∴ セトさんとは兄妹 「ねえ…セトと妹ちゃん、似てないよね」 『…は?』 アジト内で雑誌を読んでいると藪から棒にカノが言ってきた。 視線を上げカノを見れば、いつものニコ顔。 「いやぁ〜今、ふと思ってさ」 『…似過ぎててもキモいと思うけど』 そうだけど〜、なんて言うカノに呆れる。 「…セトみたいな爽やかさがないよな」 ぽつりと呟いたシンタローを睨めば震える…ヘタレめ。 『何?僕に爽やかさを補って欲しいとでも?』 「い、いえ…?」 「いっそのこと、爽やかさ+語尾に『っす』を付けて見れば?」 今にも吹き出しそうに言うカノに腹が立つ。 『馬鹿じゃないの?やって何になるのさ。そう言うのは妄想だけにしてよね』 何て言ったからか、妄想して爆笑してるバカとヘタレ。 『……………』 コイツら…殴ってやろうか…? その時、セト兄が、こっちに来た。 「何、話してるっすか?」 『セト兄、シンタローとカノが苛めた』 シクシクと泣き真似をすれば、 「…シンタローさん、カノ。ちょっと表に出ろ…っす」 無理矢理二人を連れて出て行った。 ははっ、ざまぁ。 数分すればセト兄だけ帰って来た。 『お帰り、セト兄』 「うっす。…カノ達に何か言われたっすか?」 心配そうな顔をしたセト兄が僕の頭を撫でながら聞いてくる。 『セト兄と僕が似てない、って』 そう言えばキョトンとしたが爽やかな笑顔を向けてくれる。 「似てなくて良いっす、俺の妹はお前だけっすから」 恥ずかしくて下を向く。 頭を撫でられる暖かさは、とても心地が良い。 『ありがと…セト兄』 僕は照れながらも、はにかんだ。 セト兄を見て、思う。 例え似てなくても僕はセト兄…ううん、幸助お兄ちゃんの妹で良かった。 真面目に考えてる自分が恥ずかしい、でも本音だから…と開き直る。 セト兄も一緒の気持ちでしょ? 『セト兄』 「なんすか?」 『えへへ…大好きだよ』 ぐるーみーさま、素敵な作品 ありがとうございました! |