※長い


私、最近誰かに見られてる気がするんですけど。


「ストーカーだったらどうしよう」
目の前に座る僕よりはるかに小さい女子高生の彼女が真顔ですごく大真面目にこんなことを言い出した。お化けを疑うとかそういうことはしないのか。


「それは君の自意識過剰では」

「絶対違う!昨日だって電話がかかってきたんだよ?」

「それだけじゃストーカーとは断定出来ませんよ」

「絶対そうなの!この前窓見たら電柱に人が張り付いてたのよ?」

「工事の人とか……」

「真夜中に電柱の工事なんかしないでしょ」

「………」

「先生って先生のくせに意外とアホなんだね」

「…うるさいですね」

「まあいいや。それより!あのストーカーって誰なんだろう」

「わかったら教えなさい警察に突き出します」

「……絶対教えない」

「なんで!」

「警察になんか通報されたら困るの!」

「、は?」

「だって私聞いちゃったの。電話越しのあの優しい声…はあはあ好きだって声、聞いちゃったの」

「ストーカーの上に変態ですか」

「それにストーカーするだなんて私のこと好きだからでしょ?」

「自意識過剰だそれは!」

「ストーカーするイコール危ない目にあったら助けてくれるってことじゃん」

「…まさかそいつに恋心を…!?」

「……照り焼き」

「それストックホルム症候群だよ!」

「そう言えばあの声先生に似てたなあ…」

「え…?」

「私先生にならストーカーされても別にいいんだけどなあ」

「僕じゃないからな」

「……認めたら?」

「(ため息つきやがったこいつ)何をですか」

「先生は草食だからだめなんだよ、草食だからストーカーなんてするんでしょう!?」

「ダメ出ししてさらに草食とか何なんですか君は!」

「もう焦れったいなあ!いつまで続けるつもりよ!」

「続けるつもりありませんから!」

「私知ってるんだから早く認めなさいよね往生際の悪い!」

「なんだこの女子高生」

「ここまで私が言って気づかないなんてわざとなの!?」

「支離滅裂だよ君!」

「だから!ストーカーを拒否しないのは先生だからなの!好きだよこのクソばか精神科医!」

「………………」

「…………………あ…」

「…まさかの展開ですね」

「こんな予定じゃなかったのに…私の中では先生が認めてコクるって予定だったのに…」

「過ぎたことはしょうがないね」

「バカハゲカス童貞バカ早く返事しなさいよタコイカスミパスタ」

「言い過ぎだろ!僕は童貞じゃない!…そんなにショック受けるなよ…。まあ、うん、返事ね返事。君はほっとけないからね、わかった?」

「わかりません。」

「何で今だけ察し悪いんだよ!」

「ちゃんと言わなきゃわかんないよ」

「(…)好きです」

「…なんか恥ずかしいね」

「言わせといて何なんだ君は!…まあ今日から君は僕のなんだからね、他の男、ていうか犯罪者に目向けないでくださいよ」

「…先生だから犯罪者でも好きになったんだからね!」

「(うっわやばいクリーンヒット!)可愛いですね、もう君は!」

「……先生はロリコンなの…?」

「……………」


2010



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