2010/07/13
神よ……(FF2
戦乱の世。荒れ果てた大地に懸命に命を咲かせる一輪の小さな花。道行く白魔導師は立ち止まって眺めた。儚くも美しいそれは今を生きる人間のようだった。
何故今に生きているのだ。先の未来にでも芽吹けば、可憐に咲き誇れたのに。
白魔導師は嘆き悲しんだ。いつ枯れるやも知れない。血の雨は生命を育む事はない。死だけが突き付けられる。これが現実。
それでも。
希望を捨ててはいない。生きてこその命。紡ぎ続けていかなければならない。それが人間の使命。
どうか、
神のご慈悲を、
祝福と共に。
「また、会おう」
淡い再会を夢見る。
白魔導師は願い、また歩み始めた。