十二月上旬
噎せ返るような苛立ち
僕の回りに浮遊するゴミがあの子を汚染していく。あの子を汚染していく。あいつもきっとそのひとり。ああ僕ってひどい奴。でも僕の健康が冒されてくし、ごほごほと脳が拒絶してるよきっと。
あの子のまわりが全部ゴミだったとして。
僕はきれい好きだし、あの子を守るためには掃除をしなくちゃいけない。そうだよね?
じゃなきゃ病気になっちゃうし。
だから、全部消しました。
血も、人間も、ゴミも、きれいに消したよ僕ってなんてえらいの。
きれいな部屋に閉じ込めて、二人で過ごしてたのに東京っていう都会から警察がやってきた。ぽりすめん。
僕たちのまわりは全部なくなったはずなのに、ごめん、ちゃんと皆消えてなかったみたい。視野を広げておかなかった僕が悪い、あの子を守れなかった僕が悪い。
だから、ばいばい。
きれいな僕を冷凍保存、あるいはホルマリン漬けにして君の傍にいつも置いといて。
2011