ComingOut:03

「妹に彼氏が出来た」
「よし、とりあえず殺しとくか」
「「待て待て待て」」

このシスコン共何言い出すんだ?

「待てるか畜生!なんだあの狸みたいなショボい奴!ぜってーちんこ小せぇよ」
「待つんだ、吉田!でかくて妹がガバガバになるよりは小さい奴のが」
「誰の妹がガバガバだ!お前の妹がガバガバだろうがあああ!!!」
「テメェうちの妹達はヴァージンでヴァージンロード歩く予定なんだよ!」
「佐藤、この時代それは無理が・・・」
「鈴木ィ・・・どこぞのビッチとうちの妹達を一緒にすんなよコラァ」
「オイオイ、彼氏ぐらいで落ち着けよ」
「「無理」」

とりあえず貧乏揺すりが止まらない佐藤と吉田をなんとか座らせる。
カルシウム不足に違いない。
俺は自販機で牛乳を買い2人に与える。

ズチュー・・ヂュルヂュルルル・・・

「「うるせぇよ!」」
「イライラすんだヨォ・・・お兄ちゃん置いてデートとか許さんからなあ」
「イライラしてんだヨォ・・・最近上の妹が帰りが遅ぇんだヨォ・・・下の妹は帰って来てんのにヨォ・・・」

確か吉田は下に1人、佐藤の妹は双子ちゃんだ。
ちなみに鈴木は兄と弟、俺は歳の離れた兄が1人しかいない。
妹がいない俺等からすれば気持ちが一切分からない。
というか執着しすぎだ馬鹿共が。

「どこでデート?」
「映画行くって言ってた」
「ちゅーするつもりだな」
「だよな殺すしかないよな映画館爆破しよう」
「よし、まず化学室からリンくすねるぞ。映画館は乾燥してるからリンで自然発火を火種に」
「オイイイィィィィィ!この犯罪者予備軍!なんてこと考えてんだあああ!」
「じゃあ改造ライター爆発とかにしないか」
「コンビニで買えるもんでなにさらそうとしてんだ!」

このドアホが!
佐藤め・・・変なことばっか知ってんだよな・・・。

「よし、円満に行こう」
「そうしてくれ」
「まず彼氏の前に素っ裸の鈴木を歩かせる」
「おかしいだろ!」

よし、俺に害はない。

「それで?」
「アレ、ちょ、中村くうん?!」
「そこで鈴木がアナニー披露する」
「何でだアアァ!」
「それで?」
「吉田くうん?!」
「フィニッシュは穴ひろげて可愛くおね」

ガンッ

佐藤が机に沈んだ。
ついでに頭に踵落とし、しばらく動かないだろう。
まあ・・・自業自得だ。

「これはうちの妹に汚いものが見えるという問題があるから却下だ」
「汚いとは何だ!」
「ってかさあ別にいいんじゃないの?彼氏ぐらいさあ」
「よくない!」

手を握りギリギリと歯を軋ませてる吉田。

「俺はっ・・・俺はいつまでも『お兄ちゃん一緒お風呂はいろーよ』とか言ってもらうんだっ!」

今度は俺がアッパーをきめる番だった。



「チィィ!それ以上近寄るんじゃねえええぇぇぇ!3メートルは離れろ!」
「せめてデートなら鞄持てよ!お前何箸より重たいもん持たせてんだ!」
「・・・中村、あの変質者どうにかしないか」
「よし鈴木、警察呼べ」

吉牛の旗に身を隠し(隠れていない)吉田の妹のデートをそれこそ瞬きすらせずに見ている。
シスコン末期だ。
間違いなく変質者だ。
周りの視線が痛い、痛すぎる。
俺コレ放置して吉牛行こうかな。
牛丼食べたい。

「あっアイスをカップル食いだと?!」
「アイスぐらい2つ買えよ!ニートかゴルァァァ!」
「佐藤、アイツ中学生だ」
「あの豚野郎うちの妹になに消化させようとしてんだ!!!我慢ならねぇ!」
「早まるな吉田アアァ!」

なんとか吉田を落ち着かせて鈴木が買ってきたアイスを食べる。
・・・無言でアイスをガツガツ食べる奴等はじめて見た。

「おいっ映画館入るぞ!ちゅーする気だ!」
「なんだと?!あの豚野郎!ピンク映画なんてダメですからね!ジブリにしなさい!」
「中学生がピンク映画なんか見るかあああ!」
「「へぶぅ」」

鈴木の肘鉄が脳天に降ろされる。
ホント埒が開かねぇ・・・。

「鈴木」
「ん?」
「これ以上付き合ってらんねぇからコイツ等連れて帰るぞ」
「賛成だ」
「よし、裸になれ」
「反対だ」
「がへっ」

ちょ・・・顔面にチョップはないよ、鈴木くん。
それにアレやれば佐藤は釣れるぞ。
チッ仕方ねぇなあ・・・。
俺はアイスガツガツ食べてる佐藤の肩を叩く。

「佐藤、鈴木が痴漢プレイがしたくてたまらないそうだ」
「なっ」
「そしてケツ穴めくれるまで犯して欲しいらしいぞ」
「ちょ、ばか!佐藤っ俺そんなん言ってないからっ!」
「・・・へぇ」
「ひっ」

よし、1人目は終わりだ。
鈴木の悲鳴は致し方ない犠牲だ。
だって俺佐藤の相手とか絶対嫌だもん。
俺は未だにアイスガツガツ食ってる吉田の横に座り込む。

「なあ、おっぱいしゃぶらせてやろうか?」
「ぶふっ」

顔真っ赤にしてる吉田。
コイツおっぱい大好きだからな。

「ロデオしてやんぜ?あぁ、足コキもしてやってもいい」

アイス屋のガラスに映る俺の顔は相当悪い顔して笑っていた。
俺はその場を離れてチョイチョイと手招きしてやる。

「ほら、来いよ」

アイスのカップをゴミ箱に捨てて俺についてくる吉田。
よし、2人目回収成功だ。




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