「君さあ、人に嫌われるタイプでしょ」

「あの女の人が言ってたよ。本当はずっと嫌だったって」

うるさいうるさいお前に何がわかる彼女が僕を嫌っていた?そんなわけあるか、彼女は僕に愛の言葉をたくさん注いでくれた抱き締めてくれた僕の下でないてくれた僕が好きだと言うといつも顔を赤らめて笑ってくれていたそんな彼女が?ばかな、寝言は寝て言え、だ。


「ほら、そこに真っ赤なペディキュアで書いてあるでしょ?」

真っ赤なペディキュア?僕がプレゼントした、あのペディキュア?


「きみ、ちゃんと見えてる?僕の話、きいてる?」

ああ、ああ、もちろんきいてるともさ。でも、そんなものどこにも見当たりやしない。彼女は昨日あのペディキュアをつけていたし、今日だって出かけるとき僕にキスをしてくれた。だから、そんなものはありゃしないんだ。


「んー…、だめだな、こりゃ。完全放心状態だ。きみ、そこのきみ、彼を第三病棟に連れて行って」

は?第三病棟?どこだそこ?まだ彼女が帰ってきてないって言うのに、僕をどうする気だ?あ、おい、離せ、離せ!彼女を待たなくちゃいけないんだ!彼女は僕がいないと生きていけないんだ、泣いてしまうんだ!だから離せ、お願いだから、彼女の所へ行かせてくれ!おい!きいてr





「彼はどうやら自分の中で彼女を作り出し、その彼女に恋をしているようですね」




20xx年 x月x日 午前8時20分

彼は奇声を発しながら外に走り出した。そしてそのまま、彼女にプレゼントしたものと同じペディキュアを買いに、彼の行きつけだった店へ行き、ペディキュアを購入。そしてxxx店で果物ナイフを購入している姿が発見されている。その後、彼は病棟に戻ったが、間もなく口内にペディキュアを入れ、果物ナイフを握りしめたまま、窒息死した。

2010


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