2010/09/26
僕は気になる(1戦黒

 戦士は強いし優しい。それに格好いいし憧れだ。でも格好いいってどんな風になれば思われるのかな?

【僕は気になる】

 最近、戦士は黒魔の視線が気になる。それも物凄い熱視線だ。別に恋愛感情は孕んでいないのは見て分かる。そういうのには疎いしまだ子供であるから大それたものではない。ただ、じっと興味深い瞳を向けてくる。
 今日もまた黒魔は戦士を見ていた。もしかしたら余程の事かも知れない。どうにか理由を訊いてみようかと思っていた。
「ねえ、戦士」
「ん?」
 黒魔が戦士のマントを引っ張る。
 意外にも答えはすぐに聞けた。
「どうすれば、戦士みたいに格好良くなれるの?」
 漸く納得がいった。あの視線は憧れによるものだった。スーパーヒーローでも見ているかのような、子供の無垢純粋さに思わず顔が綻ぶ。
「ん〜……そうだな。黒魔は何か大切なモノはあるか?」
「大切なモノ?」
 まるで父親にでもなったかのように、諭す。
「そうだ。その大切なモノのために、自分の信じた事を貫き通す」
「貫き通す……」
「それが男の格好良さだ」
 ぱあっと、答えを得て黒魔の顔色が嬉々となった。
「じゃあじゃあ、戦士の大切なモノってなあに?」
 無邪気なその問いは戦士を困惑させた。
 お前だよ。
 ……何て言える訳もなく。


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