奥様は暴君
ちぎれゆく端書き
迷走、出口なし
薄くスライスした恋心
泥を吐く
模造でしたらございますが
愛情に怯む
思いとどまった手紙
夜が遠いのはどうして
その時の悔しさときたら無い
つきましては、白昼夢を少々
私こそつらい
それは違う(と思う)
あなたを待つよ
好きなものが腐敗する
振り返るヘッドフォン
さよならの法則
拭えないものは拭えない
涙は凪いだ
正直者は狼少年に憧れる
お腹が空いたら孤独を食べよう
不必要なゼロ
聞けよ嘆きを
わりと笑えない
結局押し潰されていた
黄昏の名前
取った手は温かい
大義のない世界
静寂のほうへ
まるで喪を着るよう
へりくだっても恋
花は片手にあればいい
それは特別大切でもなく
染まりきったふりをして
分かった気になるのだけは早い
丘で眠る魚
凡人の嗜み
声を聞けば泣くくせに
せめて頼りないままでいて
壊れる瞬間を見たことはあるか
罪の味を知る前に
空想で結構
声を掛けて忘れる寂しさ
あなたが与える全てのものについて
喜んでは微睡んで
幸せには退屈が付いて回る
救いようのない約束
席を空けてはくれませんか
せわしない
あたまのいいこ