ナマエはみんなに平等で明るく優しかった。実の親に捨てられた悲しみを隠すかのように毎日を必死に生きていた。嫌われないように。捨てられないように。だから彼女はみんなに好かれた。いつも周りにはたくさんの人がいた。でももう誰もいない。誰もナマエを見てはいない。俺以外は。
「研磨、クロ!私彼氏できた!」
嬉しそうに話すナマエの頬はピンク色で、私幸せですというオーラが溢れていた。
「ナマエに彼氏!?碌でもない奴だったら許さないからな!」
ちらりと一瞬クロが俺を気遣うように見たのはナマエが自分への好意にあまりにも鈍感だからだ。悪意には敏感なくせにずっと一緒にいた俺がナマエのことを好きだなんて微塵も思っていない。
ずっと一緒にいてくれるって言ったくせに。自分が一緒にいようって言ったくせに。
「・・・研磨。大丈夫か?」
「大丈夫」
そう答えたのは別に強がりとかじゃない。ナマエは俺の元に戻ってくるって分かっていたからだった。
「研磨―!宿題教えてー」
「勝手に見て」
ナマエが宿題を俺に聞きにくるのは別に俺の頭がいいからじゃない。俺が宿題を丸写しさせてあげるからだった。クロは意外と面倒見がいいからナマエを監視して自分で問題を解かせる。それが面倒な[FN:なまえ]は難しい宿題が出た時には必ず俺のところに来る。
「はぁー。ありがとー!眠い・・・。ちょっと仮眠とらせて・・・」
そしてその後俺のベットで仮眠を取るのが一通りの流れだった。
数秒後にはすぅすぅと寝息をたて始めたナマエを見てくすりと笑う。馬鹿だなぁナマエは。男の部屋でこんなにも無防備でいるなんて。丸まった背中に触れれば金具の凹凸はなくて、可愛らしさと苛立ちを感じる。裾に手を差し入れて捲り上げれば思っていた通り、キャミソールの他には何も着ていない。ピンク色の先端に思わず目がいってしまうが今はそれよりもしなければいけないことがある。眠る彼女の体を弄ったことは何度かある。だけど服を全て脱がせたのは初めてのことだった。俺のものとは全く違う小さくて柔らかな体は、清く真っ白で綺麗なままでいて欲しいのに汚したくもなった。
携帯のカメラと、いつかの誕生日に買ってもらったカメラに収める。ナマエがくしゅんっと小さくくしゃみをして慌てて服を着せる。本当は汚した写真を撮りたかったんだけど起きてしまったら計画がダメになると思い断念した。今日じゃなくてもいつでも撮れるしね。