連載:長すぎた夜に 5話






「では、作戦内容を確認する。」


ディスタンスに乗り込み、コハクは電子パネルのボタンをパチン、パチンと上げていく。受信源を開放していくと、ほどなくしてリラから連絡が入る。
きっと、アスランやニコル、ディアッカ、イザークにも同時に届いているであろう。コハクは小さく息を吸い込むと、画面越しにリラに頷く。






すぎ夜に




「まず、先日の会議の場でも説明した通り、今日の目的は宇宙空間に存在する我が軍の基地周辺に近頃出没される未確認飛行物体を確認、事によってはこれを撃退、することだ。」


未確認飛行物体―言ってしまえばザフト軍ではない飛行物体、それはつまり…連合軍の機体、と言うことになる。高い確率で。

「まず、お前たちを二組に分けるぞ。イザーク、ディアッカ、それからコハク。そしてアスラン、ニコルで左右から探索開始。見つけ次第、最終通告を促せ、「識別コードを提示しろ」とな。急には撃つなよ。こちらとて連合軍とは無駄な衝突は避けたいからな。」

「…だが、素直に相手が提示しない場合―連合軍だったら、こっちも応戦しても良いってころだろ?」ディアッカがリラに繋ぐ。

「まあ、上からは不穏分子は排除しろとのことだが、私個人としてはあまり波風立てたくはない。相手の出方を伺え。出撃されたら、その際は迷わず撃て。」


リラの言葉を把握し、コハクはイザークとディアッカへ通信を繋ぐ。


「じゃあ、行こっか。私たちは右からでいいよね?」

「フンッ、偉そうに仕切るな。俺が先に行く。」

イザークは戦闘を切ると艦隊右へと進んでいく。コハクとディアッカも後を追うべく、ペダルを踏み込もうとする、その瞬間アスランから通信が入る。


「コハク、気をつけろよ…」

「…アスラン、達もね。」

心配をくれるアスランに短く通信すると、ディスタンスは勢いよく出動した。

既に遠くに光る、三体を見つめながら、ニコルと共に左側旋回を始めるアスラン。




どうか、この胸騒ぎが

何事もなく、落ち着きますように、そう願いながら。











探索開始から30分が経過した。



「イザークどう?そっちは?」

「何も見えん。ディアッカはどうだ!?」

「そー見つかんないからってイライラすんなよイザーク。そう簡単に相手も頭角現すわけねーだろ。」

「なんだとお!?」


戦闘が始まるかもしれない、ってのにイザークもディアッカも落ち着いてるなー。と改めてコハクは思う。

コハクは軽く眼を瞬き、視界の良好を確認する。この眼はいつ急に視界が曇ってもおかしくはない。


「(そういえば、初めて眼が見えにくくなった時も、)」


コハクはふ、と眼を閉じた。

そして、思い返す。

自分の眼から光が消え始めた日の事を。













次は、ヒロインの過去編です!
持病の秘密が明らかに。


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