「××」僕が名前を呼んでも答えない。無視はきらいだ。蹴っても叩いても答えない。もっと痛い目に合わせようかと思って胸ぐらを掴んだが、体が重力に従いだらりと沈んだだけだった。 瞼は閉じているが指で無理やり開かせて見ると、その眼孔は色を失くし光を失くし汚く濁っていた。彼女は死んでいた。 僕のお姫さまはキレイな場所に出掛けたみたいだ。 僕の甘美なる薔薇