real


▼ Jul.11th 23:07

朝、窓際の前の席の仁王は自分の席につくなりガサガサと鞄からお菓子を出し始めた。
「なにそれ?」
「ほし。」
それは赤い箱が目印のソフトミルクキャンディーだったり、大小様々の金平糖だったり。星という意味がいまいち分からず首をかしげているとその金平糖をザラザラ俺の机の上にばら撒き始めた。すぐに机の半分を覆い尽くしたそれの上にぽつりぽつりとソフトキャンディーを置いていく。
「…なにそれ?」
本日二度目のそれに仁王は顔を上げない。
「みるきーうぇい」
「あ?」
どっかで聞いたことあんなぁ、なんて聞いているあいだにも増えていたそれの量は俺でも水なしで食べきれるかどうかだった。
「お前それ食べきれんのかよ。」
思わず口を挟むと仁王はにんまりと笑う。あ、嫌な予感しかしねえ。
「だって俺は食べんもん。」
「は?」
「彦星が、お星様を全部食べて迎に来てくれるんを織姫は待っとるんよ。」
「は、」
思わずあんぐりと口をあけてしまった俺には構わず仁王は机に突っ伏した。
「ちょ、おい!」
「制限時間は一時間、水なしぜよ。」
それまで寝とるから、ちゃんと起こしんしゃい。
そうご丁寧に口元に指まで添えてアピールしてくる姿に初夏の暑さにやられた俺はアホみたいに机の上の小宇宙を口に放り込む。

「甘ぇ…」

食いしん坊のミルキーウェイ

(おら起きろ仁王)(…げろあま…)(目覚めのキスに文句いうお姫様がどこにいんだよ)




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