★二人の想い
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*ルーシィの想い*


『…ナツなんて、大嫌い!!』


――あの時なんであたし、あんな嘘をついたのかな。


今頃ナツ、どうしてるだろう…、怒ってたりして。


って、あたしが怒ってるのよ!

でも、ナツを嫌いだなんて、あり得ないのに――。



もう、何よー!ナツのバカー!って思う時はいくらでもあるけど、それでも火竜に…ううん、ナツに惹かれてしまったのはあたし自身だし。

嫌い…、素直になれないから思わず出てしまった――正反対の気持ち。

でも、ナツは相変わらず鈍感すぎるよ。

まぁ、そこがナツらしくて良いところでもあるけどね。
わがまま言ったり、自分勝手で連れまわすところも何故なんだろう。

あたし、全部…、好き。

ナツなら許せてしまう、そんな自分が不思議でたまらないよ。

人を好きになるってこういう気持ちになるってことなの?
パパの時もそうだった?

…ねぇ、教えてよママ。

以前、初恋は実らないって本に書いてあったのを目にした。
本当なのかな。



ナツはズルいよ!

仕事中は普段見せない真剣な瞳をして、ドキッとさせられる、かと思ったらふざけたこと言って困らせるし。
散々怒らせておいて不意にあたしの弱点、あんたの笑顔で、至近距離になるまで見つめてくるんだもの。
わかっているかのように見せてくる。

そんなあたしの気持ちにさえ気づかず、笑っちゃうくらい振り回すし、無意識に腕を握るし、触れてくるから。
あたしはどうしたら良いのよ、このまま好きでいても良いの?
諦めて別の人を探した方がいいわけ?

ナツに話しても理解できないって首を傾げることくらいわかってる、どうせ変な奴って笑われるだけ。

だからあたしは、素直になれない変な奴、だわよ。






*ナツの想い*


ルーシィに“だいきらい!”って言われたぞ。

――なんでだよ。

いつもと同じようにしただけ、言っただけ、だぞ。

いつも変なルーシィだけど、今日は一段とおかしい。なんで急にそんなこと、言うんだよ。

オレがふざけても笑って許してくれるから、それが当たり前だと思っていたから、ルーシィと一緒にいると安心できんだぞ。
からかえるし、他の奴らじゃ全然おもしろくねえもん。
ルーシィの反応が楽しいんだ!
だから、いつも通り冗談言ってただけなのに。



けどよ、だいきらいってルーシィの口から聞くとは思わなかった。

――正直、凹む、つれえな。

きらいって、すきじゃねえってことだろ?
それくらいオレにだってわかるぞ、バカにすんなよな!

――って、ルーシィいねえんだった。

きらいかあ…。

グレイとかに言われても何も感じねえのに、かえって清々する。

けど、ルーシィはなんか違ぇな、なんでだろうな。

わかんねえや。

許してくれっかなー、ルーシィ。

せめて“だいきらい”から“きらい”になれば、まだマシだよな?

考えててもなんも変わらねえか、よし!行動あるのみだ。
ルーシィの部屋行くか。


……そういえば、ハッピーはどこ行った?






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