わたしのゆめは、いいこになることです。中村さんのような、いいこになりたいです。
中村さんは、いつもちゃんとお母さんやお父さんの言うことをきいて、お手伝いや、弟の子守りをしています。すなおで、やさしくて、いつもにこにこしていて、あこがれのそんざいです。
だから、中村さんには、かっこよくてやさしい、中村さんにつりあうようなボーイフレンドがいます。
スズ木くんです。スズ木くんのスズの字はちょっとむずかしくてわかりませんが、きっとスズ木くんに似合う、うつくしい字なのでしょう。


中村さんとスズ木くんはまいにち一しょにいました。学校へ来るときも、かえるときも、一しょでした。もちろん係も一しょです。
クラスの男の子たちは、二人のことをからかっていましたけど、わたしからすれば、とてもうらやましく思えました。


だから、この前中村さんとスズ木くんのあとを後ろからついていったときに見た、あのこうけいは、忘れられません。


二人は、ものかげにかくれて、口と口をくっつけていました。
お互いの体をぎゅっとくっつけ、苦しそうでした。
スズ木くんがそうしながらだんだん中村さんの服の中に手を突っ込んだりしていて、中村さんは苦しそうにかおをゆがませて、かんだかい、きみょうな声をときおり出していました。


わたしはとてもうらやましく思えました。
けれど、中村さんが、わたしの知らない中村さんになってゆくようで、おかしくなってしまいそうでした。
スズ木くんにいら立ちをおぼえ、中村さんにも少々はらが立ちました。心がもやもやしました。
中村さんを助けなきゃと思いました。



小学校高学年 中村ゆみ子
中村さんを助けた私は果たしていいこになれたのでしょうか


2011


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -