cross×時空間の果て×cross | ナノ

cross×時空間の果て×cross(2 / 65)

 
 ◇杜 夏月◇
 
「あれっ?ここってさ〜アリアハンじゃない?ほら、しかもルイーダの酒場の前!久しぶりだね〜」

激しい揺れの原因は何か、探って来なさい!と。
命令口調でルイーダに、半ば強制で店の外に出されたニノの耳に。
最初に響いたのはなんとも呑気過ぎる…気の抜けた少年の声だった。
自分に似た金髪に、緑の眼が特徴だ。

「えっ!私、失敗したの?もしかして…どうしよう…開拓村に急いで戻らなきゃ行けないのに…」

「俺の女王様、そう慌てんな。何ももう一回、ルーラすりゃいいだろ?」

「あ、でも…せっかくアリアハンに戻れたんだから。少しだけ居たいかも」

しかも人影は、一人だけには留まらず。
銀髪の盗賊風の男。
青い髪の魔法使いの美女。
(内心、彼女に向け。ニノが口笛を吹いたのは…言うまでもない)
そして…もう一人は。
何処かライに似た、黒髪の少女だった。

(さ〜てっと。面倒臭ぇ事になりそうだな…兎に角、逃げるか?)

しかし彼の後方。
店の入口では…ルイーダが仁王立ちで自分を見張っている。

その凍り付く視線に、仕方なく歩を進めたニノであった。
 

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