ついでに漏らしたままで。

「ざまぁみろ」

そう言って佐藤はトイレから出て行った。
とりあえず出て行ってくれてよかった、のか?
しばらくしたら出るものもなくなったらしく腹が異様にスッキリした。
汚い顔とかケツ拭いて下半身丸出しでトイレ掃除。
ま、間抜けだ・・・。
いや、でも人ン家でうんこして(しかも浣腸だぜ)掃除しないのって気持ち的にアレだし。
そのまま帰ってやろう思ったけどこのまま外出たら間違いなくパクられる。
人ン家のトイレで立ち尽くす俺、今年18だぜ畜生。
トイレからこっそり顔を出して誰もいない事を確認。
佐藤の部屋に急いで、意を決してドアを開けたら誰もいなかった。

「あれ・・れ?」

とりあえずパンツとズボン着よう。
ベルトをはめていたら佐藤が帰ってきた。
即座に正座したのはもう脊髄に染みた反射なんだ・・・!

「長かったな、うんこマン」

だっ誰のせいだと・・・!

「反省したかよ、うんこマン」
「それはもう一生分ぐらいしました。ホントすみません」
「そ。ならいいわ。ケーキありがとなー」
「いえ、とんでもないです」
「うんこマンもケーキ食べる?コーヒー淹れた」
「食べる。・・・あの、うんこマンってやめてくれな」
「あん?」
「何でもないです!」

俺・・・いつまでうんこマン呼ばれんのかな・・・。
佐藤はテーブルにコーヒーとフォークを置いてケーキの箱を開ける。
俺この店のケーキ食ったことないけど佐藤と中村がうまい言うから間違いないんだと思う。

「ほれ、ショコラタルト」
「あっそれ佐藤食べてよ」

中村曰わく佐藤のお気に入りのケーキ。
ショコラタルトと抹茶ロールは外さないらしい。

「鈴木この店の食ったことねーだろ?」
「う、うん。ないけど、でも中村に聞いてちゃんと選んだから」
「俺の一番のお気に入り、うまいから食べてみろって」

あ、ここで笑うんだ。
妙に気恥ずかしくなって下を向いて頷く。

「あ、ありがとう」
「俺抹茶ロールにしよー。あ、これ二番。半分やるよ」
「いや、佐藤に買ったケーキだし全部食べればいいよ」
「まだたくさんあるし気にすんな。俺1人で全部食ったら糖尿なる」

そう言って佐藤は俺の口に抹茶ロールをねじ込んだ。
抹茶ロールうまいよりも何よりも佐藤の笑顔が甘すぎた。
と、とりあえず許してくれたのかな・・・?



「ショコラタルトうま!」
「だろ?」
「うん!パねぇよ!」
「あ、鈴木」
「ん?」
「俺根に持つタイプだから」
「う゛っ!」




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