ComingOut:19
「佐藤いねぇとつまんねーなー」
「春休み目前にしてなー」
「選抜クラス行きどうなんのかなー」
「佐藤元気なのかなー」
「む、胸が痛い・・・!」
「絶対同意だったのになー」
「ノリノリでヤったに違いないのになー」
「はい・・・ノリノリでした・・・!」
「絶対誰かさんがうるさかったから中兄に見つかったに違いないよなー」
「そうです・・・俺がうるさかったんです・・・!」
「佐藤はドジ踏まねーからなー」
「ちゃんと後始末までして保健室まで運んだのになー」
「はい・・・運んでいただきました・・・!」
「まさかだよなー」
「まさかの裏切りだよなー」
「絶対怒ってるよなー」
「ブッチブチだよなー」
「もう直接俺を責めてくれ・・・!」
「じゃあお言葉に甘えて。鈴木最低だな」
「何考えてたわけ?マジないと思うよ」
「停学だぜ?しかも春休み前だからって無期限」
「暴力事件とか言われてんだぞ?佐藤の進学絶望的じゃん」
「中兄に同意でセックスしましたなんて言えなかったんだ・・・!」
「にしても最低だろ。佐藤マジギレしてたぜ?」
「反省文まで出されたんだぜ?50枚」
「ついでに中兄にアリストテレスについての論文を50枚だろ?口止めみたいな」
「ああっ!俺っ俺どうしたら・・・!」
「とりあえず中兄に同意で強姦してもらいましたって言」
「無理無理無理」
「つかそもそも佐藤が強姦と間違うようなヤり方してたんだろ」
「まぁその辺は自業自得だよな」
「つか鈴木が中兄に言っても無駄な気がするよな」
「確かに・・・気絶させてんだもんな・・・」
「まぁその場で言えば鈴木も仲良く停学だったろうな」
「解決策が見つからない・・・!」
「とりあえず佐藤に電話してみれば?」
***
「あっかかった!どうしよう、何喋ろう!」
「女子か」
『ンだよ』
「すみませんでした!」
「開口一番に謝るんだ!」
「もう習性だよな・・・」
『中兄に俺が犯してくださいいいましたって土下座してこい』
「あっいや、あのそれはちょっと・・・」
ブチッ
「きっきられたー!」
「すげぇ怒ってんな」
「そら停学だしな・・・」
「う゛」
「裏切りだしな・・・」
「う゛う゛」
「怒るよな・・・」
「どうしよう!どうしよう!あ、俺泣きそう」
「とりあえずもう一回かければ?」
「・・・うん」
『この電話番号からはお受けできません』
「ちゃ、着信拒否ー!」
「あ、メアドも変わってら」
「佐藤仕事早ぇな・・・」
「ガチでヤバいかもな」
「もしもーし、お前少しでいいから話聞いてやれよ」
『話すことはない』
「取り付く島もねぇな」
『無理矢理か聞かれてハイ言うバカが悪いんだ』
「ンな言うなよ。鈴木泣いちゃうよ?むしろingで泣いてるよ?」
『知るかボケェ』
「鈴木、もう中兄に土下座してこいよ。佐藤の機嫌直すよりソレのが早い」
「そんなっ!原田までそんなっ!」
「なぁ他にないわけ?」
『犯してくださいって書いて裸で登校しろ』
「鈴木、中兄に土下座してこい」
「え?!」
「いや、犯してくださいって書いて裸で登校したいならそれでも・・・」
「他っ!他には?!」
「他には?だって」
『浣腸して授業中に漏らせ』
「鈴木、中兄に土下座しろ。お前社会から抹殺されるぞ」
「うわああっマジでごべんなざいぃぃ!」
***
「先生、俺っ佐藤に犯してくださいって頼んでそれでっそれでっ佐藤は悪くないんです!」
「・・・・・鈴木、無理するな。ほら、コーヒー淹れてやるから」
「おっお願いだから信じてー!!!」
結局信じてもらえませんでした。
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